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カミングアウトしていない期間は、「人を騙している」のか

特に性的少数者にとって、「カミングアウト」という言葉は馴染みのある言葉である。

ここで言う「カミングアウト」は、「誰かに自分の性自認や性的指向等を伝える」ということである。

全ての人が、カミングアウトをするかしないか選ぶ権利があるということを第一前提として、
LGBなどの性的指向のカミングアウトは、社会で必ずしも必要ではない。
一方、Tの性自認のカミングアウトは、必要性が高い。
カミングアウトと一口に言っても、その内情はかなり異なってくる。

もちろん、カミングアウトをするまでは、それを伝えないでいる訳である。

例として、

戸籍が女性、性自認が男性のAさんと友達のBさんがいたとする。
AさんとBさんが知り合って1年経った頃、AさんがBさんにカミングアウトをした。
Bさんは、それまでAさんを女性だと思って接していたが、Aさんの性自認が男性であったと言うことを知って衝撃を受け、騙されていたような気持ちになった。

というようなこともあるだろう。

果たして、それは適切なのか?

本当に「騙されて」いたのか?

Bさんが、勝手にAさんの性自認を女性だと決めつけていたのではないか?

性別は、思ったよりも簡単なものではない。

私は大学生時代、大学では男性、バイト先では女性として過ごしていたことがある。

見た目の性別なんて、手術をすれば、治療をすればかなり変えることができる。

そんな時代に、相手の性自認を見たままの性別と決めつけている方が、「無知」なのではないか?

もちろん、性的指向もこのような話に当てはめられる。

よく「好きな女性のタイプは?」「好きな男性のタイプは?」などという質問が見受けられるが、なぜ異性愛者ということを大前提として話しているのだろう。
それに加え、この質問にはAセクシュアルが存在するということすら知らないような片鱗が見える。

こういうような質問を周りにしている人を見かけたら、その人にカミングアウトはしたくない。

異性愛者で、恋愛をすることがヒトにとっての大前提であって、当然のように本人も異性愛者で、恋愛を楽しんでいるのだろうということが、その行動からわかってしまう。あと、周りに性的少数者が絶対居ないことも。

意外と、性的少数者はそういうセンサーがしっかりついている。

カミングアウトされる人は、いろんな人にカミングアウトされる。
カミングアウトされない人は、誰にもカミングアウトされないから、慣れていないが故にその1回の衝撃が大きい。

あなたは、カミングアウトしたい友人が安心してカミングアウトしてくれるような、行動をとっているか、これを機会に考えてみてほしい。

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