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確定申告のための会計入門 アナログ回帰
アナログに強いTakaとしては、電子式卓上計算機を使わずに事務処理をしたいと思い、そろばんを購入したのですが今のところ出番はありません。
皆さん、個人事業の会計処理をどうやっていますか?
クラウド使えば税理士に頼らず自分でラクチンなんていまだに言ってる人はいないと思いますが、どんなやり方で日々の取引を記録して、そこからどうやって会計ソフトに入力していくのがいいのでしょうか?
私はパソコンすら持っていないお客さんに直面し、どうやるのがいいのかいろいろと考えてみました。
最後に日々の経理から会計帳簿作成の流れを説明した簡単な資料(といっても結構実務的)を有料記事で配布します。
かなり詳しく私の経験を詰め込んだ記事はまだ完成しそうにありませんが、一旦簡潔な資料を作ったので、アナログな私が会計業務を組み立てることについてこの記事では書いていきたいと思います。
アナログ回帰
特にクラウド会計に文句を言いたくてアナログ回帰をうたっているわけではありませんが、最近の経験からアナログの方がいいなと思うことがあったため、回帰している状況です。
行政書士会にFAXを送ろうと思った時のことです。
もちろん、送付書と本紙1部ずつ計2部を送付する予定で、送付書を作ろうと思いました。
あの時送付書作ったなと思いだして案件フォルダに入っていくか、それともネットでそれっぽいのを拾ってくるか、ワードの新規作成テンプレートで何か探すか。
迷いました。
ネットはユーザー登録必要だったり想定と違うことが多いから、とりあえず過去のやつを流用しようとしたら、見つかりません。
あれこれ探すうちに面倒になって、手書きで送付書を書くことにしました。
本紙も手書きの部分があったのでちょうどいいやとおもっていたのですが、それをまたPCに取り込んでメールかインターネットファックスで送付。
めんどくさすぎる。
普通のFAXだけあれば、FAXの送付書(未記入)を何部も常備しておいて、手書きでFAXに流せば一瞬じゃんと思ったわけです。
ちゃんとフォルダ分けして、空欄の送付書をデータで用意して、効率的にやれば、、、という意見もあるでしょうが(実は昔はそっち側の人間でした)、やはり紙に直接書いた方が早いことが多いです。
出来の悪いワードファイルを探して、さらにレイアウト調節なんてしてたらFAX送るだけで5分も10分も掛かってしまいます。
伝統的に日本企業はワード使いが少なく、質の悪いワードファイルが多いです。
下手に何でもかんでもデジタルにするよりもアナログの方が利点が多いと思った瞬間でした。
もちろん、大量の宛名を書く必要があったりすればデジタル(というよりソフトの機能)の方が利点がありますが、どれだけの個人事業主さんがそんなことを必要としてるでしょうか?
年賀状も出さなくなった人が多いですし。
そろばん購入
そんなこんなでそろばんまで購入して、アナログ視点で考えるようになりました。
そんな時に記帳代行の相談にお客さんが来ました。
パソコンも持っておらず、何もわからないということです。
そういった状況からどうやって会計業務を組み立てればいいのでしょうか?
ミスターアナログの私の腕の見せ所です。
PC持ってない人の会計業務の選択肢
クラウドソフトでスマホだけ使ってやりきる
税理士事務所に丸投げ
パソコンを購入して自分でやる
こんなところでしょうか。
まずクラウドソフトの選択肢は止めた方がいいです。
何も知らない人がソフトのガイドに従うだけでしっかりとした帳簿が出来ることはありません。
複式簿記を意識させないものも出てきているようですが、複式簿記という素晴らしい仕組みを利用者から取り上げるという愚行だと思っています。
税理士事務所に丸投げが一番可能性が高い選択肢だと思っています。
税理士事務所に丸投げすれば、こちらはレシートを丸投げするだけで税理士のパソコンで帳簿を作ってくれます。
こちらはパソコンを持っている必要がありません。(TKC以外)
栃木計算センターのソフトを使っている事務所だと、お客さん自身に会計入力してもらうので、結局パソコンが必要になります。
税理士に丸投げするデメリットは結構なお金がかかるということです。
安くて10万円、記帳代行もすべて丸投げだと20万円くらいかかる可能性もあります。
時期も忙しいときに初めてのお客さんで丸投げ一括を頼むと嫌がられます。
場合によっては特急料金を取られる可能性もあります。
その後、顧問契約となれば月々1万~3万円くらいかかります。もちろん決算料金と申告料金は別で掛かります。(割引されることが多いです)
最後、パソコンを買って自分でやる。
これが一番安上がりです。
パソコンも電気屋に行けば10万円くらいの日本製パソコンを進められるでしょうが、中古で2万円くらいのパソコンでテンキーがあればなんとかなります。
会計ソフトも一番メジャーな弥生の青色申告(デスクトップバージョン)で14,000円ほど。
私のおすすめのジョブカンDesktop青色申告はアマゾンの値引きで6,000円弱で買うことが出来ました。とにかく安い。使用感は弥生。
※私は弥生の青色申告オンライン(クラウドバージョン)では絶対に仕事を受けません。あんなひどいソフトは初めてです。
会計業務を自分でやってミスの責任を自分で引き受けられるのなら自分でやるのがおすすめです。税理士に頼んだからってミスがなくなるわけではありません。
やり方さえ覚えてしまえば来年以降も自分でやればいいだけです。
収入が増えて年間1,000万円を超えるようになったら税理士さんに一度見てもらうのもありかもしれません。
消費税が絡んでくると気を付けないといけないところが結構出てきます。
自分でやる場合
パソコンを買って自分でやる場合、正直どうやってやればいいのかわからないと思います。
レシートをただ単に打ち込めばいいのか?どうなったら完成なのか?
