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コモ活シリーズ⑫---子育て中のコウモリを助けてあげて下さい!(コウモリの基礎知識)

上は生まれて間もなく孤児になり、保護施設で世話をされている北米のコウモリ、Eastern Red Batの赤ちゃん。コウモリの多くは、つぶらな瞳で、とても愛らしいですよ(出典)  


種類によっても違いますが、初夏〜夏は、国内外の多くのコウモリの出産・子育てシーズンです。コモ活シリーズで何度もお伝えしているように、今、コウモリを取り巻く状況はとても厳しく、環境破壊、ねぐらになる森林の伐採、餌になる昆虫の激減、風力発電に巻き込まれての死亡(鳥よりコウモリのほうが被害が多い)、5G等の電磁波による死傷…世界でも日本でも、約6割のコウモリは絶滅が危惧されています。

森に棲む種類だけでなく街に棲む種類も大変です。コウモリを嫌ったり先入観を持つ方が多く、軒下等にアブラコウモリが棲みついて糞をされるのを嫌がる方々に、忌避用スプレーが売れているとか…(‐ω‐;)ハァ
もちろん、その方々にも事情があると思います。が、一番の問題は「多くの人がコウモリについてよく知らずに毛嫌いする」ことでは?

コウモリは控えめで、おとなしく、優しく、繊細で知能の高い動物です。
私達と同じ哺乳類でありながら空を飛び、昆虫食のコウモリは超音波を駆使して、蚊や農作物に付く害虫を大量に食べてくれています。
果実食のコウモリは、私達が買う約450種類の食材と約80種類の薬品原料の播種と受粉を行い、熱帯雨林の98%はコウモリが作っています(※)。
コウモリがいなければ、大げさでなく私達の「快適な生活」も地球環境も維持できなくなると言われています。   


今、市街地にはコウモリがねぐらにできる構造の住宅が少なく、街にしか棲めないアブラコウモリのねぐら探しは大変。やっと安全なねぐらを見つけて赤ちゃんを育てようとすると、スプレーで猛暑の中を追い出され…
日本は法律でコウモリの殺傷が禁止されており、安全な成分を謳っていますが、ある方が仰った「殺さなければいいというものではない」の言葉に私も同感です。


なによりアブラコウモリは短命で少産です(コウモリ全般が動物の中でも少産で、1年に1子しか産まない種がほとんど)
アブラコウモリのオスは1〜2年、メスも3〜5年しか生きられません。
コウモリを取り巻く厳しい環境と猛暑の中、炎暑の屋外で、短い命で子供を産み、一生懸命育てています。゚(゚´ω`゚)゚。
コウモリの声は超音波で人間には聞こえず、うるさい鳴き声はしません。
コウモリの糞はコロコロしていて、鳥のようにベッタリ白くくっつくタイプではないです。

毎年やってくるツバメを心待ちにして、糞を含めてツバメのヒナには寛容な方が多いのでは?もし皆さんの身近でコウモリが子育てをしていたら、ツバメ同様に温かく見守って貰えたら、とてもありがたいです
助ける=そっと見守る( ´ー`)

コウモリを嫌う方もいれば、愛して保護・救助活動をしている方々もいます。
下は、海外のケアラーが、巣から落ちた、生まれて間もない赤ちゃんコウモリを保護して母親の許に帰すまでの感動的な動画。じーんとします。
ぜひご覧になって下さい(๑´ω`๑)♡ ↓動画からスクショ

赤ちゃんはこんなに小さい


小さな体で母親を探して一生懸命壁を登る赤ちゃん。迷子の赤ちゃんに再会して狂喜するお母さん。親子の愛情はコウモリも人間も同じです(;´Д⊂)

約5分半の動画。お急ぎの方は3:15位から。簡単な英語の字幕ですが、ただ見ているだけで分かります。

(※)Bat World Org調べ
※記事の内容の利用、転載はお断りいたします。


★どこにも所属しないコウモリ愛好家です。メキシコオヒキコウモリを熱愛し、親しい海外の専門家に教えてもらいながら調べています(もちろん日本のコウモリも大好きです)。
誤解されがちなコウモリという素晴らしい動物の魅力を広めたくて本を書いたり、ラジオ番組で取り上げたり、ミニ講座で話をしたりしています。専門家や研究者ではないので、分からない点は専門家にも教えて貰っています。 コウモリがお好きな方、繋がりませんか? ( ˙ω˙)و グッ!
「コウモリを正しく知ろう、守ろう」 


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樹山 瞳
嬉しいご厚意は、地球に暮らす小さな仲間たちの保護に使わせていただきます(๑´ω`๑)♡