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進むために必要なものとは~対話、競争、協力~ 映画『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編』第1章 感想

2024年9月6日公開の映画『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編』第1章を鑑賞してきました。

本記事では、筆者がこの作品から感じ取った制作陣が伝えたかったであろうテーマやそれに関する感想を綴りたいと思います。

諸事情により公開から2週間以上経ってからの初鑑賞になってしまい、既出の感想だらけであると思われますが、どうぞ気軽に楽しんでください!

以下、ネタバレ注意です!



「伝えること、聞くこと」、「競い合い、助け合い」がテーマなのではないか

筆者は、本作品には、「伝えること、聞くこと」「競い合い、助け合い」の2つの大きなテーマがあると考えています。以下、この理由を映画やTVアニメのシーンと絡めつつ記述していきます。

1. 「伝えること、聞くこと」

本作のテーマの1つは「伝えること、聞くこと」であると考えています。この対話によってさらに関係性が深まるということを示唆しているとも考えています。

このテーマは①ランジュ親子の軋轢②天と小糸の意思疎通の問題によって描かれています。

1-①. ランジュ親子の軋轢

ランジュ母ランジュだけを贔屓したわけでない伝えランジュ母の言葉聞くことによって軋轢が解消しました。さらに、その後の車内での親子の会話では、ランジュ高圧的な態度が下手に出た柔和なものに変わりました。


ランジュ母は同好会メンバーが宿泊したホテルのオーナーかつGPXのスポンサー側の人間であり、ランジュの部屋スイートルームに変更しました。これは、同好会メンバー全員1部屋に泊まれるようにとの気遣いでした。

しかし、ランジュ自分自身を贔屓したと捉えて大会を辞退すると言い出します。飲食店(A&W)での会話から分かるように、ランジュは自分自身の力で勝負したいと考えていたからです。

ランジュ思い込みが激しいため、ランジュ母言葉が足りず、また、相手(ランジュ)の思考(誤解の内容)想像できなかったため軋轢が生じてしまいます。


この軋轢ですが、ランジュ母の陰謀(順位操作など)を疑ったかすみの活躍によってランジュ親子対話が実現して解消します。かすみ人柄の魅力が現れており、ランジュの背中を押す存在かすみである点に胸が熱くなりました。

かすみはランジュ母の陰謀?を暴くスパイ行為をしていたわけですが、親子の不和を解消後押ししました。意図せず他者に利益をもたらすことができるかすみの魅力が現れている一件で非常に好きです。

さらに、親子が対面したシーンでは、はっきりランジュ思い込みが激しい点ランジュ母言葉が足りていない点を指摘しました。

ランジュ母行動の意図ランジュを信頼していること(背中を押すことに該当すると思います)を伝えます。ランジュはそれを聞き思い込みであったことに気が付き、謝罪の言葉伝えます。ランジュ母も同様に反省の意を伝えます。

ランジュ母ランジュを信頼しており、自分の力で勝ち上がりたいというランジュのやりたいこと踏みにじるつもりはなく、むしろ応援してくれる立場でした。

実は、同じような方向を向いているにもかかわらず、伝えることや聞くことを怠ってしまい、もしくは苦手であるなどして対立したり離れてしまったりすることはあると思います。

今回の話では、ランジュのやりたいこと(自分自身の力で勝ち上がりたい)とランジュ母のやりたいこと(最高の状態で戦ってほしい、すべてのスクールアイドルを贔屓したい)が誤解によってぶつかってしまったと筆者は捉えています。

人それぞれ価値観を持っており、自分にとっての当たり前の感覚が他人にも同じように通じるとは限りません。だからこそ、違和感を抱いた際には、陰謀?についてランジュ母に問うたかすみのように素直になることも大切だと感じました。

また、かすみの指摘について、ランジュ反発せず受け止めましたが、かすみ素直さに憧れており、部長として信頼している背景があるため納得感がある点も好きです。


2期10話において、鶴岡八幡宮の太鼓橋の前(栞子とのツーショットのシーン)でランジュがかすみ素直なところに憧れると発言しており、高徳院(大仏)にて、にゃんがさきの結果発表の後にかすみを部長として認める発言をしています。


さらに、かすみの指摘の後素直母に謝罪しましたが、素直さについて憧れる存在背中を押してくれたと考えると説得力があります。

その後、車内にてランジュ母がステージを増設する計画をランジュに話します。それに対して、ランジュは初め「条件」という言葉を使いますが、「お願い」言い換えます。高圧的な態度から柔和なものに変わってしており、関係性の改善(進展)が見られます。

