インターンシップで学んだ、”伝える”上で一番大事なこと。
キリンビールのインターンシップ、第3回目は仕込み式の見学をさせていただきました。
仕込み式とは、『一番搾り とれたてホップ 生ビール』の仕込みをするための場ですが、ただ仕込みをするだけではありません。
『一番搾り とれたてホップ 生ビール』の広報活動として、記者の方に取材していただくという目的があります。
今回は、広報活動を見学し、商品をどのように伝えるかを企業の目線で見ることができました。
そこで私が気づいた、”伝える”上で一番大事なことについて書いていきたいと思います。
まず、『一番搾り とれたてホップ 生ビール』という商品には2つのポイントがあります。
一つ目は、岩手県遠野産のホップを24時間以内に急速冷凍して使用していることです。
通常のビールは、乾燥・粉砕されたホップを使用しており、そのほとんどは外国産です。
ですが、遠野産の凍結ホップを使用した『一番搾り とれたてホップ 生ビール』は、ホップを急速冷凍することで鮮度を保ち、収穫したばかりのみずみずしく華やかな香りを味わうことができます。
これは、日本産ホップだからこそ実現できることです。
また、遠野産のホップを使うことで、遠野のホップ農家を周知し、盛り上げることができます。
二つ目のポイントは、一番搾り製法を使用していることです。
もろみがろ過機を通り、自然に流れ出た麦汁を「一番搾り麦汁」といい、上から水を加えてさらにろ過機を通した麦汁を「二番絞り麦汁」といいます。
この「一番搾り麦汁」のみを使用している点も、『一番搾り とれたてホップ 生ビール』のこだわりです。
この二つのポイントを、「知っていただく」ことで、商品がより多くの方の手に渡り、より多くの方にその美味しさを楽しんでもらうことができます。
「知っていただく」ためには、広報と広告という方法があります。
この二つの違いを、私はこの日まで知りませんでした。
広報は、企業がメディアに情報を提供し、取材を経て記事にしてもらうことで、情報を伝える方法です。
一方、広告は、企業が独自に商品の宣伝などを行います。
両者の違いは、情報の客観性と編集権限です。
広報は、第三者であるメディアが情報を伝えるため、客観的な情報を伝えることができ、より信憑性のある宣伝ができます。
しかし、掲載権限や編集権限はメディアにあるため、自分たちの意図とは異なる形で報道されたり、取材を受けたのに報道されなかったりということもあります。
今回の仕込み式は、『一番搾り とれたてホップ 生ビール』の広報を目的としたものでした。
多くのお客様に、商品やその魅力を客観的に伝えられる場。
朝の準備の段階から、会場には緊張感が漂っていました。
当日だけでなく、長い時間をかけてこの仕込み式のために準備をしてきたことを考えると、見学をするだけの私まで緊張していました。
「実際に報道されるのは、1分少々だと思うよ」と社員の方に教えていただき、これだけ準備した仕込み式が、たった1分にまとまってしまうことに驚きました。
この商品の魅力はは山ほどあります。
遠野のホップを使っていること、収穫したホップを24時間以内に急速冷凍していること、それによってホップの香りを楽しめること、一番搾り麦汁だけを使用していること、被災した仙台工場が『一番搾り とれたてホップ 生ビール』の発売を目標に復興していったことなど。
一つ一つ説明すれば1分には収まりません。
ただ伝えたいことを列挙していけば、意図していないところを切り取られる可能性があります。
そのため、広報は、最も伝えたいことを明確にすることが重要になります。
工場長が、何度も「遠野産の凍結ホップ」と、「一番搾り製法」の二つを特に強調してお話されていたのも、自分が最も伝えたいところはどこかを考えてお話を組み立てていらっしゃるからだと気づくことができました。
これは、広報に限ったことではないと思いました。
人の説明を、1から10まで覚えることは難しいことです。
自分が相手に何かを伝える際にも、それを期待してはいけないと思います。
そのため、自分が最も相手に伝えたいことは何かを明確にし、それが伝わるように話を組み立てる必要があります。
当たり前のことかもしれませんが、ついあれもこれもと情報を出してしまいたくなる私にとっては、とても大事なことだと思いました。
何かを伝えるためには、最も伝えたい情報を明確にして、それがきちんと伝わるための工夫をしなければならないということを学ぶことができました。
仕込み式のニュースを見てみると、「遠野産の凍結ホップ」と、「一番搾り製法」の二つがしっかりと報道されており、嬉しくなりました。
原料から仕込み式までを見た私も、『一番搾り とれたてホップ 生ビール』には特別な思いをもっています。
11月2日の発売が楽しみです!