【赤潮と青潮の話③】青潮の正体その②〜青潮と赤潮 各成分と関連性〜
船橋漁港の朝市委員会代表の内海金太郎です。
前回の記事では青潮の動き方のお話でした。今回は「青潮がなぜ悪いものなのか?」について、青潮の成分に焦点を当ててお話を進めます。同じ流れで赤潮の成分についてもお話します。
例によってタイトルの答えをざっくり言うと下記のようになります。
①赤潮のあとに青潮が湧くことがある
②青潮は“「無酸素 + 硫化物」の水のカタマリ”である
赤潮の正体
赤潮はプランクトンが大量発生している状態で、プランクトンが大量発生すると海が赤褐色(せきかっしょく)に見えるため赤潮と呼ばれます。
プランクトンの大量発生は魚にとってはエラにプランクトンが詰まり窒息死してしまう等の悪い面がありますが、貝類にとってはエサとなるプランクトンが大量にあるのですから悪いことではありません。
しかし、まれに「攻撃性プランクトン」と呼ばれる種のものが発生して2枚貝を毒化させてしまうものもあるので注意は必要です。
青潮は「無酸素と硫化物」(青潮・成分編)
硫化物というのは腐卵臭(ふらんしゅう)を発します。いわゆる「ゆでたまごのくさったニオイ」と呼ばれるアレです。いいニオイではないですよね。
無酸素は読んで字のごとく。海水中に酸素がないのは生き物にとってダメな環境ですよね。この無酸素の水のカタマリを無酸素水塊(むさんそすいかい)と呼ぶことがあります。
普段の海には酸素があるから生き物も生きているし、くさったゆでたまごのニオイなんかしないのに、なぜ青潮の水になってしまうのでしょうか。
下の図に青潮ができるまでの流れを示しました。
青潮ができるまでをまとめると
①プランクトンの大量発生(赤潮)
②その死がいが海底に沈む
③微生物が死がいを分解するときに酸素を使う
④その結果海底が無酸素状態になる
⑤無酸素でも生きている菌(嫌気性菌、特に硫酸還元細菌)が海水中の硫酸イオンを硫化物に変化させた(還元)結果腐卵臭の素(もと)になる
⑥湧昇流により海水面に青潮が湧き昇る(このとき空気中の酸素と反応して硫黄コロイドを生じ海を白濁させる
次回は【赤潮と青潮の話】最終回です。「青潮をなくすには?」について書かせていただきますね!
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