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サービスの理解は改善への第一歩① サービス業におけるサービスとは

サービス業におけるサービスとは何か?

 サービス業におけるサービスは、顧客の要求に対して、報酬を目的として提供される物や役務を示します。顧客を満足させるという、奉仕的な要素も持ちますが、報酬を目的としない奉仕活動やボランティアとは大きく異なります。

 そしてサービスは、「顧客の要求事項と、事業者の提供事項の共通部分」で表すことができます。


サービス = 要求事項 ⋂ 提供事項

提供事項が不足

 提供する物や役務が顧客の要求に応えきれていないと、顧客の要求は満たされません。高い満足度を得られないばかりか、大きな市場を逃している可能性もあります。新商品の開発や新事業の展開など、的確な市場調査にもとづいた「攻めの戦略」を進めるのが良いでしょう。


顧客の要求に応えられていない状態では、攻めの戦略が必要

提供事項が過剰

 顧客の要求にそぐわず提供される物や役務が、いわゆる「過剰サービス」と呼ばれるものです。“サービス”とついていますが、顧客が求めていないので、本来はサービスとは言えません。単なる無駄な提供事項です。提供する物や役務の適切な取捨選択で、合理的なサービス提供を目指しましょう。「守りの戦略」が必要な状態と言えます。


顧客の要求にそぐわない提供事項は無駄。守りの戦略が必要

提供事項を要求事項に「寄せていく」

 顧客の要求に対し、的確に物や役務を提供できている状態が理想です。要求事項と提供事項のバランスがとれた状態です。


顧客の要求に無駄なく応えられている、理想的な状態

 サービス業のサービスは、決して無料奉仕ではありません。要求に対して物や役務を提供し、その対価である報酬が発生し、営業活動が成り立ちます。そして事業者は、提供事項は自由にコントロールすることができます。自分たちが提供する事柄ですから、増やそうが減らそうが、自由に操作することができます。足りない物は補い、不要なものを除きながら、自分たちの提供事項を顧客の要求事項に「寄せる」。これが、サービス業における、業務改善の基本となります。

 サービス = 要求事項 ⋂ 提供事項 、この式をしっかりと念頭におき、的確な改善の戦略を立てましょう。このコラムは②に続きます。

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