関係性の改善によって、ランジュは、歩夢と競い合うこと、勝ちを目指すこと、ランジュ母は、ランジュを含む全てのスクールアイドルの贔屓をすることというやりたいことがやれるようになりました。(根底にある価値観は変わっていませんね)



このように、ランジュ親子の軋轢「伝えること、聞くこと」を描写しており、対話によって関係性が進展することを示唆していると捉えています。この件は、かすみの魅力ランジュかすみに対する印象を鑑みると納得感があり非常に好きです。


1-②. 天と小糸の意思疎通の問題

小糸に対する鬱憤他でもない小糸と一緒にスクールアイドルをやりたい旨を伝え2人のユニット再結成されます。これには、コラボステージなどを通したエマの後押しが存在しました。

天と小糸はユニットを組み、スクールアイドルとして活動していましたが解散してしまいました。三線の演奏という形でスクールアイドルを続けている状態でした。

お節介なエマ接触します。

お節介をするときには、最大限相手の気持ちを配慮する姿勢が見られて嬉しく思いました。小糸との過去の話を聞くときは無理強いはせず、コラボステージの提案をするには天が小糸とスクールアイドルをやりたい確認していました。

遠慮しがちな性格であり、パフォーマンスについて小糸提案した際に、自分考え伝えることができていませんでした。おそらく、これが原因でユニットを組むからこその相乗効果を生めず良いパフォーマンスができていないかったのではと想像しています。

エマは、天とのコラボステージの準備を通して、天の意見を引き出し、それらを伝える場数を踏ませます。三線の演奏についてエマと意見が食い違った際に、エマが理由まで聞いたのは場数を踏ませる意図もあったと想像しています。

自分の意見遠慮せず伝えた(エマのボーカルの良さを引き出すための意見)ことでエマとのコラボステージでは、大歓声が上がるほどの良いパフォーマンスができました。

小糸の歌よりよく伝えるためには天の感覚、意見必要であったということを示していると考えています。小糸ライブについて提案した際に、言い淀んでいました。(この意見があれば、ライブ不評変わっていたのかもしれません)

天は、エマとのコラボステージという体験を通して解散理由の気づきを得たり(天が発言通りユニットの解散理由に見当がついていない場合)自分の考え伝えることの重要さを実感したりしています。エマとの短期間での関わりを通して、小糸に自分の気持ちを遠慮せずに伝えられたことに対して個人的に納得感がありました。ただ言葉を伝えられたり、他人の様子を見ているよりも自分自身が体験して得たものの方がきっかけになりやすいのかと考えているからです(主観)。

エマの後押しもあり、天は小糸に遠慮せず自らの気持ち伝えます。頻繁に練習に遅刻することやお弁当の苦手なおかずを押し付けてくることにムッとしていたという、一番伝えたいであろうこと(一緒にスクールアイドルをやりたい)について直接関係ないような鬱憤を伝えます。

これまで遠慮しがちで自分の気持ちをなかなか伝えられなかったため初めに出てきたことがそれらだったのかなと想像しています。いきなり「小糸と一緒にスクールアイドルをやりたい」というその時点で一番伝えたいであろうことではなく直接関係ないことを言う点に好感を持ちました。今までできなかったことが急にできるわけではない徐々に変化、成長していく虹ヶ咲らしい描写が健在で胸が熱くなりました。

天が、不器用ながらも一生懸命に思うところ伝えたからこそユニット再結成され、これまでのこじれた関係解消しました。

この件では、が自分の意見を伝えることを躊躇っていたことに焦点が当たっていますが、小糸も、エマが本当にそう思っているのか聞いたように、全肯定するような天の意見聞き出す必要があったのかと感じました。

天が小糸と話す時間を作り、天が伝えて小糸が聞いたことで関係性が深まりました。また、小糸は、やりたいことまた一歩踏み出せました。(根底にある価値観は変わっていませんね)



以上のように、天と小糸の意思疎通の問題「伝えること、聞くこと」を描写しており、対話によって関係性が進展することを示唆していると捉えています。この件は、人はそう簡単には変わらず、徐々に成長していくという虹ヶ咲らしい描写の片鱗を感じられて非常に好きです。


小糸の件からは、競争してもバラバラにならない、逆に上述の通り関係が進展するというメッセージも込められていると考えています。

本作では、エマと天ランジュと歩夢ライブが顕著ですが、「互いの自己表現を押し出してぶつけること」競争として描いていると考えられます。この自己表現には、自分意見気持ちを歌や踊り、演奏を通して伝えるだけでなく、例えば口頭伝えることも含まれるでしょう

