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行政書士で開業はやめて、社労士から始めろって話

行政書士のTakaです。
行政書士試験に合格してどんな業務をやろうか浮足立っている皆さんこんにちは。
いったん落ち着きましょう。

実務経験がないのなら実務講座を買いあさって行政書士開業準備をするのはやめて、社労士試験の合格を目指しましょう。
もちろん、行政書士のこの業務しかやらないという決意がある人はこの限りではありません。

まず、あなた方が行政書士を最初に選んだのが間違いです。
行政書士は官公署の書類をお金をもらって作成できるので、有益な資格なのは間違いないです。
しかし、一番の問題は幅広すぎる業務と事務所要件などの縛りの強さです。


事務所要件でひと悶着

私は行政書士会と事務所のことでひと悶着ありまして、かなり不快となっております。
特に明文化されていない事務所要件。単位会(県ごと)の担当者が審査して、単位会の役員の決裁を通る事務所にして、さらに連合会に投げる。
明確な基準は出されておらず、担当者は役員の決裁を通すために厳しめの審査をする可能性があります。
こういった事情が県ごとで事務所要件の違いが出てくる背景にあります。

私もどうして事務所でこんなにも時間とお金と手間がかかるんだとものすごくイライラしています。
一方で、事務所が変わったのに手続きをしなかった人など懲戒案件として時々乗っていますね。
だから、気軽に考えることが出来ません。

バーチャルオフィスでの開業でとりあえず名乗るだけの行政書士が増えるのを阻止して質の向上を図る目的があるとは思いますが、役所以上に融通か聞かない印象があります。
要件を明確にして裁量による判断を無くしてしまえばいいのにね。

社労士を進める理由

行政書士を開業してから社労士の勉強を始める人がいますが、順番が逆です。
社労士で開業してから行政書士を取るのが正しい順番です。
行政書士を取って開業して、社労士のダブルライセンスを目指している人、私は本気で止めます。落ち着いてください。

行政書士は資格取得をすればいろいろな業務が出来ると思われがちですが、できないものをあります。
そう、入管への申請取次業務です。
私は開業して申請取次をメインにしてそのスペシャリストになろうと2024年8月に決意しました。
タイミングが悪く申請取次の研修会(ピンクカード取得に必須)受講が遅れてしまいましたが、2024年2月中旬いまだにピンクカードが来ていないので、申請取次業務が出来ません。営業だって出来ません。
実際に相談が来たら困ってしまいます。
もし、研修会のタイミングが合ったとしても最低で4か月以上はかかります。
そのくらい行政書士会の手続きスケジュールは遅いのです。
事務所を借りて意気込んでいたけど、業務がまともにできない。(はい、私です。)こんなことになりえます。

ほかの業務だって、もちろん簡単ではありません。
片手間に手引き見ながらちょちょいのちょいで出来るものではありません。
専門家として名乗りたいのならばですが。(安い事務下請けやるならいいですが、、、)

そして、実務資料の不足により自分で学ぶこともなかなか難しいのです。
それを食い物にする業者がかなりいるので注意が必要です。


社労士の場合

社労士の先生で同じ時期に始めた方がいるのですが、その方は机貸しのレンタルオフィスで開業は出来たと言っていました。
もちろん、事務所要件はしっかりと確認したとのことでした。
月1万円のオープンな固定机で問題なく開業できる社労士(県ごとに違いがある可能性があります)
とてもうらやましいです。

そして、社労士の業務は行政書士と違ってかなり明確なものです。
もちろん、その中で給与計算をメインにする方や年金をメインにする方など得意分野は分かれますが、一貫した業務範囲があります。
そして、企業顧問契約も取りやすいのです。
また、一般企業向けに労務の書籍はかなり充実しているので、最低限の知識を得るために高額な実務講座を購入する必要もありません。
専門的な資格試験と一般書籍だけ基本的な知識はカバーできるはずです。
行政書士は最低限の知識が分からないから悪質なヒヨコ狩り講座があり続けるのです。
そして、みんな騙されたというのが嫌だから、評判の悪いレビューが表に出てきません。

ロードマップ

顧問になった企業から範囲外(行政書士分野)の手続きの相談が来ることが増えると思います。
収入が少ないうちは知り合いの行政書士に流しましょう。
そして、ある程度収入が増えてきたら、ここで行政書士事務所を併設することを目指します。
今までの机貸しのレンタルオフィスではどの県の行政書士会でも通りません。
なので、そこでしっかりとした個室レンタルオフィスなどを検討しましょう。毎月6万円くらいは必要となりますが、社労士の事業で収入が得られていれば問題ありません。
従業員を雇うかどうかで事務所を考えてもいいでしょう。

そうすれば、社労士として顧問になった企業から行政書士分野の手続きを受けることが可能になります。

ここが行政書士の活かしどころです。
行政書士単独でゼロから開業は茨の道ですが、別の士業から始めれば行政書士の資格は心強いものとなります。(事務所要件は大変ですが。)

ダブルライセンス志向なら社労士から

司法書士も税理士も弁護士も難しいです。
でも、社労士なら行政書士に受かる力がある人なら無理な資格ではありません。
まだ、資格取得前で悩んでる人はまずは社労士を目指しましょう。
行政書士は後からでいいです。
いや、後からがいいです。

もちろん、外国人関係だけやりたいみたいな強い意志があれば行政書士の方が利点(申請取次者になれる)があるので、行政書士から進めた方が早いです。が、申請取次の資格を得るために行政書士を登録してから手続き完了まで最短で4か月程度。
その間、帰化以外の外国人業務は出来ないに等しいので、やる気はあるのに何やってんだ状態になってしまいます。(私のこと)
だから、外国人分野も社労士から始めるのは利点があるかなと思っています。企業からの外国人関係の労務相談があるので、そこから申請取次業務に繋げることだって可能です。

最後に

行政書士開業は早まるな!!
社労士からミニマルで始めたまえ!!
行政書士の自宅開業はお金がかからないし、要件の審査も甘めな感じがしますが、信用が低いから最初の人はおすすめしない。事務所というよりただの自宅の一室になりがち。
自分に信用がつけばどんな場所でも仕事は来るだろうが、自宅兼事務所だから断られたという話も聞きます。
戸建てで離れとして事務所併設できるのが理想かなと思いますが、大半の人はそれは難しい。特に都市部。

以上


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