星をめざして考察【我儘なまま】
7/22,7/23、シャイニーカラーズ初のソロパフォーマンスライブ『我儘なまま』が開催されます。
それにあたって、自分の解釈をこのnoteに纏めておくこととします。
これが遺言にならないことを祈っています。
でも多分ダメだと思うので誰か武蔵野の森スポーツプラザに散乱してる骨は拾っておいて下さい。
※当然のことではありますが、これは私の解釈になります。かなり主観が入っているのでご注意を。
あとゴリゴリにTRUEの話とかネタバレしています。自重はしてません。後悔もしてません。
芹沢あさひと空と星
ステージと空
あさひが空や宇宙と絡めて語られることが多いのは皆さんご存じのとおりですが、あさひのコミュの中で暗喩として、ステージが空に例えられることが実はとても多いんです。
W.I.N.G.編での初ステージ前の話にも、
シナリオとしては最新のLanding Pointのライブ前の話でも。
「見上げた宇宙に躍る光」という歌詞が街頭モニターのことを指しているのではないか、というのは方々で語られ尽くした話題だと思いますが、ダブルミーニングとして「見上げた宇宙→ステージ」「躍る光→アイドル」という意味もあるのでしょう。
W.I.N.G編全編で言えることですが、他のアイドルのパフォーマンスにも興味を示すようになり、勝ち進むことよりも他のアイドルを見ることに対する喜びが強いように見えます(決勝までは)。
決勝の後は、自分自身がキラキラになることを目標としてくれます。今見ると、この時点であさひは色んなものに気づいていたんだなぁと深々と頷かされます。
気づくのが遅れてごめんな、あさひ。
向こう側
『向こう』と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
自分は、今聞くと真っ先にこのコミュを思い浮かべます。
星をめざして、という曲はS.T.E.P.実装から1年半以上前に発表された曲ですが、S.T.E.P.のコミュと恐らく連動しているんじゃないかと思います。
曲全体の中で、この1番Aメロだけが過去形を使っているんですよね。
つまり彼女がアイドルになった地点から歌っている視点です。
この部分がS.T.E.P.及びW.I.N.G.を指し示しているんじゃなかろうかと愚考しています。
シナリオが先か、楽曲が先かは分かりませんが(個人的にはシナリオを元に楽曲が描かれていたら素敵だなぁと思います)。
真実は下地悠さんと運営陣のみぞ知る、ですが実際にそうであればどれだけ緻密に描かれているんでしょうね。
S.T.E.P.編で感じたことですが、もしもフェンスの向こうに行く方法を一緒に考えてくれる先生が学校にいたら、彼女がこの歌を歌っていることはなかったかもしれません。
あさひ、出会ってくれてありがとう。
初聴時の違和感
実は、この曲が発表された時にはあさひのソロ曲としてはピンと来ていませんでした。
理由は主に2つあり、そのうちの1つがこの部分(もう1つは後述)。
あらゆる未知に興味を持ち、コロコロとその対象が変わるあさひに対して『いつの日か』という長い目で見る単語が、うまく結びつかなかったんです。
特にこの時期、あさひに対して「いつか急にアイドルに興味を失ってしまうのでは」と不安を感じていたこともあり(今は全くありませんが)、喉に引っ掛かった小骨のように感じる歌詞でした。
事実、興味が移ろいやすいのは周知の通りであり、他のものに対しての興味とアイドルに対しての興味の違いが、自分の中でうまく消化できていませんでした。
シャニPに対しての執着も、新しいキラキラを持ってきてくれる人だからなんじゃないかなと思っていました。
言葉十分とは言わないまでも、あさひは今見ると端々で意思表示してくれていたのにこんなメモ残しているの、切腹ものです。
とりあえず土下座しとく?
