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「今、此処に在ることに感謝」 #15
人は自分の視野の中でしか生きていけない。
今、「あいつはなんでこんなことすら出来ないのだ!」とポジショントークしたところで、それと同じレベルで自分よりも能力の高い人に比べれば、自分もなんでそんなことすら出来ないのと思われているということは往々にしてあることだ。
つまり俯瞰してみると、自分がピラミッドの上層にいる世界観で生きている人も、もっと大きなピラミッドの中に当てはめた時には、その一員でしかなく、その規模感によっては、ピラミッドの最下層ですらあるわけだ。
先日 の『「今、此処に在ることに感謝」 #13 』 にて、
「横の他人と比較するのではなく、縦の自分と比較しよう」のところで、
「上を見ればきりがないし、下を見ればきりがない」
というのも、この枠組みの中で自分をどこに置くのかによって変わってくるんだよということを示唆している。
であるので、そこでの優劣というのは、結局のところ自分のスケール感をどこに持ってくるかによるわけだ。
ここで重要なのは、「あいつはなんでこんなことすら出来ないのだ!」というシチュエーションがきたときに、その相手のステージをどのようにしたらせめて自分のところまで持ってこれるかということであり、
その戦略を考える以外のことを思うことは無用である。
また人というのは勝手都合がいいもので、
例えば、「あいつはなんでこんなことすら出来ないのだ!」と思っている対象の人が、例えばメキメキと力をつけてきたりとか、自分にない才能によって自分の立場を脅かすような存在になってきたときに、その現実に向き合えない人は多い。
つまり、人間関係において、安楽な状態を保とうとするのが大概の人であって、自分の立場を脅かすような存在が目の前に現れた時に、それを賞賛できる人は本当に少ないように見える。
これは、そのポジショントークをしている人が、そのポジションに固執している場合にとてもよくみられる。
つまるところ、
自分の視野に固執することはとても危険なことである。
その視野を常に広げておかないと、自分自身のアッパーというのはそこの視野内に収まってしまうからだ。
それは、ある一定の成長をした時点でそこからの成長はなく、成長がないということは、結果的に衰退しかないということである。
自分の立場を過信して、ポジショントークをしていないだろうか?
人の振り見て我が振り直せで、常に気をつけておかないと、この罠には簡単に陥りやすい。
一度、様々なシチュエーションでの自分のポジションを確認した上で、もし過信しているようなことがあれば、その枠組みを少し広げて組み替えることをオススメする。
その現実を受け入れない限り、成長なき衰退のスタートラインをきってしまうことになるだろう。