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妄想癖のある僕が、地球のことを考えていたら、誰にも相手にされないけど、一生懸命話している女性の姿が浮かび上がってきた。

「なんで女性が一人で演説をするような姿が浮かんできたんだろう」と考えていたら、そのモデルがわかりました。

それは銀河英雄伝説のジェシカ・エドワーズです。
婚約者を戦争で亡くし、反戦運動の中、殺されてしまう女性です。

※銀河英雄伝説は民主主義が、時に最悪の結末を迎えることを目の当たりさせてくれるエンターテインメント小説です(アニメ化、マンガ化もされています)。
人名辞典まで出るぐらい沢山の人々が出てくる群像劇です。
面白いので、読まれていない方は是非!!

ということで、妄想の中でできた一人の女性の演説物語をお楽しみください。

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20XX年、1人の女が通りで皆に語りだした。
「皆さんは、今のままでいいと思っているのでしょうか?
今、住んでいる地球は、人類が自らの欲望のためにつけた痕跡によって覆われています。
大量生産、大量消費、そしてそのための膨大なエネルギーの消費。
そのすべてが、この地球の表面に大きな変化をもたらしました。
昔は夏がこんなに暑かったでしょうか?
日傘がなければ、歩くことが危険だと言われるこの時代は正しいのでしょうか?
田畑にまいた水がすぐに枯れ行く異常な熱波の発生が正しいのでしょうか?
数十年に一度といわれていた大型台風が毎年、何回もくるようになってしまった。
なぜなんでしょうか?
2050年までに海面上昇によって1.5億人の人々がすむ地域は高潮の時に、水の中に入ってしまうんです。
普通の生活ができなくなるんです。
そこに住めなくなった1.5億人はどこにいくんでしょうか?
わずかに残された大地を奪い合うことになるかもしれない。
海岸沿いを走っていた道路や、線路は水没し、人々の移動が難しくなる。
そうすると、水没しない地域の方々でさえも、便利さをもとめて移動をはじめてしまう。
それを非難することはできるでしょうか?
一方、広い地域で干ばつも起こっています。
土地がやせ細り、わずかに残った水資源は気づけばビジネスチャンスに変えられてしまっている。
干ばつさえもビジネスになってしまうんです。
干ばつに強い遺伝子組み換え作物もきっと販売されます。
いや、実はもうできていて、それを食べているかもしれません。
大地に豊富にあった水はなくなり、水があるのは海の中だけ。
そして、その海水を飲み水に変える設備がどんどん売られていく。
ハリケーンで壊滅的な状態になった地域がいつの間にかリゾート施設ができて、富裕層が楽しんでいる。
その開発が復興支援という名目で進められたにもかかわらず、ビジネスチャンスに置き換えられてしまうんです。
こんな世の中でいいんでしょうか?」
この1人の女性の語りかけに、誰も耳を傾けようとしないまま、人々は彼女の前を通り過ぎて行くのでした。

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