小糸に自分の気持ち(他でもない小糸とスクールアイドルをやりたい)を伝えたことはある意味競争的な行為であり、それによって、2人の距離縮まりやりたいことにまた踏み出すことができました。




2. 「競い合い、助け合い」

本作のもう一つのテーマは「競い合い、助け合い」であると考えています。競い合っていても協力することはでき、また、前に進みさらにぶつかることによっても同好会の価値観(やりたいことをやっている人を見て一歩踏み出してみる、やりたいことをやると楽しいよ)を広げることが可能であり、それには競い合うことも必要であるというメッセージが込められていると考えています。

このテーマは①エマと天 ②かすみの活躍 ③彼方としずく ④歩夢とランジュによって描かれています。

2-①. エマと天

エマは、天とのコラボステージで協力し合いつつ背中を押し合いつつ)、競い合うことができることを示しました。また、エマらしい(自己表現)ライブによってしずく背中も押しています。


競い合うことによって負けじとやる気が出るような背中の押され方ではなく、寄り添う要素の強い背中の押され方を「協力」「助け合い」としています。(主観)



コラボステージでは、エマ歌唱三線という各々自己表現ぶつけ合いました。(しずくエマらしい表現高め合っているという旨の感想を述べていたため、作中では競争と捉えられていると考えられます)

天の存在エマやりたいこと(他者の気持ちに寄り添う、心をポカポカさせる)の後押しになっています。実際に、エマは、天の考えや気持ちを無理強いせず聞き出したり、ユニット再結成に至った描写では天や小糸心をポカポカにできたと考えられます。(天→エマ)また、このライブやそれまでのエマとのやり取りによって、背中を押され小糸に自身の気持ち遠慮せず伝えることができ、ユニットは再結成されることになりました。(エマ→天)

さらに、エマらしく高め合っているライブを見たしずくは、背中を押されライブ始めます。誰かのやりたいことをやっている姿を見て一歩踏み出すという虹ヶ咲テーマ、価値観が表れています。

また、エマは、自己表現自己表現によって高めることができました。エマ歌唱三線によって際立ち、その逆も然りであったと想像しています。準備している描写では、天が、サビ前に溜めを作った方がエマの歌唱が際立つという発言をしていました。

上述のしずくのエマのライブに関する発言エマとしては初めて2人体制ユニットで歌唱し、表現の幅広げることからもエマ自己表現高められたと考えられます。

自己表現に他者に寄り添う側面があるエマが天の背中を押すという展開に、OVAにて栞子がアイラの背中を押したというような人選の丁寧さを感じ非常に嬉しく思いました。

筆者は、果林や美里側の人間であると自負しています。相手に申し訳ないと思ったり、心配させたくないと感じたりして遠慮してしまうことが多々あります。天は相手を大切に思っているからこそ遠慮してしまうと考えられます。エマがコラボステージの提案をしたときに、票が割れてエマに不利になることを真っ先に指摘したからです。また、小糸の態度に対してかすみが不機嫌になると咄嗟に弁明していたことからも相手を想っていることが分かります。天の話からは、相手のことを考えるからこそ遠慮してしまうけれど、それが本当に相手のためになっているのか、関係性をよりよくする機会を失っているのではないかと問いかけられているように感じました。



このように、エマコラボステージは、競争しながら助け合うことができ、自己表現高められること、また、それによって背中を押される人がいることを伝えていると考えています。


2-②. かすみの活躍

かすみはGPXという競争の渦中においても、ステージ増設に関わることによって、自己表現提供し、他のスクールアイドル背中を押しています。また、ランジュ母らやりたいこと(全スクールアイドルを贔屓したい)も後押ししています。つまり、かすみは、意図せずとも競争の中協力できることを伝えています。


ランキング気にする描写から、かすみ順位執着しており競争強く意識していることが分かります。

そんな競争の渦中にいるかすみですが、本人意図せず(ランジュ母の陰謀を信じてスパイ行為をすることが発端)ランジュ母らと仲を深めてステージ増設に携わります。

本人が意図しているわけではないけれど、他者の利益になるような行動をしてしまうというかすみ魅力が存分に表れています。また、他のあらゆるスクールアイドルランジュ母らやりたいことを叶えるための手助けをしており、自分のステージ忘れるほど真剣に取り組んでいる様子からは、ワンダーランド志向するかすみ価値観読み取れます。

