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転職、独立するのはまだ早い!職場の本音をぶつけあえる共同研究H2Hラボで学ぶ 悩みの本質はどこにある? 打開策は見つけるものか?つくるものか?

H2Hラボ解剖① オンラインディスカッションでは何が行われているのか

―先日、モニター参加でのディスカッションが行われたということで、私も録画を拝見させていただきました。早速ですが、ユーザーの反響が気になります。感想をお聞かせ頂けますか?
ちなみにH2Hラボさんが主宰するディスカッションは、20代の若手と30~40代のマネージャーが、交流と言う名の「ガチンコ対話」をする場ですよね。

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はい、例えば

・自分の職場で同じ方法でワークショップをしたい。

・今回体験できた、ディスカッションの思考プロセスが大事だと思った。
それぞれ自分の考えを言語化して共有し、そして何が重要かを考えていく。それらのプロセス自体が大事だと気づいた。
今の職場組織において必要だと思う。

・後輩からの自分に対してのコミュニケーションの捉え方が変わった。
ポジティブに捉えられるようになったことにメリットを感じた。

と言うご意見、ご感想をいただきました。


―「ワークショップを」と言う言葉が出てきましたが、今後「H2Hラボさんが出張でディスカッションワークを主催する」と言うお考えはありますか?

今のところはありません。
このコミュニティの性質上「会社には内緒」で参加されることが多いと思います。
また、基本的には「ユーザー独力でそれぞれの組織を変えていただく」ことを目指していて、あくまで「作戦会議を練る場」と位置付けてもらいたいと思っています。
とはいえ、会社にも全面的に賛同いただけ、対価もいただけるようであれば、検討する可能性はあります。


―オンラインディスカッション参加における約束事はありますか?

H2Hラボのディスカッションは、「フレンドリー」「対等な立場でフラットであること」「リスペクトしあう」「安全に集えること」の4つをコンセプトにしています。
それを基に、H2Hラボディスカッションの禁忌事項を明確にしていきます。

例えば、マネージャーの立場の方には「年長者的な話かけはやめてくださいね」と参加の事前にお願いします。
ただ、そのルールに縛られて、ディスカッション意欲がそがれてしまうのは本末転倒です。
また、参加当日そのルールをウッカリ忘れることもあるでしょう。

ですので、参加者には4つのコンセプトをご理解いただいた上で、あとは僕たちファシリテーターがいかにルールにそぐわない言動を即座にキャッチし、調整するかが重要だと思っています。
様々なバランスを見極めながらファシリテートしていきます。


―ユーザーへの繊細な配慮があって、安心してフラットに参加できますね。
ところで、参加回数は決まっていますか?

いえ、回数は決めていません。
参加メンバーによって最適な回数は変わると思います。
基本的に所属グループは1つにさせていただいて、週1回コンスタントに参加していただきたいと思っています。

H2Hラボ解剖② 業種、個人の資質、詳しい参加条件は?

―その参加メンバーについて、質問させてください。
ハイスペックな若手とマネージャーと言う立場の他に、ユーザーの業種等、条件はあるのでしょうか?

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基本的に業種に制限はありません。
ですが、ZoomやgoogleスライドなどのITツールをある程度使い慣れている、デスクワークの多い産業や業種の方々の割合が多くなると思います。
特にマネージャー側に関していうと、いわゆる「体育会系」的なマネジメント手法を取っている参加希望者が多くなるのではないかな、と思っています。
手をこまねていている方が多いと思いますので(笑)


―ディスカッションでもオンライン交流が前提で、オンラインツールを工夫されて進んでいましたね。
皆さんも積極的にご自分の意見を言葉にして、和やかに意見交換をされていました。
ディスカッションを率いていく上で、参加ユーザーに求められる「資質」を何か感じられましたか?

