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プロトタイピングのススメ
自治体変革PJ-DXやデータアカデミーのサービス立案をやっている中で、プロトタイピングを活用しています。なぜ、プロトタイピングをするかって?それは、想像の翼と出来ることにはギャップがあるからです。今回は、その辺りをお話ししていきましょうか。
コンセプトの確認のためのプロトタイプ
この先の業務が、なにが正しいかなんて分からない。だからこそ、どんな方向性でいくのか確認する必要があるんじゃないですか。そのための、プロトタイプは、PoC的なプロトタイプが有効なのです。この段階のプロトタイプは、ペーパープロトタイプでも良い、寸劇でも良い、とにかく早く実効性があるかどうかを試す、ビジョンを達成するかがわかる、そういうところをやるのがこの段階です。
頭で考えすぎずに、色々と試しながらこの段階はあらゆる可能性を試してみましょうよ。
可能性を考える段階のプロトタイプではとにかく、試す、直す、発散する、を繰り返して良いです。
それが、一つ一つの可能性を作り出していくのです。
発散する段階では、多くの物事を考えて可能性からコンセプトを作り出しましょう。
ちなみに、この段階でツールの利用や開発は必要ないですよ。
シナリオが共感できるかどうかが一番大事なところです。そういうところを早くユーザーと一緒に(できる限り市民と一緒に)やっていくことが大事なんですよ。
要件を確定するためのプロトタイプ
そして、こっちは、実際に何を業務でするべきかのところのプロトタイプ。当然、業務ヒアリングや調査も大事なのだけれど、それはそれとして(また別途書きます)何をどこで、どんな仕事をするのか、どんなデータの動きがあるのか、それを決めなきゃ新しい業務なんてできやしない。
なんか、AI使って、とかツールを使ってでは、業務要件にはならんのです。
新しい業務フローに対して、いつ、どこで、何を、どのように、使うか。それは、チェックや、もし削除するときはどうなのか、そういうところを確認しなければいけない。実業務として回るかのプロトタイピングなのです。
山口県庁で実施した時にも、例えばチャットボット、これについてはデータが足りない、これでは違う回答が返ってくる、タグやカテゴリーが必要なのでは?とわかってくるところでもあるし、死亡届については固定資産の確認で必要なことが、時系列の変化とともに間違いの場合も含めてどんなふうに情報を提供しなければいけないのか、自分達がどんな情報が必要なのかということが具体的にわかってくるわけです。
実際に必要な業務の動きは何か、そこを確かめるのが、要件プロトタイピングなのです。
だいたい、チャットボットはデータが足りない、区分が足りない、どうやって整備したら良いか分からない、自治体が説明したいことと、市民が聞きたいことの差があって説明したいのフローは聞きたいフローではないなど出てくるのですよ。いつまでも、頭でっかちで、AIがなんとかしてくれるで済ませるのはやめましょう。
製造のタイミングでもプロトタイピングする
開発のタイミングでも、全部出来上がる前に一つの機能や効果についてたくさんの確認をユーザーとともにしていくことが大事です。少しの価値が出せる機能を確かめてみて、本当に価値があるのかを確かめる。それを実際の業務全体に使えるかどうかを確認する。その繰り返しをすることで価値が増大するのです。なぜ、ユーザーテストをしないのですか?一緒にいいものを作るのであれば、一緒にやらなければ何もできないので、どんどん作っている途中でも見せていきましょう。
リリース後もプロトタイピングする
リリースした後に、どれだけ価値を出しているのか確認していますか?それを直すってことを考えていますか?直す場所がない仕組みなんてありません、もっと良くするために何ができるのか、そのためのリサーチと次の仕組みについてのプロトタイピングだって必要なのですよ。
完成品なんてありません、どんどん直せば良いのです。どこまで良くするか、一緒に考え続けましょう。
だからこそ、プロトタイプしていこうよ
なぜ、体験せよ、試してみよというか。それは、そこからしか得られないものがあるからだ。だからこそ、自治体職員の皆さん現場に出るのです。そして、頭の中だけで、考えるのではなくて使ってみましょう、いかにアイデアだけではだめかがわかるでしょう。そこがわかった時こそ、変革の時ですよ。
てなことで、いつも通り、私に相談したい方々は、シビックテック・ラボの問い合わせから質問してくると良いのです。大手の研修(というか単に話だけのもの)や、外部人材といいながら、価値が出せてないなぁと思っているのであれば、それが変革のチャンスなのですよ。
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