タイトル

隙間風がひらり、1人でいる暗い部屋、たまたま今日はビートルズの最後のアルバムを聴いていました。嫌だから酔っ払っていて、偉そうにお香の赤い点だけがこの部屋にあります。余計に最後になりました。平気で死ねました。
匂いのする赤い一点を見つめていると、「“もしも”株式会社」と自称する商人達が話しかけてきます。彼らは暗闇の中を得意げな顔で、捲し立てるように仕事をします。僕は名刺代わりに涙を流して、挨拶がわりに壁を見つめます。平気で死ねました。

彼らは、背筋を立てて片手には、黒いビジネスなバックを持って、沢山の“もしも”を話します。
かなり大袈裟な身振り手振りで。
「きっといつか良い恋人が」
「お父さんお母さん」
「友達が」
人間の一番強くて弱い場所を揺らしてきます。

もし、耐えられず布団の中に潜ることができれば、少しは自信を取り戻せたかもしれません。

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