
境界知能の当事者が語る「生きづらさ」と人生のコツ
この本は、IQ70〜84の「境界知能」に該当する著者が、自身の経験をもとに生きづらさを乗り越えるためのコツを紹介するもの。専門学校卒業後、アルバイト・正社員・障害者雇用・A型作業所・フリーランスを経て、現在はYouTuberとして活動しながら生活している。なんばさんが出版した著書
そもそも「境界知能」とは?
IQ70〜84の範囲で、知的障害には該当しないが、平均より低いために生きづらさを感じる。
知的障害のような福祉支援は受けられず、社会の中で苦労しやすい。
立命館大学・宮口幸治教授の『ケーキの切れない非行少年たち』では、以下の特徴が挙げられている。
認知機能が弱い(想像力が乏しい)
感情のコントロールが苦手(すぐにキレる)
融通が利かない(思いつきで行動する)
自己評価が極端(過信しすぎる or 自信がなさすぎる)
コミュニケーションが苦手
身体的に不器用(力加減や運動が苦手)
「生きづらさ」を乗り越えるためのポイント
自己理解を深めることが大切
自分の価値観に気づいていないと、人間関係や仕事で不利になる。
価値観を1つだけにすると変化に弱く、たくさん持ちすぎるとブレるので、2つに絞るのがオススメ。
著者は「自由」と「創造性」を大切にし、時間や働き方の自由度が高いと能力を発揮しやすいと気づいた。
人生を楽しむための実践的なコツ
本書では、著者が実践してきた工夫が紹介されている。
例えば
億劫な家事をラクにこなす方法
自炊を効率化する2つのポイント
失敗を楽しめる「失敗の日」を作る
「何がわからないかがわからない」時の対処法
「〇〇〇」は最高のマインドフルネス(※本書で詳しく解説)
まとめ
この本は、境界知能の人が自分を理解し、日々の生活や仕事を楽しめるようになるためのヒントを詰め込んだ一冊。「生きづらさ」を感じている人にとって、気づきや救いになる内容が多く含まれている。興味がある方は、ぜひ手に取って読んでみてほしい。