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〈レココレを読み返す〉 第0回

はじめまして、最初の投稿です。
noteに何か投稿したいという意思はあったものの、何を書くか決められないでいた。しかし最近、自分が持っている雑誌『レコード・コレクターズ』(以下レココレ)を読み返すという行動を始めたので、それをまず記録に残してみたい。

1.出会い
本題に入る前に、第0回なので自分とレココレとの関係性を述べたい。
最初は中学2年の頃、父親が買ってきた増刊号の『ロック・アルバム・ベスト100』(2007年)を読んだことで知った。それは洋楽との出会いでもあった。
多分に中2病的なものもあったと思うが、そこに掲載されたアルバムのジャケット、タイトル、解説に大変な魅力を感じた。

特にカタカナで書かれたアーティスト名とアルバムのタイトルをかっこいいと思ったことをよく覚えている。今でもかっこいいと思う。ザ・バンド『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』、キング・クリムゾン『クリムゾン・キングの宮殿』、ザ・ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』、ザ・ドアーズ『ハートに火をつけて』‥
本当に何の知識もなかったので、カタカナで、かつ邦題で書かれていたことがとても重要だったと思う。誌面のレイアウトや字体、判型がかっちりと四角いことなど全て含めて心に差し込んできた。そして解説には曲が良いかどうかだけではなく、色々なことが書いてあった。正直最初は書かれたことが理解できるわけもなく、しかし強く惹かれた。
繰り返しになるが、「アーティスト名とアルバムのタイトル、ジャケットの画像、解説」が組み合わさった誌面全体に、今思えばカルチャーの空気を感じていたのだと思う。(図鑑のようにも受け取ったかもしれない)

そこで紹介されている音盤を地元の図書館や近所のTSUTAYAで5枚1000円で借りてきてウォークマンに入れる日々が始まった。さらにありがたいことに父がその多くをレコードやCDで持っていたので、父の部屋で聞かせてもらったりもした。

誰もが同じ道を辿るように(?)、少し知識がついてくると頼まれてもいないのにおすすめの曲を入れた編集盤をCDに焼き、解説を書き、手描きのジャケットを添えて友達に渡すなどしていた。

それから17年、レココレの誌面、そして掲載されている音楽から感じるかっこよさ、得体の知れなさ、胡散臭さなどは今でも自分の中にある。


2.理由
しかし、レココレ(と多少のインターネット)が唯一の情報源だった2007年と比べて、入ってくる情報は格段に増加した。レココレは好きで買うものの、内容に厚みがありすぎて消化できないまま大量に所蔵している。

また、30を超えて、音楽ジャンルが拡散し、Spotifyを活用するようになってなんでも聞けるから逆に‥、などいろんな理由が考えられるけど最近音楽で新鮮に感動することが少なくなり、またその日聞く音楽を選択することが難しいと感じることが増えた。自分が作った好きな音楽のプレイリストを何となく流してしまう。
何か新しいものを、と思っても膨大な量のカタログがあるために上手く決めることができない。

そんな状況の中で何か指針を持って音楽を聞きたいと思ったときに、本棚に収まっている大量のレココレが目に留まった。
これ以上の軸はない。このまま死蔵しているのは勿体無いので、古いものから読み返し、聴いてみたい。


3,方針
自分が持っているレココレを古い号から読み返し、掲載されている音楽を聴いてみる。聴き方はまずレコードやCDを持っているものはそれを再生して、持っていないものはSpotifyで、Spotifyに上がっていないものはYouTubeで探して聴く。
大体1冊(または1特集)読み終えたらnoteにまとめる。


4,終わりに
自分は90年代初頭生まれのため、レココレに登場する音楽の全てがかなりの後追いである。レココレの存在を教えてくれた父も1960年代前半の生まれなので、誌面に登場する音楽の大半は後追いだと言っていた。(リアルタイムで追っていたのはトーキング・ヘッズなど70年代末から)
例えばビートルズ世代で筋金入りのレココレ読者の方が読まれた場合、何とも実体験に乏しいと感じられるかもしれない。

またレココレ=洋楽カルチャーとの出会いに強い影響を受けたが、自分の場合はそこでバンドを組むのではなく、絵が好きだったので美大に進学した。大学を出た今も美術方面で制作を続けている。
そのため音楽に精通しているというわけでは全くなく、楽器もできない。
しかし音楽という文化全体(ジャケットなどビジュアル面、歌詞、それに対する解説etc)に影響を受け続け、またそこから他の文化への通路を開くことで趣味嗜好が形成されてきた。

この文章でも、音楽の内容について書くというよりは、「レココレを読み返す」ということを軸に、美術なども含めたカルチャー全体について書けたら良いなと思っている。
それが実体験に乏しいながらも、メディアを通して洋楽カルチャーを吸収してきた人間の一つの記録として残れば良いし、また大量の情報に埋もれて正直よく分からなくなっている自分のリアリティを、再確認するきっかけに出来ればという望みもある。

そんなわけで第1回(持っている中で一番古い号)は、2000年6月号『ジャーマン・ロックの快楽的宇宙サウンド』です。
初回から相当ボリュームがあるので、記事にできるのはいつになるのか、、
とにかくやってみたいと思います。終わり


※トップ画像は好きで中学のときに鉛筆で模写したドアーズ『まぼろしの世界』のジャケ。世界観はもちろんのこと、写真の粒子感や階調に惹かれていたことを思い出す。




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