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オタクに捧ぐ、偏見全開のオーディオ入門のすゝめ


1,まず初めに

序文

 オタクは良い音響を買え。これをもう10年ほど言い続けています。オフ会で会った友人には新しいオーディオをその場で聴かせるのが恒例行事になっていて、「この曲こんな音あったの!?」なんて言いながら騒ぐ友人をニヤニヤ見る時間が楽しい。
 お陰様で付き合いの長いオタクはある程度のオーディオを揃えてくれるようになり、これ良いよ!と薦めた次の飲み会で何人かがお揃いのイヤホンになるなんていう事態も発生するようになりました。

 オタクこそ良い音響を買うべき理由をいくつか下に羅列します。

・シナリオ中の発声や表現(声の微かな震えやニュアンス)を十全に聞き取れる
・楽曲の音の粒を明細に聞き取ることで、聞き逃す音を作らない
・作曲者や表現者の行間を読みやすくなる
寿命が延びる

 以上になります。

良くネタにされてる画像だけど、音楽の力を信じているからこその発言なので結構好き


 ただ、オーディオは値段が高いというイメージがつきもの。まだ触ったことのない方からすれば何から買えばいいのやら、という感想が真っ先に出るでしょう。
 ご安心ください。
 
今回はある程度値段を抑えつつ(2万弱~)、これから5年10年は戦えるスターターキットをお勧めさせて頂きます。偏見に満ちたおススメ理由も付属させて頂くので、参考にしたりしなかったりして頂けると幸いです。


本当にざっくりとした前提知識

 PCオーディオにおいて、必要なものはおおよそ3つになります。

・DAC(PCからの電気信号をイイ音に変えてくれる機械)
・アンプ(DACからの音を大きくして、イイ感じに味付けしてくれる機械)
・出力機械(スピーカー、ヘッドフォン、イヤホンのこと)

 最近はDACとアンプが一緒になっている製品も多いため、実際に買えばいいものはアンプ付きDACと出力機械の二つだけです。
 基本的にヘッドフォン畑の人間なので今回おススメするのは、スピーカー1本以外は全部ヘッドフォンになります。

 また、昨今のオタク産業における音楽は本当に多種多様に渡るため、強い特性のあるものではなく全体的に解像度が高い、オールラウンダーな製品をおススメさせて頂きます。

 よろしくお願いします。

2,結論スピーカー 『Fiio【SP3 BT-Black】』

 先ほど購入してもらうものは二つあると言いましたね?あれは嘘だ。こいつに関してだけは。

 最近発売された、中国の有名メーカーFiioのスピーカーになります。これがなぜ結論かというと、DACとアンプとスピーカー全てが内蔵されているからです。これ買うだけでPCからいい音が出ます。

 入力も、USB-CにBluetoothにミニプラグと全部盛り。Bluetoothコーデックの豊富さも嬉しい。

 音に関しては、音の粒がはっきりしていて台詞とBGMの分離感がしっかりあるので、シナリオ系のゲームも映画もOK。

 ただしお値段¥64,900。入門機にしてはちょっと高いですね……

 でも、もし余裕があって、0からスピーカー環境整えてみたいって方がいたら、現状は本当にこいつ一択だと思います。それぐらい全部盛り過ぎる。

全部盛りの図


3,DAC

 DACの入門機を何点か挙げていきます。

1,Native Instruments【KOMPLETE AUDIO 1】
¥11,800

狭義にはオーディオインターフェースの分類だけど、細かいことは気にしない

https://www.soundhouse.co.jp/products/detai¥l/item/261261/

 初めてこいつを聞いた時の感想は「価格破壊」です。

 元々Native Instrumentsは、プロも使用するような高級音源(ドラムが特に有名。多分)で有名なこともあり、それを前提に作られたDACのため本当に音が繊細です。

 私は実際に、こいつの一つ前のモデルを10年近く使っていました。本気で10年戦えます。

2,iFi-Audio【Uno】
¥14,300

 先ほどのNative Instrumentsは高級ソフトで有名ですが、こちらは高級ハードで有名です。
 そもそもこのiFi-Audioは高級オーディオメーカーとして名を轟かせていたのですが、ここ数年で突如として下界に降りて来ました。

 低価格でDACを買うならiFi一択という状況になっており、それは今もほとんど変わっていません。
 解像度がありながら、パワーのある音を出してくれます。余裕がある方はちょっとだけプラスしてこいつの上位モデルを買うのもおススメです。

 ちなみにどうやらこいつはiPadやiPhoneなどの携帯端末でも動くらしい。入門最適解か?

