【旧】西城洋志

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最近の記事

ビジョナリーと経営者の違い

良記事。 私はUBERやLYFTなどのライドシェアリング事業同様にテスラに関しても悲観的意見を持っている。テスラに関して悲観的になる理由はライドシェアリングがもつ事業的問題(別稿)とは異なり、この記事にあるようにまさにマスク氏が稀代のビジョナリーであり、それが故に経営者としては失格かも知れないという点。 スタートアップでもファウンダーが長く経営トップを張り続けてしまったが故に失敗・廃業することになったケースが多く見られる。1つはファウンダーが自身の生み出したプロダクトへの

    • 日本は多様性を内包する国家になれるのか(なるべきなのか)?

      記事内にある”6つの提言”には首肯するものの腹落ちまではできなかった。 >第1の過ち (移民受け入れ拡大によって)少子化対策の方をおろそかにすること これはそうだなぁと思う。少子化問題の恐ろしさは「短期間には解決不可能な問題である」という事。時間はお金で買えない(買える時もあるけど)のだ。最近、インドに行く機会があったが、”人口=パワー”だなと改めて感じた。一方で人口増大と急速な経済成長を遂げるインドでは社会システムがそれについていけない事に起因する問題も噴出している。こち

      • 【良記事】正確なロジックが作り出す「公正さ」の歪み

        保険やSNSなどの”正確な”ロジックに共通するのは、”統計的処理”であり過去に起きた事実は正確なのだからそれらをベースとして”正確に”計算された結果もまた正確であるというもの。これを適用すれば、過去から現在、未来が線形的に確実性の高いものとなるだろう。言い換えれば、敗者はより敗北するし、勝者はより勝利する。問題はそれは「公正」とは異なるという事だし、「公正」はその状態を定義しにくいという事。 以下に本質が集約されている。 "問題は、公正という概念は、単体で完結するシンプル

        • ライドシェアは事業としては成立しない

          「ライドシェアは成り立つのか?」という記事だったので、敢えて強めに「成立しない」と題してみた。過去の投稿で私がなぜそのように考えているか?は説明済みだが、 ・ライドシェアはサービス提供者とサービス利用者のマッチング ・サービス提供者は複数のマッチングサービスに登録可能 ・サービス利用者も複数のマッチングサービスに登録可能 ・マッチングサービス事業者は常に提供者と利用者をできるだけ多く持つ事でマッチング効率を上げ、利便性と収益性を上げる事ができる。裏を返せば、ずっと提供者と利用

          「機会損失」は長期的失敗

          アイデアや計画に価値は無く、実行にこそ価値があるというのはシリコンバレーやイノベーションのコンテキストでよく言われる言葉。この記事にあるように人は「手段」の方が具体的で評価可能なのでそちらに集中しがち。また、「目的」にフォーカスしていると、何も成果が出ていない(成果は出ているが計測できない)と判断されがち。 重要度と緊急度の4象限はよく出てくる図だが、ポイントは「緊急度は時間経過とリンク」しており、「重要度は世の中の情勢とリンク」している事。前者の緊急度は時間軸と言い換えて

          「機会損失」は長期的失敗

          見えないビジョンと見えている危機感

          少し残念な記事。 社長の頭にしかないビジョンで社員は動かないし、組織の壁も当然消えない。「モノつくらぬメーカー」はどうなりたいと言ってるわけではなく、またそれがファブレスやソフトへの偏重を言っているのだとすると、新しさは無く、なぜパナソニックがそれをやるのか?それをやる事でどんな価値を生み出すのか?が見えない。「くらしアップデート業」も純粋にOTA(記事ではIoTと言っているが)で機器のソフトウェアがアップデートされて便利・高価値になるというのもパンチ力に欠ける。実際、PC

          見えないビジョンと見えている危機感

          「元号」という文化を大切にしたい

          日本の”令和”フィーバーを海外から少し冷静に、少し疎外感を感じながら見ているのだが、面白い事に「元号」をただの名前ではなく、文化として捉えている人が多い事に気付く。 特に面白いのが元号否定派というか「(運転免許や各種書類に)西暦を使えよ!」と言っている人ですら、この元号の移行については何らかの感慨を覚えているという点。 本来時間の流れというのは連続的であり、1日、1週間、1ヶ月、1年などの区切りは人為的なものである。元号は上記の世界的・標準的区切りとは違い、日本特有の、か

          「元号」という文化を大切にしたい

          「個」の時代の生き方

          いい記事。 ”Who you are?”もいいですが、”Who you want to be?”が重要だなと最近思います。”Should be”でも”Must be”でもなく、どうなりたいのか?です。これまでの時代においては、社会や会社、家族が”Should be”や”Must be”を用意して来ましたが、これからは個人が”社会的動物”として生きていく時代なのでしょう。「個」として生きる事はいいことばかりではありません。ともすればつらい事の方が多いかも、特に日本人には。