なぜかすみが同好会の部長なのか、他のメンバーから認められているのかといったことに関わるかすみの魅力が見られて感無量でした。


余談ですが、ビジネスマンであるランジュ母のやりたいこと(GPXの成功、そのためのステージの増設)が描かれたことは同好会の輪が広がりを示していると感じました。

これまで、高咲やSIFにおける他生徒の描写より、やりたいことをやっている人は広義のスクールアイドルであり、同好会の価値観の輪の中に存在するという認識が生まれました。薫子や美里を描くことで年齢層の広がりも生まれました。薫子は大学生、美里は求職者という属性でしたが、今回、ビジネスマンのやりたいことを同好会メンバーのかすみが手助けすることで、同好会が受け皿となる対象がより広がったように感じました。2期12話において、ラブライブ運営の大人たちが描写されていましたが、今回はスクールアイドルを支える大人を具体的に描写しています。また、かすみが協力することで同好会(概念)の輪に含めている点が異なっていると思います。




以上のように、競争強く意識するかすみが、彼女の魅力である意図せず他人の利益になる行動をすることを通じて、競争の中協力できることを伝えています。個人的に好きなかすみの魅力を存分に味わうことができ非常に嬉しく思いました。


2-③. 彼方としずく

しずくは、競い合うことによって助け合えなくなったり、離れてしまったりするかもしれないと不安に感じます。彼方は、競い合ったとしても協力できるし、離れ離れなることはないと伝えます。


1期序盤同好会空中分解を当事者として経験しており、本作でも各々の求めるステージが異なり別行動になることなどの前振りがあるため、しずく彼方不安に関して納得感があります。

水族館のシーンでは、しずく彼方同好会仲間受け入れてくれたり支えてくれたりしたことに言及しており、助け合う関係大切に思っているからこそ、このような不安生じる点も説得力があると感じました。

また、彼方競い合って離れ離れならない、助け合えると伝える人選胸を打たれました。

2期12話にて、彼方「背中を押して距離が離れたって、押してくれた手の温もりは残るよ」と歩夢の背中を押しました。1期7話では、彼方は、お互い助け合いつつ、ライバルとして歩みを進めることを決めました。実際に、ライバルとして参加するGPXではともに行動しておらず物理的距離離れています。しかし、家庭では会話増えておりバラバラになっていません。遥と母との会話が増えたと述べています。(同じ屋根の下にいても心の距離が離れると会話が少ないかもしれません)

以前、想い残り続けることを伝えライバルとして、家族として助け合いつつ関わっており、バラバラなっていない彼方だからこそ言葉重みがあります。

また、彼方がサンゴの飾りとともにメッセージ(競い合っても助け合えるし離れ離れにならないよ)を伝える描写に至るまでに、エマと天やかすみの活躍によってそのメッセージが補強されていることも説得力を生んでおり非常に好きです。



このように、しずくによって、競争することで協力できなくなったり離れたりしてしまうかもしれないという懸念が提示されます。それを彼方そんなことはない伝えます。彼方が伝えることについて、これまでの流れを踏まえると言葉の重みを感じて胸を打たれました。


2-④. 歩夢とランジュ

歩夢はただでさえやりたいこと異なりバラバラ同好会メンバー心と心ぶつけ合うことで離れ離れになってしまうかもしれないことを不安に思います。歩夢と異なる道を歩んでいる高咲それでも進んでいくと伝えランジュ歩夢尊敬しており仲間としてだけではなくライバルとして競い合いたい、もっと歩夢のことを知りたい伝えます。その結果、歩夢一歩踏み出しランジュと競い合います。


歩夢は、1期11話2期12話で顕著でしたが、お互いのやりたいこと異なりそれぞれ歩みを進める程バラバラになってしまうことを懸念していました。1期12話では、高咲変わらぬ想いファン想いを受け取り、2期12話では、彼方からエールを受け取り一歩踏み出しました。

過去一歩踏み出したとはいえ歩夢自身周り歩み進めていることは事実であり、歩夢は、新しいこと挑戦しており変わっていくことを実感していることから、いずれ離れてしまうという不安完全払拭されないのは自然であると想像しています。

さらに、不安が顕著になる要因前振りとしてランジュ降りる発言やメンバーの別行動などが挙げられると思います。

そこで、狭義スクールアイドル活動(ステージ上で歌って踊る)とは異なる活動をしている高咲側に来てそれでも進んでいく伝えます。比較的差異際立つような活動をしている高咲言葉重みが良かったです。また、2期12話歩夢留学について高咲に話す際に、「置いてっちゃうんだから」発言しており、競争のような関係仄めかしている上で、その相手である高咲が実際に目の前現れることでバラバラならないことを伝える点に前振りがきいていて痺れました。

