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「若手とマネージャーが本気でぶつかれる」オンラインコミュニティを作る。創業メンバー3人が意気込みを語る

なぜH2Hラボを立ち上げようと思ったのか?

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下川)
ラボの立ち上げには各メンバーの原体験が関わっていると思います。
僕にとっては、新卒で入社したときに感じていた「働きやすさ」「働きにくさ」。今の年齢になって見えてきた働きにくさの正体、それを解決したいと。
務めていた会社は、上司が自分を理解してくれて特性を活かし、自由にさせてくれた環境でした。
僕はそもそも、報・連・相や頭ごなしの注意が苦手で苦労しました。
コミュニケーションが取り辛かったり、「やる」と言ってやらずに反発したり、無理をすると身体に異変が出たり。


僕みたいな人が新卒で入っても、のびのびと仕事ができるようになった方がいい。
「その人を活かすためには、お互いがどう変わればよいか」「どういった組織にすればよいか」「その人をどう活かせばよいか」を話し合う、お互いがアドバイスできる場を創りたい、その想いでH2Hラボを立ち上げました。

宗政)
僕は下川さんのようにハイスペックじゃないのですが、いわゆる第二新卒で転職を経験しました。よかったと思うこともあれば、もっと頑張ればよかったとも思うこともある。
転職をいいものにするか、よくないものにするかは自分次第です。
自分が好きで入った会社で、のびのび働けるのが本来の望み。しかし、続けていけなくなってしまった。
会社側は社員に向けて「会社に合わせて頑張れ」しか言わない。言われる側は結局どうしたらよいか分からない。そこのギャップを埋めて、何が問題で、どうしたらやりがいを持ってうまくやっていけるか、を改善していける場所にします。


H2Hラボの活動は、「人間関係」がポイント。基本的には、自分の思っていることをさらけ出せる場所が必要なんです。会社側もそうしてあげられたなら、すごくいい会社になる。
今のままだったら所属している環境を変えられない、でもそこを変えられる場としてH2Hラボを利用してもらいたいです。

森本)
僕は若手にすごく期待してるんです。彼らがいかにイキイキ働ける環境をつくれるか、が会社が発展する源泉になると思っています。
若者のスキルは高い。本人は当たり前のことで気づいていないかもですが、秀でたものを持っている。


若手採用がうまくいっている会社は2種類あって、1つは大手の有名企業、もう1つは社長が30~40歳代の若い会社なんです。
若い経営者たちは、職場の環境・ルール作りが柔軟で、システムをゾーニングして業務のオンライン化も進めてる。若い人たちが働きやすい環境を積極的につくってあげている。
半面、いわゆる昭和の働き方は、何でもトップが型にはめて運営・経営しようとするし、紙と鉛筆で仕事してる。
コロナ以降、特に若手の意見や感性を会社内で発揮できることはとても大事なことだと思います。

組織のマネジメントを若者向けにアップデートする

下川)
僕がそうなんですけど、感情を外に出さない。理由は、「効率化」を求めているから。
感情を出すのはエネルギー、パワーをかなり消費するんだそうです。なるべくエネルギーは効率よく使いたい。
疲れたり、面倒くさい思いをしたりすることを減らすと、すごく機械的でシステマティックになる。
僕にとってはそれがラクです(笑)。
会議なんかは特にそうで、より意識して時間通りにテンポよく進める手法を取ります。

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森本)
すごくよく分かります。
下川さんの様に表情は乏しくても(笑)、意見をまとめたり論理的に展開したり、事業を設計したり、ディレクションしたりという能力の方が、よっぽど企業の役に立つ訳じゃないですか。
今日はよく笑ってくれてますけどね(笑)。


コロナ禍に見舞われる数年前の話なんですが、僕は新入社員を対象に、社会人の基礎講座やマナー講座などを担当していたんです。
当時の世の中は、身だしなみや挨拶、清潔感、表情などが社会人としての基礎マナーだと教えられていました。
今の時代、新入社員に対して見た目や表情を「社会人としてもっとも大事だから」とレクチャーはしない。時代は変わって、打ち合わせもリモート。対面の形式が前提でない。マスクをしていたら髭を生やしていることもわからないでしょ(笑)。
昔重要だと思っていたことが、今はそうでもなくなってきている。


