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【EDH】大衆扇動者の異常な愛情:または私は如何にして心配するのを止めてスタックスを愛するようになったか


令和cEDHにおけるスタックス戦術はフィクションであり、
現実には起こりえない。


 ご機嫌麗しゅうございますか。はぴまきです。
 《大衆扇動、ブリーナ》の構築について語った前作、前前作のNoteは多数のレスポンスを頂き、ありがとうございます。

 これまで《大衆扇動者、ブリーナ》を統率者としてThe Gameで遊ぶ・勝つことを目標としたNoteを書かせていただきました。ここまで私のNoteを読んでいただいた方はご存知かと思いますが、私は令和のcEDHにおいてスタックス戦術で勝ちたいと思っている新米EDHプレイヤーです。

 第一報で書かせていただいたように、私はもともとスタックス戦術が好きではなく、どちらかというと、私も自分自身のやりたいことを如何に妨害されずに押し付けるかという勝ち筋ばかりを考えていました。そんなある日、《大衆扇動者、ブリーナ》、勝つためなら何をしてもいいという環境、素敵なものをいっぱい。全部混ぜるとむっちゃ可愛いオーリンができる・・・はずだった。だけどブリーナ博士は間違って余計なものも入れちゃった!

サイレンス!タックス!サイレンス!

 本Noteでは私の考えるThe Gameでスタックス戦術をとるに当たってのコンセプトと、構築にて実際に導入した妨害カードについて2023年12月現在のデッキを元に述べさせていただきます。スタックスもEDHもMTGも何もかも勉強したての私の考える理論ですので、この報告書は一瞬で瓦解する可能性もあり、伸び代しかありません。
 あくまで私の考えをまとめる場であり、特にEDH後発組の私は経験の差を勉強で埋めるしかなく、長年EDHをやられている方には当たり前の考え、的外れな考えかもしれません。また、「この理論を元にガチコマ行ったら負けたが?」と言われても「ざっこ〜い❤︎ざぁ〜こざぁこ❤︎」としか思わないので、あまり強く言うのは止めてくれカカシ、その言葉はオレに効く。改善案とかは歓迎しておりますので、皆様のご意見ご感想お待ちしております。


序論

MTG(cEDH)における戦術

スリーブは消耗品なのでヘタったら交換しましょう。

 スタックス戦略の話をするのになんでそんな広い話をするんだよって思われるかもしれませんが、相手がやりたいことを妨害する戦略を取る上で相手がやりたいことがわからないと全くの的外れなことをしかねないので戦術の勉強は勝つためには必須と思います。とはいえ、メタゲーム上のすべてのデッキを研究することは大変だし、毎シーズン新しい統率者が生まれているのでそこまでやる重要度は1段下がると考えます。

 Wizards of the Coast社の首席デザイナーであるGavin Verhey氏は2012年に執筆した記事にて、デッキにはアグロやコントロールといった現代でも主要な6種類のアーキタイプが存在すると述べています。
 しかしながら、記事投稿から10年分のカードプール拡張に加え、100枚ハイランダーという特殊環境から厳密にこの6種類のアーキタイプに現代のEDHデッキが分類できるかと言われると厳しいかもしれません(それでもデッキ構築論としてとても素晴らしい記事ですので10年経った今でも初心者の方は特にこんなNoteよりも一読の価値は非常に高いです)。

 EDHにおけるアーキタイプを議論する上でよく挙がるものとして「Turbo Naus」「Midrange」「Control」に分けるものがあります。その他のランプ戦略やビートダウン戦略は最も激しいゲーム開始からの3ターンを凌ぐことも、3人のライフを40点削り切ってそのまま勝ちきることも難しいと考えられておりメタゲーム上では考慮されないことが多いです。
 しかし、これらのアーキタイプも少なくとも2年以上前に考察されたアーキタイプであり、加速度的に研究が進むメタゲーム上ではこれらだけに分類できないデッキも増えてきたことに加え、「Midrange」が包括する範囲広すぎだろ問題から以前よりこの3種類だけで議論することに疑問を持っていました。

人が死んでんねんで!

