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「あの場所は、実在する」・・・40年以上思い続けた場所へ。



十年ほど前、芦ノ湖に行った。

実は芦ノ湖に行くのは学生時代から3度目だ。

それほど通うのには理由があった。
ある美術館のある場所から眺める景色を見たかったのである。


一度目は学生時代、友達と出かけた時。
その時は、到着したのが遅く、日も暮れて真っ暗だったので見られず、
翌日も出発が早くて美術館い寄れなかった。

二度目は、社会人になってすぐ、期待に胸躍らせて行ったのだが、
たまたま美術館が臨時休館していた。年に一度の展示物のチェックをする日だったのだ。

そしてそれから数年が経ち、三度目の挑戦をする機会が巡って来た。
晴天の5月。
開館しているのを事前に確かめ、遅くなって日没になったりしないように
諸々の時間調整を気にしながら、お昼すぎには美術館に着くことが出来た。


お目当ての場所は、展示スペースを通りぬけた最後にある。

ドキドキ高鳴る心臓を押さえながら、館内の展示物を一通り見て
ゆっくりとその場所に入っていった。

そこは、展示品の鑑賞を終えたお客さんが一服出来る場所で、
幅6m程の一枚ガラスという大きな窓越しに芦ノ湖が一望できる
10帖ほどの展望スペースになっているのだ。

その場所に立った時、私は思わず涙がこぼれた。

3度目の正直でようやく観られたという事もあるが、
そこが想像していた通りの眺めだったからだ。

「この場所からの風景を想定している」と言われるポジションは諸説あるが、この時に見えた気象状況などが、実にイメージ通りだったのでより感動したのだった。


・遠くに見える富士山。
・手前には静かな湖。
・そして右手方角には二子山。

その山の頂は、私の頭の中で後ろにスライドしていく。

私は、そのシーンとそこに流れる効果音を何度も回想し、
アナウンスされるセリフを口ずさんでいた。

「フォースゲイト、オープン。フォースゲイト、オープン。
オーライ。レッツゴー!」

♪♪♪♪


さて、ここまでお読みになって、お判り頂いた方には「ああ。あのシーンね」と共感して頂いたであろうが、知らない人には「何一人で盛り上がっているの?」という話になっていると思う。
すみません。素直に謝ります。今回はそんな個人的な話題です。
聖地巡礼の話なんです。


その後、私はその場で撮った写真を加工して航空機と排気煙を合成し、
名前を付けて保存しました。

写真の名称は・・・

「地球防衛軍 極東基地 ウルトラホーク1号発進!」

地球防衛軍 極東基地 ウルトラホーク1号発進!


                 おわり








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夢乃玉堂
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