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レグルス

レグルスについて、私はどこか傷ついたイメージを持っていた。
レグルスはよく、王者のように解釈されるが、何となく犠牲になっているような気がしていたのだ。
一般的な解釈だとそれはゾスマだと言われそうだが、そう思い始めたのは夢を見たせいだ。

一緒に授業を受けていたお嬢様がいた。
そのお嬢様には執事がついていて、執事の話だと、彼女は病気の為本当は病院に行くはずだったが誰かに譲ってしまい、このクラスでずっと学生のままいるらしかった。


そのことがしばらく引っかかっていた。


ある日、学校の体育館で健康診断の受付をした後、渡り廊下でPCを開いていると、左側の廊下から剣道着姿の(白と黒の面をつけていて顔は見えない)2人が追いかけてきた。
私はすぐにPCを持って逃げた。

様々な教室を彷徨っていると、全員オレンジ色の頭で同じ制服を着ている学生たちがいる特級クラスのような所にたどり着いた。

私は追っ手から逃げていて焦っていたので、気がつくと学生たちの頭を階段がわりに駆け上がるように上の階に登っていた。

上階は、特別視聴ルームのような場所で高級感のある赤いカーテンが掛かっていた。洋館のようにも見えた。いま何処にいるのか分からなくなり建物の地図のようなものを見ると「ヴァンパイアと動物」と書かれていたが、それは一瞬で太い額に入った油絵のようなものに変わってしまった。


この高級感のある場所は家やホテルとして、その後も何度か夢に出てきていたが、しばらくは断片的なものだった。

別の日の夢で、キャベツをダンボールに詰める仕事をしていると、何度もケータイが鳴った。
電話を放置していると、仕事場に警察が来た。
殺人鬼が彷徨いているらしく、私も容疑者の1人で取調べを受けたが、何故か私には犯人がわかっていた。

犯人の行動がぼんやりと浮かんできたが、この記憶が警察にバレないように頭の中でラジオ体操の情報に書き換えて取調べを受けた。

その後、理科室のような所に入った。
私は犯人と会わないように行動していたが、その子が部屋に入ってきたので理科室から出た。入れ違った時に、彼女の記憶が侵入してきた。

私の身体は勝手に彼女を追いかけ始めた。

彼女を追って海まで来たが、その時、その子が随分とたくさん殺したのだと知った。

海にはかなりの頭蓋骨が転がっていた。
大量の頭蓋骨がある光景にぞっとしていたが、何故か海は凄く澄んでいて美しかったので不思議と嫌な感じはしなかった。

次のシーンでは、私は海の中央にいてあの頭蓋骨は自分の親戚だ、などと1人でしゃべっていた。海の中の骨は薄く緑がかった膜のようなものに包まれていた。

海辺にいる殺人鬼に視点が戻り、これからどうするだろうと思っていると、海中から三段重ねのケーキが現れた。天辺に1本のろうそくがのっているバースデーケーキのようなものだ。
そうか、誕生日だったのか、などと思っているとその子の髪の毛がみるみる赤くなり、好きな男に会うために全てを捨てていく、などという映画のシーンのようになってしまい、空間が歪んで目覚めた。


松村先生のサビアカシリーズを読んでいて、この夢にはレグルスとアルファードが混ざっていたのかもしれないと思った。
あまり関係のない恒星だと思い込んでいた。


その後も、私はレグルスに少し執着して夢見を続けていた。


ある夢で、大きな猫や小さな猫を集め、その保護した猫たちを空気の中に放していた。

空気になった猫は巨大な渦のようになっていた。

私は漫画家になっていたが、画面は空白だった。
次の話を書こうとしているようだった。
事務所はリビングとキッチンが繋がっていて、アシスタントのような人が食料を買ってきたが、冷蔵庫を入れようとビニール袋から出した時、血の付いたゴロゴロとした肉がパックされた容器を破っていた。

その後、空港にいた。
空港は大きめの駅とショッピングモールが繋がっていた。
空港から駅に向かった時、芸能人のような人が来たらしく、そこを通っていた人たちは次々と避けて道を開けていた。
赤い服を着た男の人と連れの女の人2人が歩いてきてすれ違った。
この男の人はレグルスだったのではないかと起きた後思った。

私が犠牲になっているのでは、と思っていたレグルスは空港の真ん中を堂々と歩いてきた。

その辺りの夢以降、何故かレグルスに対する執着心は消えてしまい、スピカのことばかり考えるようになっていた。

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