「今、此処に在ることに感謝」 #17
微々たる成長の積み重ねの上にしか、大きな変化はやってこない。
ここを見誤ると、何も習得しないままそれに費やした時間のみ無駄になってしまうという結果に陥る。
こういう器用貧乏みたいな人がとても多い。
確かにひとつのことを極めるということは、これだけ世界が身近になった今、趣味嗜好があちらこちらに散乱してしまい難しいということは否めない。
ケータイひとつでなんでも買うことが出来るし、どこの場所からでも色々なものにアクセスできる超絶便利な時代だ。
つまり、何かを極めようと思った時に、それを邪魔する障壁がとても多いのだ。注意散漫の障壁ということである。
だからこそ、これからの時代、同じことを続けられるということはひとつの優位性を持つことになるであろう。
なぜなら、同じことを続けるということは、そのことを好きでないと続かないし、逆にいうと好きで続けていれるからこそ、ただ仕事としてとか、ただお金のためとかいうモチベーションで向き合っている人から比べてそれだけで優位性がある。
「好きこそものの上手なれ」という諺は言い得て妙だ。
諺という真理に近い言葉集はそう考えるとすごいと改めて実感する。
そして、「個人 × 継続性」が、これからの世界で信用度を増すひとつのフィルターになる。
話を最初に戻すと、
色々と興味に沿って手を出していくこと自体は悪いことではないが、それでは一向に何も成長しないまま時間ばかりが過ぎてしまう。
成果を出す為には、先の見えない地道な取り組みを日々コツコツと続けられるかどうかが最も大事なことである。
そしてふと気がついた時に、いつの間に?といった形で花は成熟し咲き誇ることが出来る。
植物を育てていると、最初の球根を植えた時点から、芽が出て、茎が伸び、実を出して、花を咲かせる段階で、球根を植えてから芽が出るまでは、何も変化がない為に、そしてこれが本当に育つのか目に見えて分からない為に、不安に駆られることが多い。
しかし、そこから芽が出て、茎が伸び、実を出すまでの間というのは、気がついたらグングングングン成長して、あっという間に花が咲いているまで成長している。
この球根を植えてから茎が出るまでの過程をいかに自分を信じて続けられるか、そして、実が出て花が咲いても、何変わることなく愛情を注いで育てることが出来るかどうか。
ここが大きな変化につながるかどうかの境目である。
植物を育てるのが難しいのと同じように、自分の成長マインドを育てていくのも簡単なことではない。
ひとつだけ言えることは、日々の積み重ねなくして成長はないからこそ、いかに芽が出ない時期でも自分自身を信じて続けていくことが出来るかということが、その人に才能があるかないか以前に最も大事なことである。