さらに、歩夢は、高咲以前(2期12話)作曲コンクール出場するかどうか迷っていた際の悩み同様の悩みを抱いています。本気勝ち目指している人たちの中に、勝ちにこだわらない自分入ってもよいのかという悩みです。この面からも、他でもない高咲歩夢背中押すこと、それに影響を受けて歩夢一歩踏み出すことに違和感がありません


三線の演奏のみを行う天によって、狭義のスクールアイドルの概念が拡張されていますね。


また、ランジュ歩夢のことを尊敬していると伝えます。ランジュスクールアイドルやるために海を渡り、歩夢スクールアイドル広めるために海を渡ったためです。仲間としてだけではなくライバルとして競い合い歩夢もっと知りたいと述べていました。また、今後もアイラのような歩夢憧れる存在増えていくだろうとも伝えました。

競い合うことで歩夢もっと知りたいについて、競い合い通じて相手のことを知ることによって双方自己表現向上させられることはエマと天の件で描写されており、高み目指すランジュが将来憧れる存在のためにも進んでいく歩夢伝えていることに説得力があります。

さらに、歩夢これまで進んできたからこそファン憧れる人誕生しました。1期1話一歩踏み出したから高咲以外ファンが生まれ、また、1期11話歩みを止めなかったからアイラがスクールアイドルフェスティバル(2期12話の少し前)で歩夢を目にしてスクールアイドルになりたいと思いました。そのため、将来、歩夢に憧れる人応えたいならば歩み続ける必要があります。それを過去の経験より歩夢分かっているからこそ高咲ランジュ背中を押されて一歩踏み出したのかなと想像しています。(歩夢は、アイラのためイギリスまで行ったのですから、自身憧れる存在応えたいという想い持っていると考えられます)

自身に憧れる存在に応える、つまり、「誰かがやりたいことをやっている姿を見て自分も何かに一歩踏み出してみる」という同好会価値観広げるためには、歩夢とランジュのような競争必要であることを示唆していると考えています。

この件では、もう一方のテーマである「伝えること、聞くこと」伝えていると思います。歩夢は、高咲の助言に基づき、ランジュなぜ自分に負けたくないと思うのか聞きました。ランジュは、歩夢を尊敬しており仲間としてだけではなくライバルとして高め合いたいことなどを伝えます。これにより、2人の関係性進展し、競い合うことで各々前に進むことができました。(2024. 09. 28追記)


このように、歩夢競争によってバラバラになってしまうかもしれないという不安を抱いていましたが、高咲ランジュ後押しによって、将来、自分自身憧れる存在応えるために一歩踏み出しました。憧れる存在に応えるという同好会価値観広めるためにも競争必要であることを示していると考えています。歩夢の軌跡を鑑みると一歩踏み出したことに納得感があり非常に好きな話です。


まとめ

映画『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編』第1章のテーマとして「伝えること、聞くこと」「競い合い、助け合い」があると感じました。
以下のシーンから読み取りました。

「伝えること、聞くこと」
①ランジュ親子の軋轢
②天と小糸の意思疎通の問題


「競い合い、助け合い」
①エマと天(コラボステージ)
②かすみの活躍(ステージ増設に協力)
③彼方としずく(ホテルと珊瑚)
④歩夢とランジュ(終盤のライブ)

これらを総合して、進んでいく(やりたいことの追求)ためには競い合うことも必要ギスギスすることだけ競い合うことではなく、各々が自分らしさ押し出していくこと(主張)により高め合っていける競い合いの形もあるということを伝えているのかなと想像しています。

(手元に映像が無いためうろ覚えの箇所が多々あります。気になれば指摘していただけると幸いです。また、本記事の内容は個人の感想であり一オタクの戯言です)


おわりに

映画『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編』第1章から感じ取ったテーマや感想を述べてきました。
これまでの積み重ねや虹ヶ咲の価値観、良さを踏まえつつ、さらなるメッセージを伝えてくださり感無量です。

複数の視点から話を進めつつ、それぞれが単発になることはなく互いに補強し合っている脚本に信頼感を抱きました。

10月7日(月)にスタッフトーク上映会の開催が決定しましたね!以前から、河村監督をはじめとする制作陣のお話を伺いたいと強く願っていたのでこの上なく嬉しいです。本当にありがとうございます。(何としてもチケットを手に入れたいです)

第2章、第3章ではどのようなメッセージを伝えてくださるのか、それを受け取った自分や虹ヶ咲ファンの皆さんが何を思うのか楽しみで仕方ありません。

ここまで読んでくださり本当にありがとうございました!


ご意見、ご感想等がございましたら、X(旧Twitter)で伝えてくださると幸いです。様々な意見に触れることで見えてくるものがあると感じている筆者はとても喜びます。

https://twitter.com/bullvalley_629


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