腹鳴とトイレの確保
私は、ヒルシュスプルング病により0歳で大腸(結腸)をとっています。
前回の記事では、大腸がないことで小腸にガスがたまり腹鳴がすごいことになる、という内容を書きました。私の腹鳴は雷の爆音レベルです。
この腹鳴は社会生活に相当の支障が出ます。
音の大きさが半端でなく、しかもおなかがすいたときに鳴る「グー」というかわいい音ではないので、知らない人が聞いたらドン引きです。
音量の調整は自分ではどうしようもできません。
この腹鳴をなるべく出さないようにするため、私は人知れぬ苦労を続けてきました。
食事10分後からおなかにガスが発生し、それがある限り鳴り続けるので、とにかくトイレでガスを出さなくてはいけません。
「食事」と「トイレ」は必ずセットです。トイレが確保できない状況で飲食はできません。
自分しかいない、または周りが家族とか事情をわかってくれる人なら腹鳴で気は使いません。また、屋外など確実に音がかき消されるところも大丈夫です(それでもおなかが張って苦しいので長くはもちませんが)。
問題は職場です。昼食後のトイレ確保は切実な問題。
すぐにトイレに行けるか、その時間も確保できるか、午後いちばんに会議などは入っていないかなど、ものすごく神経を使います。
休憩時間なのにちっとも気が休まりません。
万が一食後にトイレに行けないなんてことになったら、しかも会議や研修など静かな場所にいなければならない状況になったら…と考えるだけでヒヤヒヤします。
さらに気が抜けないのは、トイレに行けたとしてもいつもガスが出切るとは限りません。少しでも残っていると音は止みません。
食べたものによってもガスの量は変わります。基本的に昼食の定番である麺類は良くないですね。小麦が原因なのでしょうか。とくにラーメンやパスタは仕事の日は食べません。
また、だからと言って昼食を食べない、というのもあまり良くありません。空腹が続くとそれはそれで変に腸が動いて、結局は腹鳴につながります。
どうしようもなくデリケートな小腸です。
過敏性腸症候群の症状に少し似ていますが、食習慣や睡眠に気をつけるというような自律神経を整える対処をしても、大腸がない限り大きな効果は期待できません。
また、腹鳴恐怖症という社会不安障害(おなかが鳴るのではと気になり苦痛を感じる)とも違い、実際ものすごい音が鳴るので心療内科的な対処も違うと思われます。
ガスコン(ジメチコン)という消化管ガス駆除薬を飲んでいますが、はっきり言ってあまり効果は感じられません。気休め程度です。
結論として、対処法はトイレで排出するのみ、ということになります。
さて、いざトイレが確保できてガスを排出できれば腹鳴問題は解決かというと、実はまた別の悩みもあるんです。次はそのことについて書きたいと思います。