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シニア男子 保育士を志す(4)
職業訓練開始から約11か月
昨年4月7日の入学式から、約11か月が経ちました。
職業訓練の専門学校で、経験や専門知識を持った先生方の授業を受けることができ、保育について多くを学び、慌ただしい11か月でした。
また、専門学校であっても、前期と後期に試験があり、ノート・教科書の持ち込みなしで受ける久し振りの試験は、記憶力を試されるもので、なかなか大変でしたが、何とか乗り越えることができました。しかし、50代で初心者として始めたピアノは、なかなか上達しない状況で苦戦しており、毎日休まず練習に励んでいます。
さらに、育士資格を得るためには、1年生で施設実習と保育園実習、さらに2年生でより実践的な内容で保育園実習を、夫々12日間(90時間以上)ずつ行うことになっており、保育士が働く現場の実際の状況を学ぶことができます。この1年生の実習が1月から2月であり、これも大変でしたが、実習先の先生方のご協力で、無事に終えることができました。
保育の勉強は、子育てに役立つことが沢山ある
専門学校で勉強する子どもの発達や、遊び、保育内容については、自分が子育てする前に勉強して、子育てに活かしたかったと思うことが、沢山あります。
例えば、子どもの発達に大切な対応の1つに、保護者・保育者の応答的な対応があります。乳児でも幼児でも、子どもが泣くこと、子どもが要求することに対して、タイムリーに言葉や行動で対応してあげることで、自分の要求が応えてもらえるという経験になり、自分の意志を示す意欲が生まれます。学校の授業では、この応答的な対応が上手にできている親子の様子を、動画で見せてもらって学ぶ機会もあり、よく理解できました。こうした授業の一部を、子育て中の保護者も受ける機会ができれば、きっと役立つと思いす。
子どもの言葉の発達のため必要なこと
保育園でのバイトや実習をして、実感を持って分かったことは、子どもが言葉を理解し、コミュニケーションの手段として使えるようになるためには、大人が親密に関わる必要があるということです。つまり、単に多くの言葉を聞かせてインプットするのでなく、子どもが言った言葉を間違っていたら、(否定せずに)正しい言葉を言い添えてあげたり、表現を付け加えて言葉を増やしてあげることを、タイムリーにしてあげる必要があります。
子どもは、聞き覚えた少ない言葉を使って、何とか自分の言いたいことを表現しようとするので、間違った言葉を使うことも多いです。子どもの言いたい・伝えたい気持ちを大切にしながら、本当に子どもが言いたいことを推測して、正しい言葉を教えてあげることで、子どもは、正しい言葉や場に合った表現を身に付けることができます。そのため、子ども一人ひとりに対応する時間を持ち、子どもと同じものを見て感じて、子どもの言いたいことを考えながら、言葉でやり取りすることが大切になります。
子育て・保育で参考となる本
保育や子どもの発達に関する本は沢山ありますが、どうしたらよいのかまで具体的に教えてくれる本は、なかなか見つかりませんでした。
いろいろ探す中で、以下の2冊の本は、子どもへの対応をどうすべきかが書かれたものです。もちろん、子どもへの具体的な対応は、その時の状況に合わせて判断が必要なもので、正解はありませんが、この2冊の本は、手掛かりになると思いますので、子育て中の方や保育の勉強をされている方に、お勧めします。
1冊目は、「6歳までの子育て大全」沢井佳子 編著 アチーブメント出版(株)です。冒頭の発達スケールガイドだけでも、読む価値があると思いますが、保護者がよく考える71の質問に対して答える形で、保護者・保育者がどのように対応をするのが良いかが書かれていて、参考になります。
2冊目は、「発達障害の子への言葉かけ事典」熊仁美、竹内弓乃 共著 (株)大和出版です。発達障害の子への対応について書かれていますが、発達障害児でないお子さんも、発達途中であることは同じであると思います。この本には、お子さんへの対応方法として役立つABA(応用行動分析学)について、分かり易く説明されています。
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(つづく)