何も知らない人が帳簿を付けて、会計ソフトに入力することを考えて、どうするのが一番やりやすいのか?
アナログな視点を交えて考えてみました。
会計ソフトは必須
伝票などのアナログ処理は会計入力までの稟議が必要な大きな会社ならいいかもしれませんが、小規模の個人事業主の場合はやりすぎです。
会計ソフトにそのまま直接入力していってもいいのですが、今の会計ソフトはよくわからない初心者用ガイドがありすぎて何をどこから入力していったらいいのかわからなくなっています。
日常取引みたいな初心ガイドは初心者を惑わせる一番の原因です。
それをなんとなく使って会計入力したらほぼ間違いなくぐちゃぐちゃな会計帳簿の出来上がりです。
何もわからない状態から会計ソフトへの直接入力は難しい。
ということは、何をどういう形で何に向かって入力していけばいいのかを資料として示してあげればいいわけです。
具体的に言えば現預金出納帳ですね。
預金出納帳は通帳記帳で記録されているのであえて作らなくてもいいです。
そのままインポートしたい税理士はエクセルに作れというかもしれません。
現金出納帳はマストです。
事業主勘定と預金からの引き出しなどに注意して、現金出納帳を作ってもらい、毎営業後にしっかりと事業用現金と残高を合わせるようにしてもらいます。
現金勘定を整える仕訳テクニックがありますが、それは最後の手段。
ちゃんと見える形で現金出納帳を作成してもらいます。
あとは売上帳
特にフォーマットが決まっているわけではないですが、売上を見逃さないために必ず作成してもらいます。
売上が通帳に直接入る場合であっても、預金勘定上で計上された売上高の合計額と売上帳に記録した売上高がしっかりと合っていることの確認が必要です。
場合によっては売掛帳・買掛帳
このあたりを紙で作成してもらえばいいのではないかと思います。
なぜ紙かというと、パソコンではいちいち起動するのが面倒で、ついつい後回しにしてしまうからです。
何回もやり忘れてしまうとずっと放置してしまいます。これは仕方ないです。
そうならないためにも、紙の帳簿を使ってすぐに記入するということが有効となります。
普段からパソコンを開く習慣がない人に、毎日パソコンでソフト開いたりエクセル開いたりして帳簿をつけろというのが無理ってものです。
紙の帳簿が完成したらかっこいいバインダーに収納しましょう。
私もコレ欲しいけど欲しいけど お金がない。(織田裕二)
紙の帳簿が完成した後は?
そのまま会計ソフトに入力して資産科目と負債科目の残高が合っているかどうか確認します。
合計残高試算表が見やすいので、その資産科目と負債科目が通帳や出納帳などの残高とぴったい合っているかどうかを確認します。
合っていたらこれで1年分の会計帳簿は完成です。
レシートの入力が合っているかどうか再確認が必要なのではないかと思われるかもしれませんが、BS(貸借対照表)の残高が合っていればPL(損益計算書)の内容も合っているので(これが複式簿記の仕組み)、入力ミスの再チェックは必要ありません。
ただし、消費税の本則課税の事業者の場合、それぞれの仕訳に入力した税率から消費税の計算を行うため、税率の入力チェックを行う必要が出てきます。
決算整理仕訳
1年分の入力が完成してもまだ完成ではありません。
決算整理仕訳が必要となります。
発生主義のために未収の売上を当期に計上したり、未払分の経費を当期に計上したり、前期末に計上された仕訳の期首振替したり、減価償却費を計上したり、貸倒引当金を計上したり、家事按分したりetc、仕入が必要な事業だったら棚卸したりetc…
色々と調整して再度、合計残高試算表の最終的な残高と想定しているBS科目の残高が同じであることを確認してこれで完成となります。
決算書
メジャーなソフトなら決算書への自動連動が出来ますので、それで出力された青色決算書(または白色収支内訳書)を使用してやっと確定申告を行うことになります。
終わりに
どうでしたか?
クラウドソフト使えば素人でもこの処理を簡単にちょちょいのちょいでできそうですか?
多分無理です。
もちろん、理屈を分かって開発されていると思うので、それっぽい会計帳簿は出来上がるようです。
あくまでもそれっぽい。
使う側が理解せずになんとなくガイドに従ってきれいな帳簿が出来たらそれは本当に税理士いらずです。
でも、実際はそうでもない。
freeeでもマネーフォワードでも、簡単といいながらわかりやすい仕訳解説サイトがどんどんと充実しています。
つまり、結局は自分で調べて処理しろってことです。
あくまでもそれを分かったうえでなんとなくクラウド会計任せで会計帳簿を作り続けるのも一つの選択肢ですし、伝統的な会計ソフトを使って複式簿記や税務を調べながら自分でやってみるのも一つの選択肢です。
税理士に丸投げでなくても、決算整理後のチェックから税務申告までお願いするのもまた選択肢の一つです。
全部丸投げももちろん選択肢の一つ。
ご自身の懐具合や普段から経理に割ける時間なども考えて、選んでみましょう。
以下は有料ページとなります。
この記事で書き綴ったことをPDF資料としてまとめてあります。
それがダウンロードが可能です。この資料を作ってから無料部分の記事を書き綴ったので、同じ内容をコピペしただけのものではありません。
コメント欄で質問疑問などがあれば資料も追加していきます。
お客さんに渡そうかなと思って作ったものです。
お客さんの反応によってブラッシュアップしていきます。
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この記事では流れや基本事項を重視していますが、さらに踏み込んだ内容は近日公開予定の有料記事を参照ください。
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