僕自身の経験だけれども、コロナ禍の1、2年前、うちの会社は倒産寸前だった。
原因は、自分がめちゃくちゃアナログ人間だったってこと。
僕は営業上がりの人間で、営業は足で稼ぐ、仕事の挽回は残業してやる、打ち合わせは対面でする、みたいな。とにかく非効率。
そういうアナログ人間が会社を経営すると、高コスト体質の会社になる。キャッシュがどんどん出ていく。生産性もあがらない。うちの会社にとってすごく厳しい時期だった。
そんなときに、下川さんと宗政さんに出会った。
お2人とも僕よりも年下で、下川さんは自分よりも10歳くらい年下。
その2人は当時からチャットツールやクラウドサービスなど、オンラインでタスクをこなしてる。パソコンと携帯しか持っていない仕事スタイル。
僕はと言うと、紙と手帳と鉛筆で、常に身体を使って仕事。
僕はお2人のやり方を見て大いに学んだ。
その結果、運用コストを半分に削減、業績もV字回復できた。


僕らより少し上の世代…と言うと1960年以前にお生まれの先輩たちですが、どちらかと言うと理念・価値観を大事にして仕事に取り組んでこられた。「経営者とは」だったり。抽象論を上手に指導できる。
ですが、デジタルに頼る場面の多い「実務の効率化」は、上の世代の方々では苦手な人も多いようなんです。
そこは見方を変えて、年上の先輩たちには若手に指導を仰いで欲しいなと思いました。


「組織のマネジメントを若者向けにアップデートする」というコンセプトは下川さんの発案で、とてもいいな!と感心しました。
これは社会が望んでいることでもあります。地方の会社目線で話すと、若者向けのアップデートを進めたくても現実はなかなかできない、苦手な分野なんですよ。


そういう意味で、僕は若手の人たちにとても魅力を感じています。
だけど、彼らの特性や環境の理由で息苦しさを感じているならば、僕らの場H2Hを通じて改善策を見出してもらいたいです。発信力や影響力を、より高めてもらいたいですね。

「コミュニケーション」「スキンシップ」にこだわる。生物学的にも見えてくる危機への一投

下川)
組織のメリットは、互いの強みを組み合わせられるところ。弱みを補い合えること。
最小単位のチームで、いかにいいバランスで存在しあって、コミュニケーションの取り方も価値観も違う人間同士がスキンシップを取れるかだと思います。
今興味を持っているのが、「コミュニケーションとスキンシップ」の関係。

今から800年ほど前、ローマ帝国皇帝のフリードリッヒ二世が、人体実験を行ったんですね。「生まれたばかりの赤ちゃんに、生命維持に必要な手立て以外のスキンシップやコミュニケーションを一切禁じ、育てる」と。

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宗政)
何それ?!こわっ!!

下川)
結果、話しかけてもらえず、目も合わせてもらえなかった赤ちゃんたちは、皆大きくならずに死んでしまいました。
つまり、本質的に人はコミュニケーションが必要で、スキンシップもなければ生きていけない
と言う訳なんです。


今後もオンラインコミュニケーションの割合は増えていくでしょうが、コミュニケーションの本質を担保できる方法を取らなきゃならないだろう、と考えています。
最低限のスキンシップを取らないと、組織としての維持もできない。
オンラインが主導の今の世の中で、どうやってそれを叶えるのかが本質的な問題になるのではないでしょうか。


人間は基本的に、感情の生き物だと思っています。
感情、デザイン、フィーリングの世界。どちらかと言うと人間はそちら側の人間の割合が多い
んじゃないかな。
組織を維持するには、最低限のシステムの構築も必要になる。
論理的思考が出来無い、感性型の人間のみだと、動物園みたいな集まりになっちゃうから(笑)。
どちらの存在も大切ですが、最小単位のチームの中に「いいバランス」でいるかどうか。
その辺りのガイドブックみたいなものを作りたいというのが、このラボの目的です。

森本)
素晴らしい着眼点ですね!

