連載版「十束神剣百鬼夜行千本塚」 #27
忍者を抱えながら急いで階段を駆け下りる。そして駆け下りながら自分の考えを語り出す。要点をまとめている時間は無い。だから要領を得ないことを語り出すかもしれない。
「若様の寝言にも譫言にも慣れているので大丈夫です。だから気にせず聞かせてください。若様の考えておられることを、全て私に」
奪われたものを取り戻す。そうでなくては支配者としての一分が立たぬ。奪われたものが姉上であろうと、一枚の皿であろうと僕が魔窟に挑んでいたことには変わりないだろう。それは嘘ではない。だが、それが全て