「見えないものをカタチにする」ワークショップ day4:「MOJI」 〜私の「祭」を文字にする〜
今回は文字作りのワークショップ。漢文学者・白川静「文字のなりたち」の中から「祭」という文字を題材とした講義の動画をみんなで観てから、自分にとっての「祭」をイメージし、文字で表現します。筆で文字を書くのは久しぶり、という人が多かったのですが、ダイナミックな作品がたくさんできあがりました。
ワークショップのレシピ
(1)文字と言葉に関する情報を見る
「ほぼ日の学校」で、漢文学者・白川静の「文字のなりたち」を紐解く講義動画を鑑賞。(立命館大学・後藤文雄氏によるもの)
*白川静…甲骨文字や金文といった中国の古代文字を研究し、漢字成立の定説を2000年ぶりに改めた文字学者。 96年の生涯を通じ、漢字誕生の謎を追い続けた。「字統」「字訓」「字通」の字書三部作が有名。
*白川フォント:
https://www.dl.is.ritsumei.ac.jp/Shirakawa/search/index.php#search_names
*若者言葉:
https://news.mynavi.jp/article/20220428-2331609/
(2)自分にとっての「祭」をイメージする
今までに経験した「祭=印象深い出来事」を思い起こし、状況を記述する。
(3)「MOJI」の構成と読みを決める
漢字の7つの構成部首「偏(へん)」「旁(つくり)」「冠(かんむり)」「脚(あし)」「構(かまえ)」「垂(たれ)」「繞(にょう)」を
意識し、独自の文字の構成を考え、読み方を決める。
(4)できあがった「MOJI」を筆で書く
筆ペンまたは墨汁と筆で、作った文字を半紙に美しく清書する。
(5)プレゼンテーションを行う
作業中の様子
みんなの成果物
RSの作品
自分にとっての「祭」:好きなもの(恐竜)に出会ったときの衝撃
文字の読み方:音読み「リュウ」、訓読み「ステゴサウルス」
文字の構成:恐竜の骨格、骨質の板、脚、スパイクなど、恐竜の姿をそのまま文字として表現した。
TMの作品
自分にとっての「祭」:映画「チロンヌップカムイ・イオマンテ」の自然と人間・神の位置づけ・関わり方がショッキングであり、印象的だった。命を返すという考え方は自分の住んでいる地域の祭にはない考え方で、失われていく文化。
文字の読み方:おくる
文字の構成:オリに入った神=キツネとその周りでささげる踊りを踊る人々、育てたキツネとの別れを惜しむ涙、天に帰ってめぐる命
NTの作品
自分にとっての「祭」:「意識があるままで目の手術を受けた」ときのこと。血?か何かの温かさをほのかに感じたり、何かが引っ張られるのをちょっと感じたりするのが気持ち悪い。何も見えないなかで、周りの先生たちがいろんなことを話していて、されるがままな感じがむずむずする。
文字の読み方:むずり
文字の構成:手術台に乗った自分と、その周りを囲う人で固められている。
HNの作品
自分にとっての「祭」:夏の九十九里の海岸。夜の砂浜にたくさん穴を掘ってろうそくを立てる。聖なる場所での酒宴。聖寄りの俗、静謐な場所。 文字の読み方:音読み:コウ 訓読み:ひみいる 文字の構成:神聖な場所と穴の中のろうそくの火。
YTの作品
自分にとっての「祭」:RADWINPSのライブ。
文字の読み方:りぶ
文字の構成:星、生、火
HTの作品
自分にとっての「祭」:サンバカーニバル。大学のサークルで出会って以降サンバがすっかり自分の人生に食い込んでしまった。
文字の読み方:うたげ
文字の構成:音、ビート、たくさんの人々
NYの作品
自分にとっての「祭」:9歳で初めてフランスに行ったとき、飛行機から見たヨーロッパの街の風景が絵本の世界のようでカルチャーショックを受けた。ヨーロッパとの出会いの「祭」。
文字の読み方:びあん
文字の構成:飛行機の窓の中の風景を見て驚いている。