 まだ、私の中でもEDHにおけるアーキタイプの分類に関しては研究中ですが、現在最も良いなと思っている分類方法は、海外のcEDH wikiに書かれていたデッキ構築の段階における分類〈Major archetypes〉と、最終的な勝ち方の分類〈Minor archetypes〉の2種類を複合させて考える方法です。
 組み合わせ爆発させればそりゃもう爆発よと思われるかもしれません。しかし、2023年に行われた第4期から第6期までの統率者神決定戦に参加された統率者だけでも131種存在しており、野生のEDHバーサーカーも含めるともっと多くなることは想像に難くないでしょう。これらを少ないアーキタイプで分類できることは、想像以上にEDHを理解する上で効率的です。

 WikiではMajor archetypesとMinor archetypesを以下のように分類しています。

Major archetypes
・Turbo Naus/Turbo

 このアーキタイプは特定のカード(多くは《Ad Nauseam》)をできるだけ早く着地させ、それを勝利に変えるデッキタイプです。これらのデッキの特徴としては、できるだけ早くゲームに勝利することを求めているため、遅くても3ターン目、早いときは1ターン目にゲームを決着することを目標に動いています。1ターンに多くのアクションを実行することも特徴の一つです。
《ロフガフフの息子、ログラクフ》+《愚者滅ぼし、テヴェシュザット》
《儀式の大魔道士、イナーラ》
《山賊の頭、伍堂》…など

・Midrange
 このアーキタイプはマナクリマナファクトやドローソースのようなアドバンテージが取れるカードを序盤に展開し、十分なリソースを確保した後、安全に(多くは4〜7ターンで)勝利することを目標にしています。とはいえ、即勝利に繋がるコンボを内蔵していることも多く機会があれば序盤からも勝負を仕掛けます。
《トリトンの英雄、トラシオス》+《織り手のティムナ》
《眷者の神童、キナン》
《無限のエルシャ》…など

・Stax/Hatebears
 このアーキタイプはプレイヤーの行動を《法の定め》のようなスタックスカードでゲーム全体を遅らせ、稼いだ時間(+しばしばアドソースによるアドバンテージ)をリソースにコンボによって勝利することを目標としています。時々、戦闘ダメージや対戦相手のゲームからの締め出しのような勝利方法も取ります。
《太陽冠のヘリオッド》
《軍団のまとめ役、ウィノータ》
《開闢機関、勝利械》…など

・Control
 このアーキタイプはスタックスと非常によく似ていますが、序盤の相手の勝利を止めながらアドソースを展開することで、長期的に圧倒的なアドバンテージをゆっくり蓄積することでスタックスと異なります。また、スタックス型と同様にいくつかのスタックスピースを導入することもありますが、それを上回るカウンターと除去を採用しています。
《万物の姿、オルヴァール》
《パルン、ニヴ=ミゼット》
《巻物の君、あざみ》…など

Minor archetypes
・Polymorph

 トークンやログラクフをゲームに勝利する大型クリーチャー(多くは《船砕きの怪物》)に変身させ、コンボを組み立てて勝つ。

・Tempo
 脅威となるクリーチャー(通常は統率者、例えば《刃を咲かせるもの、ナジーラ》や《虎の影、百合子》)を着地させ、戦闘ダメージやコンボによる勝利が見つかるまで脅威を守りながら雪だるま式に盤面、もしくはライフレースを攻めて勝利する。

・Reanimater
 
墓地からコンボ勝利を可能にするクリーチャーを《再活性》などで直接場に出して勝利する。最適な初手の場合、1ターンで勝負を決めることもあるが、多くはMidrangeやStaxのようなデッキがフィニッシャーとして構えていることが多いです。