          「個」の時代の生き方

          技術開発と技術のImplementation

          繰り返される悲劇。 一方で高齢者の方や運転に支障を来たす可能性がある方の運転を禁止・抑制する動きは高齢化社会における「モビリティを失うと能力低下(肉体的、精神的)を加速させる」という点においては必ずしも良い案とは言えない。 シリコンバレーを中心に世界規模で過去数年にわたってADASや自動運転などの技術開発に巨額が投じられ、多くの優秀なエンジニアが日々技術開発に勤しんでいる。 しかし、私の住むカリフォルニア州でもまだ「あ、自動運転テスト車だ!」と目を奪われるくらいの台数し

          技術開発と技術のImplementation

          1の栄光の陰に1000の挫折

          セブンドリーマーズの倒産のニュースは私個人としては残念なものだったが、その後にいろいろな意見が出ていて少し気になるので敢えてnoteに書いてみる。 間違いなく今回の倒産の主要な原因はランドロイドの開発費と事業採算悪化だろう。ゴルフシャフト、ナステントは事業として成功しているとは言いがたい側面もあるが、生き延びる事はできたはず。ランドロイド事業(開発)を止める決断はせず、それ以外の事業を譲渡してランドロイドに賭けた格好。 一般的なシリコンバレーのベンチャーとは比べにくいが、

          1の栄光の陰に1000の挫折

          グローバルとインターナショナル

          尊敬するお2人の対談記事。島国である日本は国の境界が海であることなどから、それを明確に意識しているのかも知れません。私の理解だとグローバルとは「多様である世界という立ち位置(国という概念は薄い)」で物事を見る話でインターナショナルは「国という単位で世界を見る立ち位置」ですね。 >本当のグローバルは「いかに多くの人たちに自分たちのサービスを届けられるか」 この言葉に集約されているように思いますね。国の単位ではなく、地球上のどれだけの人に価値を届けられるか?と考えて事業を考え

          グローバルとインターナショナル

          [D-Lab] レポート第三弾 MaaS

          少しお手伝いしているD-Labの第三弾レポート。近年注目を浴びているMaaSについて。CASEが主に技術的進化の話であったのに対して、MaaSは事業・サービスの話になっており、技術がイノベーションのEnablerである(技術自体が価値に直結しない)という昨今のトレンドの好例かと思います。力作ですので、是非ご一読ください。

          [D-Lab] レポート第三弾 MaaS

          イノベーション指数 by 日経×一橋大学

          面白い分析。上位陣にはあまり違和感がないが、8位のAT&Tなどは少々意外。イノベーション指数は以下の項目で構成されているらしい。イノベーションをどう定義するか?だが”組織力”の部分は経営層の多様性を測っているように感じる。価値創出力の部分は過去5年の事業実績(投資をどれだけ回収しているか?)が中心。海外売り上げ比率は少し毛色が違うように感じるが、成長率もあるので国際的に展開・成長した実績という感じか。潜在力は価値創出力が投資回収結果なのに対して、今どれだけ投資しているか?とい

          イノベーション指数 by 日経×一橋大学

          破壊的創造は終わりが始まることから?

          面白い記事。実際、私もfacebookのフィードからニュースにアクセスする事が多い。友人が上げてくれた内容の方が自分の興味や知りたい事である可能性が高いし、そこからコメント応酬による議論などもできるし、そのフィードから次の話題が生まれたりと有益だからだ。一方でそれをやり過ぎると“偏る“ので、紙面記事やニュースサイトなどでバイアス解除するようにしている。 真実は何か?偏りのない事実は何か?という問いに答える事は難しい。が、広告収入をベースとし、友人からの情報が多く載るSNSの

          破壊的創造は終わりが始まることから?

          不確実性と多様性が高まる時代の生き方の指針

          これは卒業生に向けて宇田川さんが書かれたものだが、是非皆さんに読んでいただきたい。 私も常々人生において、 「己」と「環境」の2つがあり、生きていく中で困難や苦難に直面すると「己」を変えるか、「環境」を変えるかしかない と考えています。多くの場合、「環境」を変えるのは難しく、それよりも自身のAgilityを高め、困難な「環境」を楽しむ事ができれば道は開けると思います。 また、後段の「何者であるか?何者でありたいか?」という問いは、会社にも適用される話で「存在意義は何か?何

          不確実性と多様性が高まる時代の生き方の指針

          AIのおかげで多様性に満ちた世界が創れる

          多くのAI関連記事が出る中でPost AI時代(AIが騒がれなくなってそれこそAirのように普通に存在しているのが当たり前になる時代)の世界を語っている良記事。 コンピューターの出現の時もそうだったが「職を失う」という懸念は新しい技術、特に自動化系の技術の到来の時にはいつも騒がれる。が、それは人が本来あるべき・ありたい姿になる為のツールの出現と考えるべきで、ツールをどう使うのか?は常に人間である。だからこそ、それらのツールを正しい、意味ある使い方ができるよう人の教育や(悪意

          AIのおかげで多様性に満ちた世界が創れる