映画「セブン・シスターズ」・・・七姉妹繋がりで。
ラヂオでも朗読された「七姉妹の滝」の話を友人としていたら、
「七姉妹と言えば、『セブン・シスターズ』という映画があるよ」
と教えてくれた。
早速、鑑賞。
「セブン・シスターズ」原題「What Happened to Monday」
舞台は、人口増加による食糧難、エネルギー難が進んだ近未来。
全世界的に出産が制限され、2人目以降の子供は、枯渇した地球資源が回復するまで冷凍保存されるという政策がとられている。
そんな中、セットマンという夫婦に、女の子の七つ子が生まれた。
「月曜」から「日曜」までの名前が付けられた彼女たちは、
冷凍保存を逃れるため、七人で一人の人間(カレン・セットマン)を演じ、
曜日ごとに入れ替わって外出し、生活と経験を共有している。
ある日、その中の一人「月曜」が、会社に行ったまま朝になっても帰って来なかった。
仕方なく順番で「火曜」がいつも通り出勤するが・・・。
という内容のサスペンス・アクション映画である。
同じディストピア映画で「SF赤ちゃんよ永遠に」というのがあったが
背景になる設定はほぼ同じである。
ちなみに「赤ちゃんよ・・・」も、地球環境の悪化による食糧難に対処するため、出産が完全に禁止された管理世界。その中で隠れて子供を産んだ夫婦の絶望的な物語である。
本当に暗い映画である。
だが、「セブン・シスターズ」は、同じ設定でもカラッとした明るさと、無邪気さがある。
現実には無理だろう、とツッコミを入れたくなる設定だが、
そのあたりを余り考えさせない、緊張感とアクションが
ふんだんに盛り込まれていて飽きさせない。
一日経過するごとに、画面一杯「MONDAY」などと文字が現れると、
ああ。この調子で、一人ずつ消えていくのかな、と勝手に先を読むのだが、
観客はどんどん裏切られていく。
それとタイトルだ。
「セブン・シスターズ」も分かりやすいが、原題の「What Happened to Monday」の方が、より深い内容を示す、と映画が終わる頃には思った。
実は昔、
双子がトラブルを巻き起こす短編小説を考えてみたことがある。
ところが、間違えられる、とか、同じ顔で他人が戸惑うとか、
ありきたりなエピソードが目立ってしまい、これは違うな・・・と思い、
そのままにしている。
同学年に双子も三つ子もいなかったため、実際のところを聞く取材する機会が無いのが、もう一歩筆が進まない理由だったのだが、
もし身近にいたとして、興味本位に話を聞かれるのは、
当の双子たちにとっては迷惑な事に違いない。
「遠隔地にいても相手の事を感じるのか?」とか、「同じような人を好きなるのかとか」「偶然同じ体験をすることはあるのか」といった類の質問をされると、うんざりするだろう。
双子について調べるうちに、双子を育てる時に
絶対言ってはいけない言葉がいくつかあると知った。
その一つが、「二人で一人」。
各人の自立性が損なわれ、人格形成に良くない影響を及ぼす、
というのが、使ってはいけない理由らしい。
なるほど、それは理解できる。
この映画のように、「七人で一人」という状況だったら、
精神に大きな負担を強いる事になるであろうから、
製作者はその辺の事を取材しなかったのか、逆に取材したからこそ、
エンターテインメント映画として作ろうと思ったのか。
その辺りは計りかねるが、レンタルもあるようなので、
機会がある方は是非、ご覧いただき、考えてみてほしい。
主演は「プロメテウス」などのノオミ・ラパス。
同じ見た目でありながら、個性の違いがあるという七役を演じている。
おわり
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