・Hulk
 《変幻の大男》をインチキして生贄に捧げ勝利する。大男で出てくるクリーチャーは固有色によって異なりますが最終目標は同じです。

・Storm
 ワンアクション(多くは《Ad Nauseam》や《Peer Into the Abyss》)で得れた大量のドローというアドバンテージから勝利する。アドバンテージを得てからのコンボはデッキによって多様。

・Evolution
 《異界の進化》や《新生化》などで《鏡割りのキキジキ》や《穢れた血、ラザケシュ》を出したり、無限マナにつなげて勝利する。

 長々となってしまいましたが、Wikiでは以上のように分けられていました。Major archetypesについては、あまり今までと変わりませんが、これらの4つで十分かと思います。
 Minor archetypesを使うことでMidrangeを細分化でき、それぞれの対処法を考えることができるのに加えて、新顔の統率者でも、固有色や能力から勝ちパターンを予想できるようになるかもしれません。しかし、このリストはいかにも海外だな〜というようなラインナップであるのに加え、最後の勝利に直結するコンボに関する分類が薄く、日本のメタゲームで適用するにはもう少しアップデートが必要かなと思います。

The Gameに2位はなく、勝者か敗者しかないのである。

 まだ、私も整理している最中なのでこれが令和EDH環境だ!と言える分類ができていないので、まとまりましたらまたご報告できればと思います。ひとまずは上記の分類と私の体感による環境感で報告したいと思います。いきなりふわっとなりすみません。

各戦術を踏まえた上でのスタックス戦術に関して

 対戦相手3人を同時に止めながら勝ち切るのは難しい!席順でスタックスを後出ししても手遅れだからcEDHでスタックス戦術は弱い!囲んで叩かれるから弱い!と言ってしまうのは正論かもしれませんが暴論過ぎます。

MTGにおけるスタックスは喫煙者やパチンカスと同じ扱いである。必要悪。

 確かにスタックスで相手の初動を挫くのは難しいです。できたら最高くらいの気持ちでいましょう。ではどうするかというと、初動で挫くのは相手の勝ち筋一点張りになります。そのため、環境の勝ち筋を調査し、理解する必要がありました。特にTurbo Naus/Turboと呼ばれるデッキは本当に一瞬でゲームを終わらせてくるので早期に勝ち筋を奪います。先攻1ターン目にコンボを決められて負けたらどうするんだって?君は麻雀で天和決められたら「うーん、天和の可能性あったから山ぶち壊して罰符払えばよかった〜」って思うのかい?
 勝ち筋を奪うと書きましたが、私のブリーナのような白黒という色の場合はあまり突飛な妨害を挟むのが難しいのでできれば一人だけ完全に勝ちの目を奪うようなことはやめたほうが良いと思います。相手も人間なので「どうせ負け〜」と思うようになったら妨害を持っていても切ってもらうべきタイミングで切ってもらえなくなる可能性があります。cEDHで他人に依存することは非常に弱い行動ですがやむなし。あと単純に勝負が決まるタイミングまで相手にとっても1対3であり続ける構図を維持することは大事です。

 カウンターを防御に使うコントロールに比べて、スタックスのほとんどはパーマネントとして盤面に影響し続ける事ができるので、カードパワーとしては打ち消しや除去に比べて1段落ちるかもしれませんが継戦能力が高いというメリットがあります。まあ、コントロールもcEDHではあまり優位ではないと言われているので、ここで比較されたからと言っても・・・という感じはありますが。

 本デッキの仮想敵はMidrangeです。前章でも述べたようにMidrangeは半端じゃなく種類が多いため、ある人の勝ち筋を封じたと思ったら別の人には全く刺さっておらず、アドバンテージを一人だけ稼がれてしまうということも往々として起こり得ます。そのため、一人だけがアドバンテージ稼ぎ続ける可能性があるスタックスカード(例えば《耳の痛い静寂》や《アメジストのとげ》のような大きな抜け道のあるカード)はなるべく排除し、なおかつ勝ち筋を潰せるようなカードだけを入れたいです。どうしてもだめだったときは、あいつ一人展開しててやばいっすよねと大衆扇動しましょう。