「自己投資」の概念をしっかり持っていることですね。
H2Hラボは基本無料ですから、「時間」を割ける人、つまり「自分の時間を投資」できるユーザーです。

過去に複数人数で話し合いをすることで、様々な問題を一気に解決できるアイディアが生まれたり、相互理解が一気に深まったりという経験をしたことがある様な人たちです。

そしてもうひとつは、言葉にするのは難しいのですが…ある程度の「知的レベル」はあった方がいいと思います。
オンラインディスカッションは、オフラインよりも言葉での表現力が求められます。
僕の言う「知的レベル」とは、教科書や参考書だったり、先生や友達だったり…「言葉」と「論理的思考」を駆使して闘ってきた経験値のことを言います。
コミュニティに参加いただく際には、各自事前に僕たちとの面談を受けてもらい、この「経験値」をみさせていただこうと思っています。
貴重な時間を無駄にしていただきたくないので、必要なプロセスかなと。


H2Hラボのコミュニケーションと言葉へのこだわり
「スキンシップ」はオンラインでも感じ取れるのか?答えは・・・

―参加者も初めは自分の認識事項に感情がこもっていたところもありましたが、ディスカッションを重ねながら、内観そして前向きな内省に変わっていきましたね。
「オンライン」と言う形で顔を合わせて、同じ時間を共有して相手に向けて喋っているのですが、最後にはそれぞれ相手を自分だと思って喋っている様な…「落ち着いた時間を感じている」と言う雰囲気で…
大変印象に残りました。

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それを感じて頂けてとても嬉しいです!


―そこで、第1回のインタビューでお聞きした「コミュニケーションとスキンシップ」のお話なのですが、よろしいですか?!
下川さんのその視点に驚いて感動したと同時に“オンラインで仕事の話をして、そんな難しいことができるんだろうか???”といぶかしんでいたんです。(※第1回note 「コミュニケーション」「スキンシップ」にこだわる。生物学的にも見えてくる危機への一投)
それが、オンラインなので触れてはいませんが「スキンシップの抱擁感」の様な雰囲気を、H2Hラボのディスカッションから感じとったんです。
“これか!!!”と歓喜しました(笑)。

(激しく頷きながら)うんうん(笑)
それは「感じる力」ですよね。
僕自身、言語化の能力は高くても共感性が低い、と自覚があるんですね。
同じように、空気を読む自信がないから言語に頼ってる、と言う人は結構いるんじゃないかな。
言語化する能力は大事とは言え、それを他人にも強要するのは違うんではないかな、と僕は思ってるんですよ。
つまり、相対的な話にはなってしまうんですが、こちらも「感じるスキル」を高めなくちゃならないんだと。

ちょっとここで、「言語」と「感覚」について、僕が今勉強しているブッダの考えを交えながらお話しますね。
ブッダによると、心には5つの要素があるそうです。
「意識」が心の根幹にあって、いろいろな事象に反応して4つの形になって現れるとブッダは言っています。
1つ目は「感覚」、2つ目は「感情」、3つ目は「思考」、4つ目は「意欲」です。
ブッダの教えでは、「4つの事象の内、どの事象となって反応しやすいか」で人のタイプを分けます。
そして、それぞれに対処法があると説いています。

僕の様なタイプは、3つ目の事象の「思考」に偏っています。
厄介なのは「思考」は、言葉や言語をきっかけに「妄想してしまう」というクセを持つんです。
妄想には、快適なものもあれば不快なものもある。
いずれにしろ、その妄想には確かな根拠や因果関係はない、それならそんな妄想はしない方がいいと言います。
そして、思考型の人間は、悪い方向に物事を考え始めたときには、思考をシャットダウンする必要があるとも説いています。

僕は、偏差値の高い大学を卒業したハイスペックタイプは「思考型」だろう、と思っています。
そういう人は、漏れなく僕もですけど、「感情」や「感覚」の分野が反応しにくいようです。
…おそらく、この分野を使う経験が少ない!

ここで、先ほど出てきた第1回noteにもある「スキンシップ」の話です。
言葉って物理的な温度もなく重さもない、無機質なものですよね。
なので、無意識にでも、殴りつけるかの様に言葉をぶつけていることもあると思うのです。
やろうと思えば、相手のトラウマになるくらいの急所を突くこともできてしまいます。
H2Hラボのディスカッションでは、言語化も大事なんですが、「いかに質量と温度のあるスキンシップを感じられるか」を大切にしたいですね。


―確かに。ディスカッションでは、自分の想いを伝えようと、少し攻撃的に聞こえる言葉も開始初めには出てきましたね。
意見を交わすうちに、それに類する様な言葉は出てこなくなっていました。
徐々に、場の空気が穏やかになっていったんですよね。
そうすると、本来皆さんが持っている建設的な思考で会話が進んで、より自分で納得する言葉が交わされていた様に見受けました。
いい感触で終わったなぁ、と。
あ!これが「スキンシップ」ですか?!

