大山加奈さんのバス乗車拒否騒動をきいて、東京のハードモードな子育てに震える

元バレーボール日本代表大山加奈さんの、双子用ベビーカーでの、バス乗車拒否騒動。
最初に言っておくと、私は断然大山さん擁護派です。
というか、批判の声が多いことにびっくり。

同じ立場の人たちからの、厳しい批判

批判の声の、主な内容。
・双子用ベビーカーは重すぎて、バス乗車するのに無理があるので、やめるべき
・バスに乗りたいなら、一人用ベビーカーに一人を乗せもう一人は抱っこ（おんぶ）すべき
・バスの運転手はワンオペで大変。手伝ってもらって当然の姿勢はいかがなものか
・バスを定時運行させるのは大変なこと。迷惑をかけないよう控えるべき

なんかもう、…えっそうなの！？としか言えない。
同じ立場の、双子のお母さんからの批判も多いらしい。

バス会社は、双子用ベビーカーを禁止していないし、それに対応するガイドラインがあったそう。
なのになんで、批判されなきゃならないんだろう。
一人ベビーカーで一人抱っこって…
子どもって、ベビーカー降りたがってぐずったり、乗りたがってぐずったり好き放題。
どちらにも対応できるように、乗らないベビーカーを押してることもけっこうある。
それが双子ちゃんなら、双子用ベビーカーになるだろう。
長時間抱っこ紐してると、腰痛くなるし。

というかいいじゃん。そんな必然性ないといけないのかな。
そんなに綿密に計画して出かけて、それ以外手段がない！みたいな必然性がないとバスにも乗れないのかな。
乗れないんだろうな。
批判している双子のお母さんたちも、自分たちもそうやって我慢して頑張ってきたから、主張してる大山さんに腹が立つんだろうな。

東京、こわ！！！

イージーモードの、地方子育て。でも…

ちなみに私は子どもがいない頃、10年あまり東京（周辺）に住んでいた。
東京で結婚して、そのまま住み続けることもできた。
でもどうしても東京で子育てできる気がしなくて、夫と相談して、故郷の近くの地方都市に移住した。

どうして、子育てできる気がしなかったのか。
受験戦争や進学事情が、自分たちの育った地方とだいぶ違うのにビビった、というのも大きい。
でもそれだけではなく、なんとなくこういう「大山さん乗車拒否騒動」的な出来事があっても、自分は乗り越えられないだろう…というのを感じてたからじゃないかと思う。

私は、鈍くさい人間だ。
見た目はあまりそう見えないらしいけど、実際は鈍くさくて段取りが悪く、しょっちゅうアワアワしている。

今住んでる地方で子どもを二人授かって、どちらもだいたい乳幼児期は終わった。
こちらでは、とにかく移動は車。行先も、イオンみたいな子ども歓迎のショッピングモールが主。そこで大抵用は足りる。
店にある子ども用カートを使うので、ベビーカーすらいらないことも多い。
泣いたりぐずっても、なんとか駐車場まで移動して、車のチャイルドシートに乗せれば一安心、家まで一直線。移動中に寝てくれればさらに万々歳。何度そうやって寝かせたことか。

そんなイージーモードでやってきたにも関わらず、鈍くさい私はアワアワすることが多々あった。
常に予想外の子どもの行動、反応。
乳幼児お出かけの大量荷物。いざというとき、必要なものをさっと出せない。
他にもいろいろあったけど。

ショッピングモールや子育て支援施設など、決まった場所のお出かけばかりでもそんな感じだった。
それが、車に頼れなくてベビーカーや抱っこしか選択肢がなくて、しかも電車やバスに乗らないといけないとか、あぁ無理無理無理。
常に完璧に準備しないといけないことに疲れて、引きこもりそう。
（子どもはそれを許してくれないけどね…　病むな）

自分が我慢してきたんだからあなたも我慢しろ、という不毛な圧力

今回、こわ！と思ったのは、同じ立場のママからの批判が多かったこと。
先ほども書いたように、自分たちも我慢して頑張ってきたから、主張してる大山さんに腹が立つんだろう。
彼らはどこに行くにも、綿密に計画して、迷惑をかけないように頑張ってきたんだろう。
そのことに対しては、本当に自分にはできないし尊敬というか、大変だったでしょうねと同情してしまう。

でも思うのは、だから後に続く人はこんな思いをしないでほしい、じゃないんだなと。
自分と同じように、我慢して頑張るべきだ、なんだねと。
なんか、旧態依然の部活とか、ブラック企業のような構図。

私はもしあのまま東京にいたら、二人目は生まなかっただろうな。
一人目で燃え尽きてただろうな。
イージーモードのこっちなら、三人目もいけたと思う（もう年齢的に無理だけど）。
ご近所や同級生は、三人きょうだいが多い。

ほんと、これでは少子化進むね。どんどん進むね。

なお、運転手さんのワンオペや定時運行を心配しての批判は、大山さんに向けるべきではない。運転手さんの労働環境を整えないバス会社に向けるべき。
そうやって弱い言いやすい方に批判が向かいがちなのも、なんだかな。

大山さん負けないで！
パワフルカナ！（バレーボール好きです）