下川)
ありがとうございます。
対面しないオンラインが増えたときに、その問題がより顕在化していくんじゃないかなと危機感も感じています。


人にとって、強みと呼ばれるものはたくさんあるはずです。
組織のメリットは、強みを集めて弱みを補うことにあるはずです。
それがうまく嚙み合っていなくて、機能不全に陥ることが多い。
僕の好きなブルース・リーの言葉に「Don‘t think. Feel」があります。考えちゃダメ、感じろ!と。
僕は、考えに考えて論理的に解決しようとするんです。でも、それだけでは解決できない問題が半分ある。
そこを宗政さんが解決してくれる。

H2Hメンバーの強みを集結。プロのスキルで分析

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宗政)
その話をすると、僕は「なぜ僕たち3人が問題解決できるのか」ですね。
本当、この3人は全然タイプが違うんですよ。特に、下川さんと僕は対極。
僕はよく喋るし雑談もいろいろ差し込んで、ゲラゲラ笑いながら会話を広げるタイプ。
元々、僕はロジカルな仕組みが好きな方ですが、会話に関しては気持ちを大事にします。
ニコニコ話を聞いてくれる人にはどんどん話をしたいし、こちらがニコニコして聞いていると相手も自分に向かってどんどん語り掛けてくれる。


僕はBOOKOFFの店長として長く働いていた時期があります。BOOKOFFの理念は、とにかく「人が大事」。人に財産と書いて、「人財」。
店長としてどうスタッフと関わるか、スタッフ同士をどう関わらせていくか、そういった仕事にもずーっと携わってきたんです。
具体的には、スタッフ同士がトラブルで揉めたり、新人さんが入ってきたときには先輩スタッフに新人の育成を頼んだりだとか、の対応もしていました。
場面、場面で気持ちや感情というものを大切にしていて「じゃあなんでこの人はこう思ったのかな」「どういう風に接すればこの人に想いを伝えられたのか」と思考して解決していました。


H2Hでも相談者が気持ちや感情の面で助けを求めていたら、僕が助けを出せるかもしれない。
下川さんや森本さんの様に、思考を組み合わせたり組み替えたりして課題解決をしていくこともあれば、僕みたいに「それやっちゃったらいいんじゃないですか?」と勢いで気持ちや思いをぶつけることもある。
課題解決のゴールは同じだけれど、アプローチの仕方や性格が異なる3人。全然違うタイプが居るのがいい。
このH2Hの組織、集まりでは、下川さんが必ず最初に話を切り出してくれて、最後に締めてくれるんです。
僕や森本さんが喋って話が盛り上がって、膨らんで、アイディアが生まれる場面もある。
違う分野の3人が集まって深く掘りさげてロジカルに解決をしていく。
下川さんは「企業」の課題解決のプロ、森本さんは「人材」の、そして僕は「販売促進」の課題をデザインで解決するプロ。

森本)
H2Hラボには異なる専門分野の、いろんな引き出しがありますよね。

宗政)
ですよね!
それぞれやり方が違う、性格も専門分野も違う自分たちが集まるからこそ、より色んな人たちがこれからどんどん集まってきてくれると期待しています。

答えのある勉強とビジネスは違う。モヤモヤの本質を「見える化」する場所H2H

下川)
基本的に、課題はH2Hコミュニティが解決していきます。僕らができることは限られています。H2Hは、参加者同士がお互いの問題を解決しあうコミュニティ
若手人材とマネージャー間だけで解決できそうにないときには、僕たちがファシリテーターやサポーター的な立場で介入します。

森本)
出てきた問題や解決策をきちっと言語化していく、「見える化」していくのも僕たちの仕事ですね。
後から資料を見て振り返りをしてもらったり、社内改善に使ってもらったりと言った支援もさせてもらいます。
だから、ただ場所を提供するだけではなくて、ちゃんと話が嚙み合うような形でファシリテーションしますし、事例集としてシェアできる、議事録も作ります。

下川)
自分の問題の原因は、自分自身であることが多いです。
僕は「当事者研究」が得意。
自分を俯瞰してみて、自分がこう行動したら他人との関係性が変わるのではないかと、仮説を立てる。自分を駒の様に動かす、そういう観点をもつんです。
サッカーでいうとボランチのポジションですね。試合中はフィールド内で動き回っているんだけれど、どこのポジションで何をしていて、次に何が起こりそうかを、上から見ている

