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「おんにこにこ その8」・・・不思議な言葉「アンケラソ」。
「アンケラソ」という言葉、御存知ですか?
この言葉を覚えたのは、
笑福亭仁鶴師匠の「青菜」であった。
「青菜」は、植木屋が仕事先の旦那と奥様のやり取りを
真似しようとして、失敗する噺。
「鞍馬から牛若丸が出でまして 名も九郎判官・・・」
「義経」
というやり取りが気に入って、自分もやってみたいとなるのだが、
その話をする前、帰って来た植木屋が、家にいた女房のお咲さんから
言われる言葉の一つ。
実際にはこんな感じ。
「今時分まで、どこのたくり歩いてけつかんねん、このアンケラソ!」
このセリフの調子がとても気持ち良くって
意味も分からず、逆に言われてみたいなぁと思ったのを覚えている。
「アンケラソ」とは「アホ」を罵倒する言い方らしいが、
これを聞いてから実際にどこかで使ってみたいと思い続けているが、いまだに使う機会がない。
皆がこう呼ばれるほどでなく、適当にお利口なのだろう。
有難いような、寂しいような、贅沢な感覚だ。
だったら、という訳で、自分自身をこう呼ぶ機会を作ろうと思う。
「初めまして。アンケラソの玉堂です」
使う機会は来るだろうか。
おわり
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