最後は《思考停止/Brain Freeze》の負の連鎖。

本論

 一応デッキリストを公開しておきます。(前回公開してから多用途の鍵が法務官の掌握に変わりました。他人にタッサの信託者を使われるくらいならそんな危ないものはぶっこ抜いて卓に平和を!という考えです。)
 必要以上のスタックスは卓のヘイトを一身に受けてしまい不利になってしまいます。そのため、ヘイトベアの総数は卓の秩序になる程度にまで抑えています。ヘイトベアを使いつつヘイトを高めすぎないようにするって難しいね。

採用するスタックスカードの種類に関して

イカれたメンバーを紹介するぜ!

・法の定め系

 賢い皆様は既にお気付きかと思いますが、Minor archetypesに属する勝ち筋は、Tempoを除き基本的に1ターンに複数アクションが必要となります。令和EDHで最強と名高いブリーチコンボも、デモコンタッサも1ターンに2アクション以上を要求されます。そのため、《法の定め》系の縛りは非常に効果的であると考えます(法の定めが敷かれている中で、ターンが渡る直前に残りデッキを3枚になるまでぶっ飛ばしてタッサの信託者を唱えるようなパワープレイを通されたら流石に拍手です)。

 2023年12月現在使用可能な白で全ての対戦相手に刺さる法の定め系カードは以下の6種です。

・法の定め:(2)(白)全て
・エーテル宣誓会の法学者:(1)(白)アーティファクト以外
・弁論の幻霊:(2)(白)全て
・耳の痛い静寂:(白)クリーチャー以外
・エメリアのアルコン:(2)(白)全て
・ファイレクシアの検閲者:(2)(白)ファイレクシアン以外

 この中で採用するに値するものはできれば全て採用したいのですが、まず考えないといけないことは、法の定めは自身の行動も制限してしまうということです。そのため、自分のコンボに入れるとなったときに能動的にサクれないのは致命的であると考え、エンチャントである法の定めと耳の痛い静寂は私は不採用としました。
 あとは、EDHにおいて一番止めたいけど打ち消しを打つほどじゃない呪文はアーティファクトであり、さらにコンボに直結しがちなのはもアーティファクトであり、最上位に止めたいものを止められないエーテル宣誓会の法学者も不採用としました。脱法を許す法を許すな。

 EDH界終身名誉法の定めマンである《ドラニスの判事》は入れない理由がありません。統率者は基本的にアド源もしくはコンボパーツとなっているはずなので出させてやる理由がありません。ノリスケお前は当分出入り禁止だ。

・墓地対策系

みんな墓地からバンバン動きやがってシャーマンファイトやってんじゃねーんだぞ。

 Minor archetypesではReanimateくらいですが、私自身の経験から墓地を利用するコンボ、展開は非常に多いです。《タッサの信託者》と同等かそれ以上にEDH界に革命をもたらした《死の国からの脱出》というカードは最も警戒すべきカードの1枚と言っても過言ではないでしょう。カードを使い回せるという点で《ヨーグモスの意思》より私は強いと考えています。
 エターナル環境であるEDHですが、禁止カードもいくつかあり、青1マナで3枚ドローする《Ancestral Recall》(約75万円)は禁止カードなのですが、黒1マナで6枚墓地に落とせる《縫い師への供給者》(約500円)は合法です。いいわけないだろ違法だ違法。
 他にもストーム値10のメカニズムである発掘や、各種リアニメイト、死儀礼のシャーマンなど墓地を利用するカードは多く、これらはゲームを加速させたり、終了させたりするのに十分なパワーを持っています。
 卓のスピードを落とすためには墓地対策は必須of必須であると考えます。