星
実は、先ほど述べた違和感、一番大きかったのはここなんです。
というのも、あさひは空と関連してのお話が多いということだったのですが、登場してからこの曲が出てくるまで(なんなら今現在まで)、星に関連するコミュは存在しません。(多分……恐らく……そのはず……)
夜を舞台にするコミュは多数あれど、メインとして扱われるのは日中の空。青空、雨空、曇り空、夕焼け空。
だから、星をメインに据えた楽曲が自分の中でしっくりこなかった。
今思えば空とキラキラというキーワードなんて星以外の何物でもないのに、結び付けられなかったのはあまりに視点が狭かった。空と青とアイツが好きすぎて青空しか思い浮かべられなかったの、人の思い込みの強さを感じてしまいます。
また、星というものを『アイドル』であるという断定ではなく、『興味のあるもの全般』と考えていました。なら、なりたいのは宇宙飛行士で然るべきでは?と。
この時点で、あさひにとってアイドルとは替えの利かない唯一無二のものだったんですよね。この時期にあさひに全幅の信頼を置いてオールインしてた方はマジで慧眼だと思います。俺は信じ切れてなかった。
この後に実施されるイベント『The Straylight』、プロデュースSSR『Housekeeping!』、シナリオ『Landing Point』、プロデュースSSR『Howling』でアイドルが、ストレイライトが、プロデューサーが特別であると、あさひは分かりやすく言葉に、態度に示してくれるようになります。
もしかしたら、別のところで一緒に歩んでくれる人がいたら、あさひにとっての星は違うものだったのかもしれない。
それでも、ストレイライトが、プロデューサーがいる限り、あさひにとっての目指す星、なりたい星はアイドルなんです。
あさひのらしさの詰まった歌詞
まさかの2番で自己紹介
締めくくりみたいな雰囲気になりましたが、終わりません。
ここまで付き合ってくださった方はありがとうございます。でも終わらないので最後まで読んで。
初めて聴いたとき、ここで度肝を抜かれました。
1番がS.T.E.P.編、W.I.N.G.編を著しているのではないかというのは前述した通りですが、それでは2番はなんなのか。
自己紹介なんですよね。
テンポや拍子の目まぐるしい変化は言わずもがな、自分では気づいていなかったのですがBPMが1とか2とか変化しているようです。
楽曲としての異様さはこちらの記事を読んで頂ければ分かるかと思います。たまたまネットで検索してお邪魔させて頂き、唐突なDMにも快く応じてくださった聖人様の素敵な採譜記事です。
こちらの記事でも語られている怒涛の拍子変化に乗せられて歌うのが、あさひの自己紹介です。
もうね、天才かと。いや、初聴からしばらくしっくり来てなかった奴のセリフじゃないんですが。
好奇心が抑えきれずにすっ飛んでいく様子を端的に、的確に表している歌詞、それに前述のリズムが加わって、初めて知る人にとっては掴みどころのないあさひのことを、4行で自己紹介させてしまうこのAメロ。
もうね、天才かと。(二回目)
『月でウサギと無重力ダンシング』という単語の無秩序さも、あさひの煩雑とした思考(あさひ以外からしたら)を表現するのに最適です。本人からしたら全て必要だけど、他の人間からしたら首をひねってしまうこの感じ、とても好き。
そして、これを2番にぶっこんで来るという発想力に脱帽です。いや、1番に入れると楽曲的に纏まりづらくなってしまうのは分かるけど構成エグい面白くない?
あさひの想像力は無限大です。雲を何かの形になぞらえてみるなどは勿論のこと、小さくなって自販機の中に入ってみたいと考えたり、
気付かれたかったから植物が動いたと考えたり、
色んな未知に興味を持ち、想像力を膨らませる姿は正しく子供なのですが、あさひは理知的で理論的に思考を組み立てることも多く、その二つが相まって無限の可能性を感じさせてくれます。
お前は何にでもなれるよ、信じてる。
理論的だからこそ
先ほども言った通り、あさひにはかなり理系チックな考え方をする側面があります。特に自分の分からない理屈については答えも過程も聞きたがります。どちらかだけでは納得しません。
逆に、答えに辿り着いたものに対しては頓着しない淡白な一面もあります。
そんな彼女が言う『考え方次第で 結果は変わるでしょ』っていう言葉、あまりにもワクワクしませんか?
中学生ともなれば色んなものに触れ、考え、世間一般的に言う『常識』が出来上がってくる年代です。そんな中、あさひはあさひのままで、この言葉を歌ってくれるんです。ほら、ワクワクしてきた。
そしてここで言う『星』、これはアイドルではなくド直球に星なんだと思います。言い換えるなら可能性。何にでもなれる可能性を信じているんだから、それはどんなことだって叶うでしょう?
誰かに対してということ
この曲、個人的には少し先のあさひの曲なんじゃないかなと思っています。
あさひにとって誰かに見られるといった行為が重要視されているのは既に描かれているのですが、
あさひが双方向の感情の行き来に興味を持つ、楽しさを見出すというのは時系列としては最新共通シナリオであるLanding Pointで描かれたものであり、不特定多数の『誰かの気持ち』を考えるということについてその後大きく言及されたことはないんです。ただ一人を除いて。
そう、プロデューサーです。
Landing Pointにおいて、PにはLP以前から既にあさひからの音が返ってきている(こう表現するしかない、読んでない方は今すぐ読んで)という表現がされています。
つまり、『あさひが意図して』誰かの気持ちを動かそうとしているんです。
歌っているのが少し先のあさひなんじゃないかな、と思わされたのは特にこの部分です。『たくさんの誰かを 幸せにしたい』という指向性が、今のあさひにはまだ見えなかった。
しかしただ1人、プロデューサーに対してだけはプロデュースSSRで真っすぐに見つめてくる姿が見て取れます。
勿論ストレイライトの2人に対しても同量の感情はあると思いますが、どちらかというと好敵手としてと友人としてのものが大きく、幸せにしたいという感情の純度で言えば少し違う気がします。
少しだけ話は変わりますが、個人的に好きなお約束というのが、アイマスの中にあります。
太古の765ASの頃より受け継がれている伝統、デビュー当初から存在する1人のファン。
我々、プロデューサーのことです。
それならさ、もう既に1人のファンを幸せにしたいと思ってくれてるんだぜ?
世界中の人間を幸せにしたいと思ってくれるのに時間がかかるわけないんだ。
蛇足
最初の方に、星をモチーフにされたカードがないと話しましたが、もし今後、天体観測だプラネタリウムだといったカードが出たら、その時が命日です。
震えて待て。