よくぞ、気づいてくれました! まさにそうです。
そのスキンシップを出やすくするのが、ファシリテーターの大事な仕事の一つです。


―傍観者という遠く引いた立場で見ていても、それを感じました。

僕の自己満足でなくてよかったです(笑)。


前提① 未来は予測不能で想定外、コントロール不可能な人間関係

―参加ユーザーに、言語でやり取りできる素地を求めることにも納得です。
 「ハイスペックな若手とマネージャー」、どちらがどう絡んでも学びになる要素は非常に多い場ですね。
体験すれば、さらに実感してもらえそうです。
 他にも、若手ユーザーにお伝えしたいことはありますか?

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はい。
「未来は想定外なものばかりだ」と認識してほしいです。

若い人たちは、価値観も習慣も異なる他人と仕事をする方法を、これまでの人生であまり学んできていないと思うんです。
それは当然だとも思います。だから「社会人デビュー」ということなんだと思います。
ただ何のために勉強するかと言うと、突き詰めれば「想定外」なことばかり起こる未来を少しでも自分でコントロールできるようにするため、だと僕は思っています。

僕たちが指す若手ユーザーとは、都心在住で高学歴、大手企業に勤めるいわゆるハイスペックと呼ばれる人たちです。
勉強ができて、偏差値主義の中で結果を出してきた、評価基準の中でがんばって上位に座してきた人たちです。ある見方でいうと、そんなバックグラウンドを持つ人たちは多くが「人工的」です。
人工的というのは、ある程度未来が想像できて、コントロールもしやすい、人が作り上げてきたいくつかの小さな世界で過ごしてきた、ということの例えです。

その小さな世界での正解を信じたままで、大きな世界で活動をしていたら痛い目を見るのは当然…と僕は思っているんです。
僕もでしたから(笑)。

大学でなく社会人になってからも、ビジネススクールやネット上で高度な知識を学べる場所はたくさんあります。
でも、そういうまた小さな世界でこれまでの様に学んで知識を取り入れても、きっとうまくいかないことがたくさんあると思うんです。
体系化された知識も非常に重要ですが、それを応用して「実験」していく場をもっと作っていかないといけない。

「想定外なもの」の一つが「他人」じゃないですか。
社会、ここでは職場としますが、そこには自分と違う「他人」ばかりです。
「他人」とはどういう存在なのか。それをもっと理解して、体験していかないといけないと思うんです。
ハイスペックな若手にとって「想定通りにならない、思い通りにいかない」ことはとてもストレスなはずです。
ただその時は「他人は想定外な存在だと、ある意味諦めて受け入れる」
ことを念頭において欲しいなと思います。  


前提② 職場のコミュニケーション不全はボディーブロー

そしてもうひとつ。
「上司とのコミュニケーションも優先順位は高い」と言うことです。
自分の本来業務よりも高くなることがある、というか上げないといけない時があると思います。

ハイスペックな人材は言語化が得意です。
例えばたくさん本を読んだり受験勉強をしたりして、語彙数も多い。
しかしそれらは「借りてきた言葉」のままだと思うんです。
知っている語彙を組み合わせても、なんかうまくいかない。
コミュニケーションとして使えない。
それが社会人になった1~3年目に、会社で現れ始める。

上司とのコミュニケーションは緊急性がない。
彼らの中では、「緊急性のある」自分の仕事の方が優先順位が高い。
しかし、上司とのコミュニケーションは「重要性が高い」はずなんです。
これは、即効性は無いけどあとからジワジワ効いてくるボディーブローみたいなものなんですよね。
結果、仕事の生産性そのものを下げてしまうことになります。


前提その③ 上司と若手の間にあるもの 「言えないギャップ」絶対的なパワーアンバランスを「見えるギャップ」で認識

―それでは視点を変えて、ディスカッションに参加するマネージャーの立場の方に、メッセージはありますか?

