H&Mで婚約指輪を買った話

その子、高校の同級生で当時は殆ど喋らなかったけど、現代子らしく携帯のやりとりは何回かしてた子、居たでしょ?そんな感じのなんとなくスクールフレンド、略してスクフレ。「酔ったときだけ連絡してこないでよ」のノリ。そして、俺その子とそんな喋ったことないのにCDとか貸してたっぽい。めっちゃ痛い。物貸して接点作ろうとしてんのめっちゃくちゃださい。これカッコつけて純文気取ってる髪長いやつのテンプレ、油に揚げてしまいたい過去(それ天ぷら)

恋じゃないけどなんか教室とか全校で集まった時に探してしまう女子生徒の1人で、その子が遅刻して自転車漕いでるとこを窓側日向ぼっこ番長だった俺は結構楽しみにしてた。自分で言うのもあれだけど窓側日向ぼっこ番長だったら天下取れる自信ある、世界一似合う、表情とかやばい、やる気ない目と頬杖の角度、座り方のだらしなさ、差し込む気怠い午後と本の陰翳。完璧。君はそれで飯食っていった方がいい。最後のご飯粒まで綺麗に食べたい。

んで、卒業してからもちょこちょこメールで三島由紀夫が太宰治が云々なんて批評家気取りのエセ討論みたいなのずっとやってた、人生論とかもカッコ付けあってやってた。たぶん美しく死にたいねって言った気がする、こんなのめっちゃ痛いけど、これはちんげ生える前から思ってたし嘘じゃないから大丈夫、馬鹿にされたってヘーキ、君はビョーキ。

待ち合わせは鈴木雅之のサングラスで5時みたいな場所にして、夏の熱気を押しのけ、セミよりうるさい電車でお支払いはスイカ。超夏。summer。鈴木summer之。また酔っ払ってしまった。話はそうめん流しのように落ちることなく途中で箸につかまって食われてった。

成人を迎えると結婚の話とかするようになってくるっぽい、俺も全然結婚してーとか言ってるし、みんなそうっぽい。と言うか俺は結婚より婚約がしたいってことにその時に気づいた。
かなり待望の一緒に遊ぶ機会で、今日までそんなに喋ったことなかったスクフレ(ただの同級生)に婚約したいって言うのかなりバカだけどそういうノリが一番バカそうでバカだからまじやべー。そんで、2人は居酒屋を出てすぐ安い指輪買いに行ったのであった〜。お互い指輪のサイズガバガバで全く2人の気持ちとか存在してないのメタってて丁度よかった。

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