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柴田さんへの感謝と名波さんへの期待

どんな形であれ、別れというのはかなしい。お互いに尊重しあう存在であればあるほど、それが強くなる。柴田監督、西ヶ谷さん、山雅を支えてくれて有難うございました。昨年の難しい状況の中でこの役職を引き受けてくれたこと、チームを立て直してくれたこと、今年も勝利へ最大限取り組んでいたことは感謝しかないです。難しい時期の難しい仕事だったと思います。

昨年に続き、また今年も監督解任についての記事を書くことになってしまいました。記憶に残すためにも、今回は柴田監督の成績を簡単に振り返り、良かったことと少し残念だったこと、最後に6/21同日次期指揮官に就任が発表された名波さんについての印象と期待することを書いていこうと思います。

かなりデリケートな話題なので、できるだけ当たり障りがないように、それでも私なりの考えをストレートに書いていこうと思います。

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柴田政権の成績を振り返る

ここでは2020年シーズンのそれぞれの成績と今年の成績を確認して、そこから思うことを書きます。数字は自分調べなので誤りあったらすみません。。

▽2020年シーズン

第1節から第21節(布監督):20位 4勝7分10敗 得点20 失点35

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※第1節は2/23、再開の第2節は6/27~第21節は9/23(88日)


第22節から第42節(柴田監督):13位 9勝5分4敗 得点24 失点17

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※第22節は9/26~第42節は12/20

個人的ベストゲームは第32節アウェイ福岡戦。しっかり守って昇格争い真っ只中の福岡にウノゼロで勝利。


▽2021年シーズン

第1節から第19節:17位 4勝7分8敗 得点16 失点30

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第1節は2/28~第19節は6/19(113日)


各時期の成績を見ていくと、2020年後期に柴田さんが持ち直してくれたこと、しかしながら今シーズンに入ってからは昨シーズン前半の成績とさほど変わらなくなってしまったことが分かります(2020年第19節時点は4勝6分9敗得点17失点27)。また、昨年は再開後から約88日で解任、今年は開幕から約113日で解任。更にキャンプも行った上でシーズンを開始したことを考えると、今年の方が修正する時間的余裕があったにも関わらず、浮上の雰囲気をモノにすることができないまま試合を重ねてしまった印象があったのが残念でした。


蒸し返すことを言っても仕方ないのですが、降格のない昨シーズン途中の解任にはいまだに疑問を持っています。いわばあそこからこの0.5週の状態が続いていて、今年も途中解任になってしまった。当初柴田さんはいわば「暫定監督」だったはずです。それなのにいつのまにか柴田さんに約1シーズン分やってもらって、この状態になってさよなら。なんとリスペクトのないことか!やはりこの0.5シーズンの状態を今年のオフに改めて監督を招聘して、リセットすべきだったと思います。それでも私は開幕当初は続投を支持したので、手のひら返しになってしまっているのは重々承知です。。

素人目から見て、目先の成績や状態で監督人事を行っている印象をどこか受けます。なかなか長期的な計画が見えてこないというか、そういうのをいままで反町さんにお願いしていた感じがするというか。上の方々には、やめるとかそういう責任のとり方より、まず長期的に山雅をどう強くしていくのか、そういうことをサポに説明するという形の責任を示して欲しいと思っています。これは布さんの解任の時から思っていることです。


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長くなってしまいました。次に昨シーズン途中から今年にかけて柴田政権でよかったこと、逆に残念だったことを、サッカーの内容について書いていきます。

柴田政権でよかったこと、残念だったこと

あくまで私の主観ですので、事実かどうかはわかりません。悪しからず。。

▽よかったこと① システムの固定化

布さんの時は、4バックや3バックを試合ごとに替えたり、前節出ていた選手が突如出てこなくなったり、また逆に突如出てきたりということがありました。もちろん過密日程でなかなか毎節同じメンバーで組むことが難しかったことも充分考慮すべきですが、柴田さんになって「3-5-2(5-3-2)」というシステムを基準にしてバックラインをトキーハシーオオノで固定したことで守備が安定し、それが攻撃に繋がって前線やシャドーの選手も活きる、という改善がありました。


