「馬鹿は死ななきゃ治らない」「馬鹿につける薬」・・・最近ではもう死語かと思っていたが。
世の中に「○○馬鹿」と呼ばれる人種は数々ある。
親馬鹿、専門馬鹿、野球馬鹿、漫画にも「釣りバカ日誌」や「空手バカ一代」などがあるように、○○馬鹿とは、一つの事にとことん熱中する愛すべき人たちの事を指す。
単純に否定的なニュアンスだけではなく、それほど熱中するモノを見つけられなかった人からのある種の羨望も込められた言葉である。
そんな○○馬鹿に関する新しいコミックを見つけた。
かなりコアでニッチな層を狙い撃ちしている。
「カメラバカにつける薬」飯田ともき著 インプレス刊
とある医院に急患が運ばれてくる。
息も絶え絶えの患者は、何かを呟いている。
「ごじゅうみり えふいってんに」
医者は診断を下す。
「これはレンズ沼病ですね」
患者は重度のカメラ馬鹿だったのだ。
続いて医者は処方する。
「ナースさん 50ミリで明るいやつ投与して」
なんともカメラを知らない人には理解しがたいやり取りだろうが
カメラをかじった事のある人なら、
納得しながら爆笑する事間違いなしである。
とにかく、レンズやカメラの特性を、これでもかとばかりに
織り込んで笑いに変えている。
冒頭の「ごじゅうみり えふいってんに」なは、
画角50mmで明るさが1.2という比較的明るいレンズのこと。
こんな風にうなされる患者が次々登場するのだ。
毎回、非常に専門的なカメラ・レンズあるあるが展開する。
「このレンズは空気が写ります」
なんてセリフ、
中古のカメラ屋で聞かされた経験がある人も少なくないだろう。
そんなカメラ馬鹿の心に焼き付いてしまう作品である。
ちなみに、私が、一番納得したのは、
「残念ですが、レンズを買っても個性を買う事にはなりません」
という一言。
カメラ馬鹿の陥りがちな本質を突いている。
機材を買っただけで上手くなった気になる趣味人のなんと多い事よ。
カメラを知らない人でも、
その異常な世界を垣間見れて、感動?を覚えるかもしれないので
是非、一読してみて欲しい。
「カメラバカにつける薬」飯田ともき著 インプレス刊
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