うそとこころ
僕は僕が正しいと思う癖がある。
正しいと思い、そうする癖がある。
人の喜びや悲しみに寄り添って、
その人の嬉しそうな姿を嬉しく思い、
その人の悲しそうな姿を悲しく思う。
そうする癖がある。
それが悪い事なのか良い事なのか、
どうでもいい事なのかとんでもない事なのか、
分からないけど僕は10%ちょっとくらい良い事だと思ってる。
その答え合わせはどうでもよくて、
僕のこの嘘吐きみたいな癖のせいで、
僕の心はしんでるんじゃないかって事。
結果として、そんなことはなかった。
昨年末に実家の犬が亡くなって僕はひどく悲しんだ。
妻に聞かれた時、ふと思い出した時、どうしようもなく泣けて、
思い出しては心の底から涙が溢れてくる。
綺麗な目の姿を見て、骨になった姿を見て、
1人で運転しながら思い出して、
関係のない「昔」というワードで思い出して、
似ている声が聞こえて、
その度に寂しく思う。
正直怖かった。
長年そばにいた犬が死んだ事を悲しむ事が正しいから、
僕は悲しむんじゃないかって。
でもちゃんと僕は、どうしようもない感情が溢れてきて、
抑えられなくて涙が止まらなかった。
ちゃんと僕は、実家の犬を家族と思い愛していた。
それがとても嬉しかった。
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