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ブラインド越しに・偽

終業の時間となった。
今日は溜まっていた仕事が片付いて気分が良い。
席を立ち両手を挙げて大きく背伸びをする。
机の後ろには大きな窓があり、
日中は日差しが強いのでブラインドを閉じている。
ブラインドを指で押し下げる。
ぎょろりと大きな目がこちらを覗いていた。
「わっ」と声を上げてしまい、
何人かこちらを向いた。
頭を下げ、そそくさと荷物を纏め帰ることにした。
ビルの外に出てから、
窓の辺りを確認する気にはならなかった。

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