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ヒット曲分析#12 不安定な「ファ」と「シ」をメロディに活かす

AI作曲アプリAmadeus Codeを開発する時に過去60年分のヒット曲を学習データとして分析しました。その中で気づいた点をシリーズで公開していく「ヒット曲分析」。今回はメロディの音使いの中でも「ファ」と「シ」に注目したいと思います。

「イ、ウ」という声が耳に残る2020年ビルボードチャートで11週も1位を記録したHip Hop曲です。今回もラップの内容ではなくメロディの音使いに注目したいと思います。
サビのメロディを分かりやすく打ち込みましたので聞いてみてください。
(オリジナルから半音下げてあります。)

不安定な「ファ」と「シ」

「ファ」「シ」というのは「ファ→ミ」「シ→ド」とキーの中心となる音に対して半音の関係にあります。半音というのは不安定なのでハーモニーを崩すリスクも高いですし、安定する「ドレミ」や「ソ」の音を使った方がメロディは安定します。
参照:ヒット曲分析#07 ドレミは強い!?

しかし、あえて不安定な「ファ」や「シ」をメロディの目立つところで使うことで、洗練されたような、また少し切ない感じの響きを生み出しています。

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↑同じようなフレーズを繰り返して最後にだけ「シ」

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↑フレーズの最後に「シ」を使って繰り返し

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↑3回登場する長い音符の3回目だけ「シ」
フレーズの終わりで「ファ」→ミ

「ファ」と「シ」がまんべんなく入っていると普通のメロディになってしまいます。「ファ」と「シ」を抜いた音使い(ペンタトニック)を基本にしながら、フレーズの終わりや、4小節に1度という感じで曲の全体像を意識して「ここぞ!」というところで入れてみると印象的なメロディが作れるかもしれません。是非試してみてください。


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