 墓地対策は古来より大量に存在しているため、ここでは入れなかった理由ではなく、入れた理由を挙げたいと思います。

・安らかな眠り:エンチャント(1)(白)全て置換効果
・災厄の痕跡:インスタント(1)(白)全て追放
・次元の狭間:エンチャント(黒)全て誘発効果
・ダウスィーの虚空歩き:クリーチャー(黒)(黒)対戦相手のみ置換効果
・虚空の力線:エンチャント(2)(黒)(黒)対戦相手のみ置換効果

 墓地に落ちる全てのカードに半永続的に影響を与え続けるカード全てとカードパワーの高いインスタント追放を入れました。構築時カードリストを見て思ったのですが、墓地利用一番する色である黒が一番墓地対策してるのウケるやはり大いなる力には大いなる責任が伴うのですね。
 次元の狭間は誘発効果なため、死亡時誘発は誘発しますし、根性でインスタントタイミングに動けば動けますし、既に落ちているものには何もできませんが、1マナでさらに除去がしにくいエンチャントなため限界採用です。
 災厄の痕跡は墓地対策兼沈黙故入れない理由がありません。クリーチャーコンボは止められないため注意。自身のクリーチャーコンボを押し通す時は強く使えます。
 安らかな眠り、災厄の痕跡、次元の狭間は自分の墓地にも影響を与えるため、これらを入れるため墓地を利用しないコンボのみを勝ちルートにしたデッキになりました。

 墓地対策とは厳密には少しずれているのですが、リアニメイトを禁止する下記の3枚も採用しています。

・魂なき看守
・墓掘りの檻
・封じ込める僧侶

 《魂なき看守》と《墓掘りの檻》は軽く出せるのに、ブリーチコンボを止める事ができるので採用しています。《墓掘りの檻》はハルクフラッシュや変身のようなゲームが終了するコンボを止めることができる一方で、《魂なき看守》は続唱や衝動ドローなどアドバンテージを得る行動をふんわり止めることができます。これらは似たような効果を持っていますが、結構書いていることが違い、檻のクリーチャー版というわけではないので使う人も使わない人も一度確認しておくことをおすすめします。
 《封じ込める僧侶》ではブリーチコンボは止められませんが、ハルクや変身のような違法踏み倒し、ウィノータの違法大量展開や、デリーヴィーや百合子のような違法効果で統率者税を支払わず飛び出してくる脱税を許しません。脱法を許すな。書いてあること短いし限定的なのに結構やるやつです。あと《二の足踏みのノリン》を消滅させることができますジュワッ。

・対話拒否系

むりむりかたつむり

 対話拒否はどのアーキタイプに対しても有効です。だって対話してないんだもの。ただ、脱法魂力はやめてくれ、カカシ。特に大田原と母聖樹を許すな。基本的には攻めに使うカードですが一部、相手の展開やコンボを止めたり防御的にも使えるカードもあります。採用しているカードは以下の5枚です。

・沈黙:呪文、起動型能力を封じる
・災厄の痕跡:クリーチャー呪文以外を封じる、ついでに墓地がぶっ飛ぶ
・堂々たる撤廃者:自分のターンのみ沈黙
・イーオスのレインジャー長:生贄に捧げて沈黙
・アルカイヴの盾、ミュレル:自分のターンのみ沈黙
 
 《沈黙》と《災厄の痕跡》は防御的にも攻撃的にも使える対話拒否なので採用しました。一方で同様に採用実績の多い《オアリムの詠唱》も採用を考えましたが、一人しか止められないことに加えて、対象を取る呪文なので防御的に使った時に《偏向はたき》で打ち消しを持っていそうな人に弾かれてしまったら大戦犯となってしまうため採用を見送りました。そのあたりをカバーしながら戦えるくらいにプレイングがうまくなれば、はいるかもしれません。
 逆に《アルカイヴの盾、ミュレル》まで入っている理由は、私が《大衆扇動者、ブリーナ》を使っている理由上、殴れるクリーチャーが増えてくれるのが嬉しいため採用しています。基本的にはターン返ってくるまで生きていないと思います。

