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2021春アニメも続々と最終回を迎えていく。前期・前々期はギリギリまで放送していたのと翌週すぐに放送の始まる作品が多かったので、丸々一週間休めそうなクールは久しぶりだと感じる。3~4作遅れているので、それならそれで転換期に補完することも出来るし、個人的には少し空いていた方が有難い。

オッドタクシー、バクテン!は追いついた。怪我を押して出場するのはどうかと思うが、ここまで両作品ともに面白いものを見せてくれていると思う。後追い作品は好きでないと全部見れないので。

少し拘るが、高校野球で骨折しながらホームランとか痛みを抱えながら完投とか、まあそんな話を沢山知ってるので、バクテン!、11話の展開は美談にしづらい。

とはいえそこから全てを否定するのは側面的すぎる見方であろう、とも思う。翔太朗のチームに対する思いやキャプテン、監督の決断に関しても、全体の流れとしては納得できるものだった。

無数にある物語の一つとしてそういう形もありなのだろう。間違った判断なのに違和感がないからまずいのだ、という脳内の叫びも聞こえるが、一先ずアオ高は演技をやりきった。

演技終了からそのまま引いたので今後の展開はまだ分からない。翔太朗が無事なのかどうか、アオ高はインターハイに出られるのか。

色々と気になるが、来週も面白いものを見せてくれるだろう、という面では信頼しているし、信頼できる。次回最終話かな。楽しみです。

昨夜はダイナゼノン、バック・アロウも最終回を迎えた。ダイナゼノンは全体において少しふわっとした作品だったが、SSSS.GRIDMANが”解放”を目指す物語なら、SSSS.DYNAZENONは反転して”束縛”を得ていく話だったのかな、と思う。

1話で蓬や夢芽に襲い掛かっていたものは望まれない束縛だった。大人の身勝手、姉の死、分断を示すタトゥー、無職の重圧。

4人は自分が望んで得たわけではない苦しみを背負っていて、彼らの人生にどんよりとした空気を漂わせていた。

物語で4人は自らを定位するための掛け替えのない出会いや、大切な心の拠り所を見つけていく。

普段ネガティブに描かれることの多い束縛感を「自分で選んだもの」「自身で掴み取ったもの」として肯定的に描き、彼らの物語を称賛する流れは、何気ない日常感を重視したこの作品らしい筆の取り方だったと思う。

人間はいつまでも自由に拡張するわけではなくて、いずれ狭い世界に身を置かなければならない。その時に誰といるのか、どう過ごすのか、自ら考えて掴み取るのと、与えられた場所に甘んじるのとでは大きく変わってくるだろう。

その意味で、やはりダイナゼノンは「君を退屈から救いに来た」物語だったのだと思う。いや、退屈から抜け出すために「君が必要なんだよ」という物語でもあるのかな。

多分どっちでも言える。

そういう解釈の幅が大きいところも含めてダイナゼノンは面白かったなぁ、と思う。人によって視点も大きく変わったと思うし、目をつけられる場面が多くあった。

私はやはり青年4人の悩みに共感してこの話を見たし、自他の違いに悩みながらも、決して後ろ向きにはならず日々を過ごしているちせちゃんにかなり好感を持てたので、物語の最後に「あんなとこ似合ってたまるか」と言い放つ彼女の姿にはとても嬉しくなった。

自分に似合う居場所があるのなら(いや、それが自分に合うのなら、その時点で)不登校だって選択肢の一つなのだ。

言うまでもなくちせちゃんは”普通”の子ではない。

そういった子たちに適切な居場所は、現状社会に用意されていないのだけれど、自分で見つけていくのもまた生きる道なのだと思う。

その時「私は不登校児だ」「学校で生きて行く社会性がなかった」という自己認識は、時として邪魔になる。

その認識は自分が望んで身に着けたものではなく、普遍的な”感覚”から押し付けられたものであるからだ。

だからこそ「似合ってたまるか」という自己定位によって不登校という”狭い”居場所へ積極的に定義していくことが大事なのだと思う。

嬉しいことに今回は望むべくして続編があるらしい。

次回はちせちゃんも少し大人になって、自分の道をみつけているのだろうか。そう願いたい。GRIDMAN勢が登場するのも楽しみですね。GRIDMAN×DYNAZENON、楽しみにして待っています。

バック・アロウはここまでの話が面白すぎてオチは予想できる範囲に収まったかなと思うけど、あれだけ大暴れした話を上手く纏められたことには正直驚いた。ジジイとドS姫の最後の戦いも見ることが出来て大満足でしたね。信念を持って戦うこと、道を切り開くこと、普遍的ながらもド直球で強いメッセージがあって、エンタメ作品の中に確かに宿る情熱が愛着を大きくしてくれたと思う。バック・アロウ、面白かったです、谷口悟郎監督、次作も期待ですね。お疲れ様でした。

サムネイル引用元:©︎円谷プロ ©︎2021 TRIGGER・雨宮哲/「DYNAZNNON」製作委員会

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