プログラム作るなら魂入れる [転記]
昔、職業プログラマーだった頃、環境によっては運用レベルの実行テストが出来ず、最終チェックを目視に頼るしかない時もあって、多重チェックは勿論、自分が悪魔になるテスト、人呼ばず『デビルズ・テスト』を試した時があった。
意味合いは割と簡単、予備的な単体テストには合格したソースコードに、後から故意にバグを入れ、次の条件で目視発見させる。
《悪魔の条件》
『このプログラムには、コーディングミスレベルの、0個以上のバグが含まれている。いくつあっても、全て見つけよ。』
実はこのテストを部下にさせた時、リリース候補の元コードに、特にバグは追加しなかった(バグは必ずあるとは言っていない、と言う悪魔の笑み)。
人間は、恐らく確実に正しそうな成果物に、精々念のためのテストをする程度の時、大なり小なり気の緩みが出るのは、どうしたって防げない。
で、どうしようか。『絶対どこか間違っているはず』と思ってもらう事が、最強の集中力を引き出す、と悪魔がささやいた。
実際この効果はてきめんで、そのテスト結果(ないハズの)バグ発見、に肝を冷やされて、それは実際には注釈行の誤字脱字だったので、そこまで神経を使ったのかと、ちょっと可哀想にもなった。
この手段を使うと言うことは、『このプログラムを、普段通りにチェックして』での、本人の取組み真剣度を信頼していない、と解釈がある半面、この手段でも結局背景を別にすれば、前文に完全同一な『このプログラムを、普段通りにチェックして』とお願しているだけに過ぎない、と悪魔は説く。