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赤ちゃんの指しゃぶりは必要なの!?

こんにちは、ひろです!
現在、小児科医として働いており、日々精進中です!
病院で関わる方以外にも、多くの人に自分の記事を読んでいただきたいと思い始めました。
少しでも子育てに不安や迷いが生じている、そんな方に向けた記事を作っていきたいと思います!
さて、本題に入ります。
1か月健診の際に、よく保護者の方から下記のようなご質問を受けます。
「赤ちゃんがミルクを飲まないけど、指しゃぶりばかりしてて大丈夫ですか?」
このことに悩んでいる方は実際多いのはないのでしょうか。
この記事では

● 生後〜1歳までの赤ちゃん(乳児)の指しゃぶり

について、解説していきます!


1. 時期によって異なる指しゃぶりの意味

指しゃぶりについては、時期によって意味が異なってきます。そもそも指しゃぶりは、胎児期から始まっており、胎生14週ごろから手を口に持っていき、胎生24週ごろには指を吸う動作が始まると言われております。この時期の指しゃぶりについては、出生直後からの母乳を吸うための準備の役目を担っているそうです。

1-1. 生後1-2か月の指しゃぶり

生後1-2か月の指しゃぶりについては、反射によって起きております。「吸啜反射」と呼ばれ、原始反射(生まれてから備わっている反射)の一つに含まれております。主にお母さんの乳首が口に入ってきたら、それを吸い付くように舌の上下運動が見られます。吸啜の練習や口の発達に寄与しております。

1-2. 生後4か月以降の指しゃぶり

生後2か月ごろに吸啜反射は消失していきますが、生後4か月以降になるとさらに指しゃぶりが多くなっていきます。ここでは吸啜の練習のためというよりも、自分の手を見つめ、動かし、口の中に入れるという一連の動作・・・自分自身の身体の確認および目と手の強調運動のために必要になってきます。発達のためには不可欠の行為なのです。

また、この時期には、「遊び飲み」という行為も増えていきます。これは周りにも興味が出てきて、発達が良好であることの証拠になります。遊び飲みをしていると困る保護者の方も多いと思いますが、体重増加が問題なければ、止める必要はない行為なのです。

1-3. 生後6か月以降の指しゃぶり

お座りやはいはいをし始めると、両手を使うようになり、指しゃぶりの頻度は減っていきます。一方で、生後6か月以降では乳歯が生え始めるので、歯茎にむず痒さなどを感じ、指を口に入れる動作が増えていくる子もいます。この辺は個人差がありますが、無理に指しゃぶりをやめさせる必要はありません。

1-4. 1歳以降の指しゃぶり

1歳以降になると、指しゃぶりの頻度は減っていきます。ただし、眠たい時やストレスがある時に自分の気持ちを落ち着ける目的で指しゃぶりを行うことはあります。

2. 指しゃぶりはいつまでやっててもいいのか?

結論から言うと、3歳までの指しゃぶりは無理にやめさせる必要はありません。指しゃぶりについては、歯並びや噛み合わせについての影響を心配される保護者の方は多いですが、3歳までその影響はありません。もし、3歳を過ぎても、指しゃぶりを続けていると、噛み合わせに問題が生じる場合もありますので、その際は小児科あるいは小児歯科で相談しましょう。


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