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「拾ったものは」・・・ちょっと気持ち悪い怪談。ご注意を。
C子に振られた日、僕は家の近くにある林の中で、古ぼけた人形を拾った。
家の高校の制服に似た服を着ているが、ボロボロで形も良くわからない。
人形集めが趣味の俺は、何となく興味が湧き、
その人形を家に持って帰った。
家に帰ると、最後に聞いたC子の言葉が思い出された。
「男のくせに人形集めが趣味の奴と誰が付き合うと思ってんの。ふざけないでよ」
陰で皆が、僕の悪口を言っているのは知っていたが、
好きだったC子に言われると頭に血が上った。
だけど、人形を眺めていると少し気が休まる。
汚れているけど、中々表情の良い人形だ。
離れの物置にあった箱に人形を入れると、縄で箱をグルグル巻きにした。親に見つかると、「又アンタはこんな汚いものを拾って来て」と叱られる。
後で奇麗にするまではそっと隠しておくことにした。
一週間後、僕は熱があると言って学校を休み、親が出かけたのを見計らって
物置に行ってみた。
人形を入れた箱はそのままの状態でそこにあった。
あれから誰も離れに来なかったようだ。
高まる胸を押さえながら、縄を解き、箱の蓋を外した。
中の人形は苦しそうな表情を浮かべて固まっていた。
僕は、箱の蓋に刺さって剥がれた生爪を剥がすと
血まみれの人形の手の指に戻してやった。
見開いた瞼を閉じてやった。
肌はもう冷たくなっていた。
僕は離れの床板を剥がし、
その床下に2メートルほどの大きさの穴を掘って箱を埋めた。
途中、前に埋めた箱を少し壊してしまったけど、気にしなかった。
きっと人形たちも気にしないだろう。
みんなおとなしい良い子たちだからな。
そうだ、新しい人形は、C子人形って名付けよう・・・。
おわり
ああ。やだ、気持ち悪いの書いちゃった。
あくまでフィクションですよ。
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