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間取りを決める“お伺い”というものがあります。

昨日書きましたお仏間の位置についての話と関係する部分があるんですが、お客様の中には“お伺い”に行かれるお客様がおられます。この”お伺い”とはいかなることかと言いますと、僕の経験の中では

「お寺、神社、家相に精通した占い師さんに間取りの相談をすること」と理解しています。

このお伺いというのは家に限ったことではなく、お子さんが生まれるときの姓名判断、家族に病気が続くとか家族にかかわる一大事には相談されることがあります。

子供のころからその方がおっしゃることを信じてこられたんですから、間取りに関しても影響力が大きいです。

僕のお客様の中でこんな方がおられました。

「家族にケガや事故が続いたのでお寺に相談して言われる通り置いている物の位置を変えて、お酒を撒いたらそれ以降何も起こらなくなったそうです。その数年後、ご主人が病院に行っても熱が1週間下がらなく、原因がわからないのでお寺に相談に行かれました。ご住職がおっしゃるにはその時、小規模のリフォームをされていて、解体工事に着手する日もその日のお清めの仕方もご住職から言われていたそうなんですが、建築会社が予定の1日前に一部分だけ壊してしましました。ご住職はそれが原因と言われ、工事を中断しお清めをされたそうです。そうすると直ぐに熱が下がったそうです。それを目の当たりにされ、お嫁に来られた若奥様も信じるようになったそうです。」

ここまでのことが起こると信じて当然と思いますし、ご商売をされているお客様も良く相談に行かれます。

さて、そんなわけでお客様と打合せを重ねプランが煮詰った段階で初めて「親から”お伺い”に行くよう言われてるんです」と言われますと、まぁ大変(>_<)せっかく時間かけて打合せいたプランも木端微塵です。お客様もわかっておられるんですが、光が入らなかったり、とんでもない位置にキッチンがきたりと使い勝手は無視の時があり、もはや”お伺い”の通りにするしか成立しなくなります。一度若夫婦と打合せをして、建築確認も認可され、地鎮祭の時初めてご両親から”お伺い”に行くように言われて、その結果建築確認出し直しの事態(>_<)

それ以降、打合せの初期段階で”お伺い”について確認しています。建築確認を提出してからはさすがに辛いです(^^;

”お伺い”がダメと言っているわけではありません。ただ、明らかに使い勝手が悪くなるのは設計者としても切ないです。

なので、”お伺い”でダメだと言われたとき、そこで「どうしたら変更せずに出来ますか?」っと聞いてみてください。僕のお客様のほとんど方が逃げ道を聞いてこられています。例えば、「玄関の位置が良くないけど、角に棚を作ってそこに花を飾れるようにしたら大丈夫」とか。

使い勝手も”お伺い”にも良い間取りにしたいものです。

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