世界的に売れすぎて数年でver.3まで出てる化物機


4,ヘッドフォン

 ヘッドフォンを何点か挙げていきます。一本目だとしたらどれ買っても後悔しないと思います。

1,AKG【K240 STUDIO-Y3】
¥6,800

 音楽の都、ウィーン発祥のブランドAKGのエントリーモデルです。ヘッドフォン好きにこのメーカーを知らない人間はいません。
 セミオープンタイプのため、蒸れることも少なく長時間のリスニングにもおススメ。電車では使えません。周りに全部聞こえる。

 分類としてはモニターヘッドフォンとしても挙げられるものなので、音はとてもナチュラルでフラット。ただしリスニングに対して不適という事ではありません。自然な音を楽しみつつ、表現者の意図を聞き取るのにとてもおススメ。

2,ASHIDAVOX【ST-90-07】
¥9,020

 近年、秘かに話題を呼んでいる日本のメーカーASHIDAVOXから一本。
 スタジオや業務用ヘッドフォンが専門畑だったようなのですが、それを一般向けにブラッシュアップして発売されたヘッドフォンです。
 某有名オーディオメーカーと同等の部品を使っているとか使ってないとか……

 全音域しっかり鳴らしてくれる、再現性の高い音が味わえます。


3,SENNHEISER【HD25 Light】
¥11,500

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/212991/

 ここまで色々言ってきましたが、こだわりが無くてクローズドヘッドフォンが大丈夫な方であれば、一本目はこれを買ってください。
 ドイツの超有名メーカーSENNHEISERからの製品。ライブでのワイヤレスマイクや、最近ではワイヤレスイヤホンなどでもおなじみのはず。マイクについてはアイマスのライブでも使われていたことがあります。

 世界で一番有名なヘッドフォンと言っても過言ではありません。過言かもしれません。
 中低音の鳴りに艶があり、あまりにも出音が鮮やかです。もはや王者の風格すら感じる。オタクはどうせこういう音が好きです。

 この記事を書くにあたって久々に値段を見て、二度見しました。いや、マジで。


4,HIFIMAN【HE400se】
¥16,500

 ちょっとした変わり種として、アメリカのメーカーHIFIMANから一本。平面駆動というちょっと特殊な構造をしています。

 透き通った音、というものを味わうことが出来ます。高中音域の透明感については今回紹介した4本の中でも追随を許さないレベル。

 ウィンドチャイムの擦れる音や、ピアノのハンマーの音までくっきり聞こえます。
 最近のASMR業界は凄いと噂には聞くので、好きな方に向いてるかも。分からないけど。


5,終わりに

 この記事を見て、ちょっとでもオーディオに興味を持たれた方は是非、秋葉原のeイヤホンさんや中野のフジヤエービックさんに足を運んでみて頂きたいです。

 実際聴かなきゃわからないし、聴いたらどうせ買いたくなります。
 これであなたもオーディオ沼。




蛇足

 今私がメインで使っている音楽再生機器はFiioのR7というものです。

 まあまあいいお値段はするのですが、Androidも搭載している優れもの。
 こいつとヘッドフォンだけでApple musicを再生できるので、おうちに帰って即音楽を聴けるという環境を作れます。

 こいつを買った理由が明確に一つありまして、なんとApple musicはWindowsからだとロスレスを流せないんですね。Androidはロスレスに対応している。なんでだよ。

 早くWindowsをロスレスに対応させてください。Mac? 知らん。

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