・サーチ対策系

見つけにくいものですか。

 対戦相手にサーチさせていいことなど何一つありません。たとえ法の定めで動けないなど言われても許す理由になりません。採用しているカードは4枚です。

・オグマの文書管理人:1ライフゲイン、1ドロー
・ディープノームの地形術師:土地サーチ
・エイヴンの思考検閲者:デッキトップ4枚からしかサーチできなくなる
・敵対工作員:パクる

 《オグマの文書管理人》と《ディープノームの地形術師》は相手の動きを止めるわけではなく、フェッチのおこぼれをもらう程度なので特に文書管理人は抜きたい気持ちもあります。しかし、瞬速持ちでターンが帰ってきたら殴れるのに加えて他に入れたいカードも無いですし、フェッチ切りますに対応しますと言って文書管理人を出すと卓がほっこりするので入れています。
 思考検閲者と敵対工作員は言わずもがなといったところです。白黒が3マナ構えてゴーすると、まあそうだなと思われる2人なので過信は禁物。ギャンブルに合わせて敵対工作員を出せるとぶっこ抜けるし、相手はディスカードするしで最高に気持ちがいい。

・出た時能力誘発咎める系

 倦怠の宝珠内包クリーチャーです。ETB能力でやばいカードと言ったら勿論そうですね、《波止場の恐喝者》と《タッサの信託者》ですね。あとは《呪文探求者》や《帝国の徴募兵》、《護衛募集員》、《孔蹄のビヒモス》・・・などなどやばい奴らはそれなりにいます。
 《鏡割りのキキジキ》や《二重詠唱の魔道士》コンボなどをとめることができる一方で、《船砕きの怪物》は唱えた時誘発なので止まらないことに注意したいです。採用しているカードは以下の3種類です。

・静寂をもたらすもの
・厳しい試験管
・静翼のグリフ

 この枠の3種類のカードはそれぞれが個性的です。まず《静寂をもたらすもの》は死亡時誘発も咎める能力を持っています。そのため、ハルクやズーラポートの殺し屋(環境にいるのか?)の能力が誘発しないことに加えて、イマジナリーフレンドを心置きなくしばき倒せます。次に《厳しい試験管》ですが、戦場に出るパーマネントに影響を与えるのでクリーチャー以外のETB能力にも反応します。終盤ですとマナが豊富にあるため、2マナ支払って回避されてしまいますが、序盤はかなりマナがカツカツなため、《胆液の水源》や《実験統合機》のような序盤からアドバンテージを稼ぎたいデッキに入っているカードに刺さるので良いです。最後に《静翼のグリフ》ですがこちらは他2枚に比べて1マナ重い一方で瞬速を持っているので法の定めが敷かれた場面でも使えるのが強いです。
 他に倦怠の宝珠を内包したクリーチャーは《トカートリの儀仗兵》と《機械の母、エリシュノーン》があります。これらを入れなかった理由としては、ETBを防ぐカードをそんなにたくさんいれたとしても強くないだろうと感じ、消去法で消えたといったところです。あと、大衆扇動者的には気楽に殴れたほうが嬉しいので、飛行持ちの3枚を入れたところになります。エリシュノーンは強いのですが、マナが重いのとETB能力を持ったカードが私のデッキに全然入っていないので抜けました。

・アーティファクト対策

 現代EDHのマナは土地ではなくアーティファクトから出ます。EDHは魔力の墓所を始めとした強力なマナファクトが合法な世界であることに加え、近代の宝物トークンの大量バラマキ政策でゲーム序盤で10マナ使えるような場面も少なくありません。

現金はカードに注ぎ込むし、マナはビックアクションに注ぎ込むから常に金欠だよ!

