白鴉例会と自作と『夜明けまでバス停で』と『菊とギロチン』と阪神教育闘争と10月と
29日、白鴉例会。オンライン。拙作1本。書こうとしているものがどう考えても間にあいそうになく、前に連載企画用に書いた4枚ほどの作品を9枚ぐらいにした作品。自分的には喜劇を書こうとしたが、たぶんそれが悪影響を及ぼしていたきらいあり(カメラが近ければ悲劇、のような)。終盤、ほとんどなにも考えずに落とそうとしたのでだいぶ雑に。1作なのでさすがに一時間半ほどで終了。ちなみにその連載企画は沈静中なので出せるわけですが、再始動した際にはまた別のを書くのでご安心ください。作品の趣旨も企画段階とは異なってますね。今回、どちらかというと後藤明生や大江健三郎「セブンティーン」を読んだから書いた、というか書きたくなったというのが大きいです。終盤までは最高に面白かったようで、たしかに横光の「機械」的面白さはあるかもしれないなと。いや、この作品名は出てきてませんでしたが。
企画と言えば今年8月締め切りだったやつがなんだか遅れているようで、本来ならばもうその媒体に掲載されているはずなのですが、まだもうちょっとかかりそうです。まあ、小説じゃないしな、とも思いますが、私なりの創作論の一環ともなっているはずです。
また渋谷区で糞みたいなことが起こっておりましたが、映画『夜明けまでバス停で』の元ネタとなった、おなじ渋谷区でかつて起こったホームレス女性殴殺事件から私も「椅子がない」という詩を生み出しており、この詩をInstagramにアップしたところ、シェア先のFBにて岡和田晃氏より「いいですね」との評価をいただき、とてもうれしい。
映画『夜明けまでバス停で』は最高でした。冒頭にあの事件をなぞるような、あの惨劇を予感させるカットでフックされ、そのまま過去から現在時まで描かれ、冒頭のカットのつづきは、もしかしたらありえたかもしれない(ありえてほしかった)つづきとなっており、いい感じに映画館を出ることができます。まさか腹腹時計が出てくる現代劇を2022年に観ることができるとは。出てきた瞬間ぶちあがりましたね。マサラ上映だったらクラッカー連発の場面ですよ。名作『菊とギロチン』にも出ていた、いつも名前の読みかたに戸惑う大西礼芳氏も出ていました。こういう名前のつけかたを見ると、大西巨人を思い出しますね。
『ワタシタチハニンゲンダ!』も、個人的に阪神教育闘争の映像資料が観られたことがいちばんの収穫だった。一万五千人もあそこにいたらあんな感じになるよなと。
10月、これまでいちどもブログ更新していないことに驚きしかない。
さいきん読み終えた本
『大江健三郎自選短篇』(岩波文庫)
後藤明生『小説は何処から来たか──21st Century Edition』(つかだま書房)
さいきん観た映画
『夜明けまでバス停で』(高橋伴明)第七藝術劇場
『ワタシタチハニンゲンダ!』(高賛侑)宝塚シネ・ピピア