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【海外で日本食】しゃぶしゃぶ(2023年第24週)

我が家では土曜日の夜は日本食と決まっている。
今週の献立はしゃぶしゃぶ。

さて、しゃぶしゃぶとは言っても、スウェーデンでは満足な材料を整えるのはなかなかに困難なことである。幸いなことに白菜はスウェーデンでも比較的広く浸透/流通している野菜なので、手に入りやすい。

ちなみにこちらで白菜はsallad kålと呼ばれ、スウェーデン語で"サラダキャベツ"を意味する。キャベツの一種ということである。まあ、確かに白菜もキャベツも同じアブラナ科なのだが、個人的には白菜をキャベツというのはやはり多少違和感が残る感が否めない。…まあ、仕方ない。

欲を言えば水菜、春菊、白葱などが手に入れば良いのだけれど、そういった野菜は(少なくともうちの近所では)手に入らないので他の野菜を使う必要がある。

…というわけで、今回使用したこちらで手に入る野菜が
・葉玉ねぎ
・スプラウト

個人的にはこのスプラウトがなかなかに気に入った。シャキシャキとした食感とタレとのからみやすさがとても良かった。

では、この鍋の中の緑の野菜は何かというと、それは白夜の24時間の日照を存分に浴び、我が家の窓辺で旺盛に育ち盛っている"みつば"である。

北欧の夏の日の恵みを受け、育ちに育って普通のみつばとは比べ物にならないほどに葉が大きく育っている。実は ここまで大きくなると茎もそれなりに固くなってしまうのだが、鍋などに入れるとちょうど良い塩梅になる。

ところで、しゃぶしゃぶに必要なものといえば薄切りの牛肉…だが、残念なことにこちらでは肉と言えば塊であり、薄切りの肉というものは一般的ではない。もちろん肉屋でスライスを頼めば薄切り肉を手に入れることはできるのだが、不思議そうな表情をされることは覚悟しておくと良い。その上で、日本の薄切り肉ほどの薄さまでスライスできる肉屋はなかなかいないだろうし、そもそもの肉質がだいぶと異なるので要望通りの薄さになっても求めている薄切り肉にはならない。

我が家では、薄切り肉を買ったとしても大量に使うわけでもないので、必要な時に必要な分量だけ、半解凍にした塊肉を刺身包丁で薄く切って使う。

今回 使用した肉の部位はRostas(腰あたり)。柔らかい部位なので鍋にも悪くない。日本と違いこちらではサシ入りとか霜降りとかを重んじる文化はなく、肉は基本的に赤身になるので鍋にはなるべく肉質の柔らかいものを使う必要がある。

稀に精肉コーナーに薄切り肉を見かけることもあるが、それも赤身をスライスしたもの(しかも薄切りにしては厚い)なので、日本でいう薄切り肉とはかなり異なる。例えばドイツ料理の"Rinderrouladen"や"Cordon bleu"などにはちょうど良い加減である。

そういえば、先日 スウェーデン人の同僚からUppsalaのレストランで"Japanese hot pot(寄せ鍋)"を食べたという話を聞いた。個人的には鍋物は和食の中でも海外では受け入れられにくいのではないかと思っていたのだが、彼はhot potをいたく気に入ったようで、豆腐なども抵抗なく食べたらしい。

まあ、こちらの豆腐の質は保証できないのだが…。実を言うと、こちらでは豆腐はチーズと同じカテゴリーの食材だと認識されており、スーパーなどでもチーズコーナーに陳列されている。

さておき、和食人気の上昇に伴い、もしかすると スウェーデンのスーパーマーケットにも薄切りの肉が日常的に並べられる日も来るかもしれない(まあ、サシ入り文化が受け入れられることは当面ないだろうとは思うが…)。

ちなみに我が家では、しゃぶしゃぶは特製のにんにく胡麻醤油ダレを使う。使用する材料は醤油、すり胡麻、砂糖、ごま油、そしてにんにく。

実はこれらの材料は意外にも全てこちらのスーパーで手に入る(我が家ではすり胡麻は日本から持ち込んでいるのだが)。ちなみに醤油はこちらではKIKKOMANの名で流通している。


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