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「上司と部下のギャップは埋まらない。でも狭める努力はしなくてはいけない」ということだと思います。

マネージャーからは、感情抜きにして腹を割った話をしたい、本当のことを聞きたい、という声をよく聞きます。
でも「腹を割って話そうよ」と、これまでの関係性をすっ飛ばしていきなり若手に行っても、話せる訳ないんですよね。
「気にせず言ってごらん」と押せば押すほど、向こうは話せなくなる。

組織の中にいる間は、上司と部下の間には「絶対的なパワーの“アン”バランス」が存在しています。
ピラミッド型組織である以上、それは仕方のないことなんです。
だから、違う会社に所属する人たちとのナナメの関係、つまり仮想部下と仮想上司、さらにそこにファシリテーターを入れる。

当事者同士では解決できないんですよね。
この前のオンラインディスカッションでは「そもそも上司が、お互いの間にある溝に気付いていないよね」という話も出てきました。
溝はある。そして溝は完全に埋まることはない。でも溝の幅は、変えることができるんですよね。
せめて行き来できる程度には維持しようよ、努力はし続けましょうと。

H2Hラボではその方法を学べる。ディスカッションで得られたことを会社で試して、それをまた共有して、改善案を出し合って、お互いを励まし合う、を続けられる場。
それがH2Hラボです。


仮定された「成功方程式」から実証「マイガイドブック」へ! H2Hラボだからできるグループ研究

―これまでのご自身の経験とH2Hラボのファシリテーターの経験を通して、今どんなことを感じていらっしゃいますか?

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んー突拍子もないことを言うなーと思うかもしれないんですけど、実は僕、「みんな独立したらいいのに」と思っているんですよ(笑)。

僕も昔は、会社、組織に属して働いていました。
5年弱の期間、そこそこ満足のいく時間が過ごせたと思っています。
それは僕のコミュニケーション力があったからではなくて、上司に恵まれたおかげです。
上司のコミュニケーション力が高かった、そして、運もよかったんだと思うんです。

そんな僕が独立を考えた理由。
僕の場合極端かもしれないですが、自己評価と他己評価、つまり自分と他者からの評価が一致しないと納得できなかったんですよね。
自分が納得しないと謝れないとか。他人から謝罪を受けても、自分が納得しないと「謝られるようなことされてないですよ」と、言っちゃうとか(笑)。
他人の認識と自分の認識の違いに接する回数が、めちゃくちゃ多い。

そう言う人間は、組織では生きづらいんですよね。
独立するしかない、と考えました。
とは言っても、一般的には容易なことじゃない訳です。
僕もちゃんと食べられるようになるまで5年かかりました。

じゃあ、僕たちが皆さんに提案できることは何か。
まずは「今所属している組織を変えることを考えましょう」と。
H2Hラボで自分の上司に対する見方も変わると思いますし、コミュニケーションの仕方も変わると思います。
自分が変わると、上司も必ず影響を受けるので、何かしら変化が起こるはずです。
その変化をまたH2Hらメンバーにフィードバックして、それを元に次の一手を考える。それを繰り返していく。
このプロセスを「グループ研究」
と言っているんですが、これを継続していけば、きっと最後には、だいぶ上司との溝は狭まっているはずです。
仕事についてだったら、問題なくコミュニケーションできるほどの関係にはなれている気がするんです。

それを、例えば1年くらい頑張ったんだけどどうにも変化が見られなかったのなら、転職か独立を考えたらいいと思います。


すみません、たった今思いついたように出てきましたが、若手の皆さんにはぜひ早めに「グループ研究」の習慣を身につけてもらいたいと思っています。
どこにも答えや成功の方程式がない今の時代には、「自分だけの教科書」「マイガイドブック」を持っているか持っていないかで、だいぶ将来への不安感が変わるように思うんです。
ただ、それを自分一人で作るのはとても大変なことですよね。
切磋琢磨して仲間と一緒に創り上げる「グループ研究」をぜひ始めてみてほしい
です。

参考までに、H2Hのグループ研究の説明を付け加えておくので、ぜひ読んでみてください。

■H2Hのグループ研究
①メンバーの脳と脳をぶつけ合うイメージで、限られた時間の中で全力を尽くしてディスカッションしよう
②本質にたどり着くまで、何度でも具体化・抽象化、分解・統合、仮説・検証を繰り返そう
③有効性の高い仮説を、メンバー各自が自社で実証実験しよう
④研究成果として、ガイドブック(または改善提案書)にまとめよう
⑤ガイドブック(または改善提案書)は未来の指針となる自分だけの教科書。アップデートし続けよう


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