森本)ボランチは「舵取り」と言う意味ですもんね。

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下川)
そうです。リアルタイムで指示を出せるのは監督ではなくてボランチ。ボランチの指示でチームが動く。
そういう風に、自分自身がプレイヤーでありながら全体の動きを想定してコントロールするんです。


若手人材が最初に悩むモヤモヤと言えば、縦の関係、上司と部下の関係なんですよね。
半強制的な関係、基本的にその関係に従わなくてはならない状況、これがすごくストレス。
これをどう解消すればいいか分からない。
でも、H2Hのコミュニティならその解消法が見つかる。
主観的に自分がストレスと感じていたことが、話をしてみれば実はストレスでも何でもないかもしれない。
それに気づけるかもしれない。
H2Hはコミュニケーションストレスを軽減して、物事の捉え方も変えうる場所になると思います。

宗政)
仕事を辞めたい、嫌になる原因はシンプルに「そこでできる仕事が楽しくなくなった」なんですよね。
人間関係が悪くなったから、仕事があわないと感じてきたから、自分のやったことに報酬が見合ってないと感じるから…楽しくなくなった、となる。
H2Hを通じて「仕事って楽しいんだな」と感じて、モヤモヤした気持ちが晴れて欲しい。


H2Hなら、違う会社の若手とマネージャーの「ナナメの関係」もあれば、違う会社の同じ立場との「ヨコのつながり」もあります。
同じ会社の同期で集まったら愚痴で終わりそうなことも、ハイスペックな若手人材なら、お互いのいいアイディアをシェアしあえると思います。

森本)
それですよね。
同世代の若者が、横のつながりで別の会社の同世代とコミュニケーションをとれる機会は、割と貴重で少ない。
「自分は、職場で上司にこういう風に評価されて悩んでるんだけど…」と、同世代の人と意見交換できる。より、自分の考えを客観視できると思います。

下川)
ハイスペックな人は勉強には強い。これまでの勉強は独りでやってきたし、それほど苦も無くできた。
でも、人を動かすプロでもなければ、コミュニケーションのプロでもないんです。
ビジネスは、答えのある勉強とは違う。答えのない問題を、多人数でどう解決するのかがビジネス。全く違う競技。
相談の仕方もわからなければ、根回しの仕方もわからない。大学を卒業して1,2年の新入社員には、特に多いと思います。現実を認め難いという感じ。

森本)
年間、新卒採用の3~4割が会社を辞める訳ですからね。
大学を卒業して社会に出て、初めてそこで息苦しさを感じる人が多いでしょうね。

ビジョン「H2Hから個人へ企業へ。循環を創る共同研究ラボ」

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森本)
H2Hラボを通じて、若手がイキイキと働ける環境・場所が地域企業の中に増えることを目指しています。
若手人材には地域活性の起爆剤になってもらいたいですね。
地方に行けば行くほど、若手は都会に行き経営者も社員も高齢化している。この機会を通じて若手が輝くとともに、企業も成長してほしいと願っています。

宗政)
働く場でも人と関わることが楽しいと思えたら、めちゃくちゃハッピーですよね。
H2Hを通じて、モヤモヤを取り払って、若手もマネージャーのどちらも「この会社で働くのが楽しみだな」と思える毎日を過ごしてほしいです。

下川)
H2Hは「サードプレイス」。職場でも、家庭でもない、会話してお茶しようか、みたいな3つ目の場所。
特に、組織のコミュニケーションに特化した場所。
部活では学んだかもしれないけど、組織が目標達成するためのような、チームワークを高める教育は受けてこなかった。


それを、ビジネスと言う場で改めて勉強し直すための、サードプレイス。
今の時代、第三者に介入してもらって自分のプライド、メンツとかの弱みをどんどんオープンにして解決に近づけることは、当たり前の文化になっています。
そして、参加者のそれぞれが会社に持ち帰って、自分で実践してみる。実践結果をサードプレイスに持ち寄ってまた討論しあって、と。
H2Hは、共同研究ができるラボ
です。

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