人狼系ゲームの得手不得手
「人狼」や「Among Us」といったゲームをやったことはあるだろうか。
ある程度集まれば人数を問わず楽しむことができる、推理や欺瞞を中心としたパーティーゲームだ。
このゲームはとても面白いのだが、その反面、難しく感じるところも多い。
というわけで、普段からこのゲームをするわたしが、個人的にその難しさについて考察していこうと思う。
※完全に個人の感想です。
何が難しいか
要求される能力
まず、勝つために要する能力が単純に他のゲームと比べて多いことが挙げられる。
例えば、
・盤面を整理したり、議論を固めたりする頭の回転の速さ
・周りの挙動に対して要素を見逃さない洞察力
・見えない裏の意図を推測したり、相手の立場で考えたりする考察力
・発言で信用を勝ち取る説得力
・勝つための最善手を思いつく発想力
・盤面に応じて臨機応変に行動する柔軟性
など、まだまだたくさんあるだろう。
どのようなゲームでも以上のような能力を要求されることは間違いない。
しかし、人狼系ゲームではそれらがほとんど同時に発揮できなければならないというところが難しい。
さらに、ゲームルール自体が少し複雑であるため、盤面を整理すると一言で言ってもそのハードルが高く、日常生活では能力を持ち合わせている人でもゲーム中では発揮できないことがしばしばある。
勝つための立ち回り
次に、勝つために適当だとされる立ち回りがゲーム毎に千差万別であることが挙げられる。
確かに、ルールで決められた行動はいつでも同じで、「市民は人狼を特定して吊る。人狼は市民を食い殺す。」と至ってシンプルである。
例えばスプラトゥーンでは、相手チームをたおせばどのような試合でも大抵は勝つことができるだろう。
しかし、人狼系ゲームは、決まった立ち回りを淡々とこなせば必ず勝てるというわけではない。ミッションを上手くこなせるかどうかの勝負ではないのだ。
驚くことに、盤面によって真逆のことが良い立ち回りであるとされることもある。
・「人狼であることを隠し通すべき」↔「人狼であることを公表すべき」
・「サボタージュは直しに行くべき」↔「直さずに先にタスクをするべき」
・「インポスターと疑わしき人から離れるべき」↔「一緒に行動するべき」
刻一刻と変化する盤面の中でそれらを判断し、行動しなければならない。
役職・ポジションの非対称性
そして、役職やポジションが対称的に与えられていないことが挙げられる。
多くのスポーツやゲームは、プレイヤー全員がみな同じ行動パターンの中で技量を比べ、勝敗を決定する。
しかし、人狼系ゲームは、他のプレイヤーの役職もわからず、役職毎に行動パターンが異なるため、自分と自分以外で「目線」が異なるのである。これが最も人狼系ゲームで面白いところであり、難しいところであると思う。
この状況で勝つための立ち回りを考えるには、自分以外がどんな役職で、どんな目線で盤面を見ているかを考えなければならない。
嘘をつくこと
最後に、欺瞞のゲームであるからして絶対だが、嘘をつく場合がある。
特に人狼側になった場合は、常に自分が疑われないよう、かつ矛盾のないような嘘をつかなければならない。
嘘を上手につく人は、動揺せずに真実とは違うことを真実を織り交ぜながら、矛盾がないように話すことができる。
苦手な人は、単純に嘘が悪いことだと思っていたり、嘘をつくことに対して不安感や罪悪感を抱いていたり、延いてはバレない嘘をつけた経験が少なかったりする。
そういう人は無理に嘘をつこうとせず、真実を取捨選択して話すと良いかもしれない。
おわりに
たくさん難しいところを挙げてきたが、だからこそ人狼系ゲームは面白い。
上手くいかない中で、何とか上手くいったときに楽しいと感じるわけなので、結局は楽しければなんでもよいと思う。