思い出のはなし
8月30日、母からのLINEで「サン宝石」の件を知った。民事再生法の適用を申請したらしい。民事再生法ってなんやねんって感じなんですが経営的に大変だということはネットニュースを見てなんとなくわかりました。
そもそもサン宝石という言葉さえ22歳になった私は久しぶりに聞いたし、すごく懐かしい気持ちになった。
私たちの世代にとってのサン宝石といえば雑誌の広告欄や、小さい通販冊子からはがきで頼むものだった。ネット時代の今でははがきで通販をするなんて考えテンションをだと思う。あの冊子をめくるワクワクは今でも忘れられない。カチューシャやヘアゴムなどのアクセサリーや「ほっぺちゃん」などの名物キャラクターグッズなど安くて可愛いものが永遠に出てくるものだった。田舎の小学生の私には輝いて見えた。あんなに安いものばかりなのに送料を気にして友達と一緒に頼むのも懐かしい。
私は小学生の時からティーン誌を読んで流行物が大好きなミーハー小学生だった。サン宝石も通販で簡単に頼めるのにも関わらず母にねだって原宿の店舗に行ったことがある。夏休みに田舎から特急に乗って原宿に行くのは私にとって一番の楽しみだった。小学生の時はちゃおスタイルショップとサン宝石に行き、マリオンクレープでクレープを食べるのが定番だった。渋谷まで行って109で大人になったらこんな服が着たいなあと思って見ていたりもした。
中学生になったらジャニーズにハマりジャニーズショップに行くようになった。朝から整理券をもらい、時間になるまで竹下通りで服を買うのが定番だった。あらかじめ雑誌を読んで切り抜いたりして買い物に行っていた。地元では見れない人の多さといたるところで聞こえるタイムセール中の店員さんの声にテンションをあげていたのを覚えている。母も私の方向音痴でましてやスマホを持っていなかったのでマップも簡単に見れずに何度も道に迷っていた。
10年経った今では、サン宝石の店舗は今月26日で閉店することが発表され、ちゃおスタイルショップは2014年に閉店、ジャニーズショップも8月に原宿から渋谷に移転してしまった。あのポップコーンの美味しそうな匂いを嗅ぎながら暑さに耐え、行列に並ぶジャニショはもうないらしい。
そんな私もここ2年ぐらい原宿には行っていない。友達と遊ぶのも1人で買い物に行くのも原宿ではなく渋谷や新宿になってしまった。
このサン宝石のニュースをきっかけに原宿に詰まった思い出をたくさん思い出した。私は今でも母と買い物をするのが好きで上京し、都会に慣れた私は地図を見ずに母に東京を案内することができるようになった。また母を連れて思い出のたくさん詰まった原宿に遊びに行きたいと思った。