 私自身もアーティファクトを使用するので《無のロッド》や《石のような静寂》は可能であれば入れたくありません。そのため一方的に相手のアーティファクトを止めるカードを2枚だけ入れました。

・盲従
・大いなる創造者、カーン

 盲従は出てくるアーティファクトがタップ状態になるため序盤の高速展開を遅らせたり、《波止場の恐喝者》から出てくる宝物をタップ状態にするため1ターンのモラトリアムを得られます。ついでのようにクリーチャーもタップインになるのでブリーナも殴りやすくなり噛み合いのKが良いです。インクのシミのようについている強請も余剰マナの捌け口になるし、ビートダウン戦略の詰めに効果的です。
 大いなる創造者、カーンは言わずもがなのつよつよカードです。対戦相手にだけ無のロッドをしながら、0マナファクトをぶっ壊す仕事をしてくれます。時々追放された《墓掘りの檻》や《ボーラスの城塞》を拾ってきてくれますわんちゃんみたいでカワイイね。ていうか最近のEDH、プレインズウォーカー生き残り過ぎでは?愚者滅ぼし、テヴェシュザットも奥義使えるくらいに生き残りますし露骨にしばかれるのはナーセットくらいな気がします。まあ、こいつら何故か忠誠度が高いという点もありますが・・・。あと、大衆扇動者、ブリーナや織り手のティムナのようなプレイヤーに殴らないとアドバンテージが取れないカードも存在するからかと思います。
 この枠はブリーナ的に殴れない(カーンは自分の破壊不能一つの指輪で殴れる可能性もありますが)枠なので、そこだけがちょっと不満ですね。

結論

総括

あくまで私が戦っているイマジナリー統率者メタゲームの話をします。

 私の浅い考察では本論にて述べた下記6種の妨害札でメタゲーム上に存在する大半のデッキを遅延できると考えています(可能であれば法の定め増やしたい)。

  1. 法の定め:3+1枚

  2. 墓地対策:5+3枚

  3. 対話拒否:5枚

  4. サーチ対策:2+2枚

  5. ETB妨害:3枚

  6. アーティファクト対策:2枚

 唯一、Tempoデッキには少し弱く、それは《大衆扇動者、ブリーナ》もTempoの動きをするため、ここを縛ってしまうと自身の動きも大きく縛られてしまいゲームができなくなってしまうことからどうしても私のデッキには入れることができませんでした。どうしてもTempoをしばき隊という人はタバナクルとかエリシュノーンとかでも入れていれば良いんじゃないですかね(自分のデッキに入らない分野だったので詳しくなくてすみません)。Tempoデッキは小粒クリーチャーをプチプチ潰されることが酷くテンポロスになるため、ある程度除去を入れておくといいと思います。激情、ピン除去、全除去はボランティア。
 これだけ全部並べられたらそりゃ強いわ、でも序盤で出せるのは1つか2つでしょと思われるかと思います。卓全体のゲームレンジにも寄りますが、爆速デッキを捌ける墓地対策、ほとんどすべてのデッキのコンボを止める法の定めをベスト回答としてマリガンし、必要に応じてスタックスを展開していくことである程度、《大衆扇動者、ブリーナ》のゲームレンジにまで卓を落とし込めるかと思います。

最後に

 正直、cEDHでスタックスなんて弱い!という風潮を感じた上で、出来心から「できらぁ!えっ!cEDH環境でスタックスを!?」と始めた部分も若干あり、自分自身ここまで考えてデッキを組むことになるとは思いませんでした。現在メタゲームの解析をしており、こちらも報告できるくらいまでまとまりましたらNoteに書き殴りたいと思います。
 実際まだ、メタゲーム解析も完了しておらず的外れでトンチンカンなこと言っているかもしれません。また、”ぼくのかんがえたさいきょうすたっくす”が刺さらない反例があることも十二分にあると思いますのでコメントいただけると嬉しいです。みんなでEDH界に秩序を叩きつけましょう。

雰囲気で構築もするし、マリガンもするし、妨害も打つし、勝負も仕掛ける。

 最後になりますが前作、前前作の約2倍のボリュームとなってしまいましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。みんなも好きな統率者でEDHやろうぜ!

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