▽よかったこと② 面倒見のよさと若手の積極起用 

ジャエルか誰かが話していましたよね。柴田さんになって、一人一人の話を聞いてくれるようになったって。元々編成部長としての立場、もっと言えば長年山雅にいたことから、山雅への愛情や情熱があった。一人一人を大切にしっかり見て、活かそうとしていたと思います。昨シーズン後半、下を向きがちな選手たちに自信と喝を与えていたことは成績向上に繋がったと思います。西ヶ谷コーチのラブコールを受けてレジスタのサトカズの加入も大きかった。村越や横山、ノノや宮部も柴田さんだったから堂々とプレーできているんじゃなかって思います。

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ブレがちな戦い方を整えて、選手たちに自信を与える。それだけで途中登板の監督としては充分すぎる仕事ぶりに思えます。


▽残念だったこと① 打開がない

細かく分ければ「明確な得点イメージがない」とか「劣勢時のプランBがない」とか「勝負に出ない」とかそういう形になるのかもしれませんが、そういうのひっくるめてというか、まとめると「打開がない」という言い方なのかなぁと思います。

システム的には、守備時は5-3-2ないし5-4-1で守り、攻撃時は3-4-2-1ないし3-5-2で攻撃。左サイドが上がり、時に4-4-2のような並びを取る。確かに守備は安定したのですが、正直そこからどうやって点を取りに行くのかわからない試合が結構ありました。攻撃が好きな選手が揃っているはずなのに「攻め切った」なんて試合はほとんどなかったと記憶しています。今年で言えば外山の左からの正確なクロス、河合の相手が空けたスペースへの侵入、国友のフィジカルの強さ、阪野戸島のポストプレー。そういった個人技に依存しているなって感じることが結構あって。みんなそれ共有できてる?って。キャンプも平日のトレーニングもあったはずなのに。

最後の(妙に吹っ切れた表情を見せた)大宮戦、試合前のインタビューをはじめよく「トレーニングで攻撃の共有をしました」って言っていましたけど、(知識不足の私でもわかるような明確な)点を取るパターンがあまり見えてこなかった。ハットトリックヒーローの甲府戦や3連勝したとき、サトカズのビューティフルゴールなんかを思い出すと、裏に抜け出したり相手を釣りだして少ない人数で決めきるってイメージなのかもしれませんが、それを毎試合できるほどJ2の守備が甘くないというか、そもそも少人数の前線があっさり取られて蹴っ飛ばし返されて押し込まれた挙句セットプレーで失点...みたいな展開ばっかり見たような気がします。。。(完全に愚痴になってしまいました)

失点してしまうと、そこからひっくり返すことが困難。負けてても基本的にはバランスを崩すことなく戦っているので、交代してもシステム的に変わらず人数が前にかからないまま終戦。一戦一戦で見ても、シーズンを通しても、ブレないことが裏目になって、どのタイミングで点を取りに行っているのかがわかりにくく、また点が取れなかった試合の次にも同じような戦い方をしているように見えたことで、その結果、やや保守的に感じてしまうことがあったのが少し残念でした。


▽残念だったこと② 野戦病院

これはもちろん柴田さんの責任ではありません。極端な話、それだけ全力でやっているってことで言えば誰も悪くはありません。でも今年の方がリカバリーできる時間が充分あるはずなのに、こうも怪我人が多く、怪我人が出入りすることによってちょっとずつスタメンが替わっているのはここまで見ててよくないなって思っています。鉄人阪野まで怪我するとは。。

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勝てずに途中解任、ということになってしまったので、批判的な部分が長めになってしまいましたが、観ていてやきもきしたことを出来るだけストレートに書いたつもりです。守備は改善された、攻撃は改善されなかった、結果的に相手に分析されたりメンバーが揃わなかったりで守備も機能しなくなった。両方塞がってしまったと。

しかし繰り返しますが、攻撃も守備も機能不全になっていたところを守備面だけでも立て直した功績は、とても大きいと思います。


新監督、名波さんに期待したいこと

まさに「未知数」の新監督、名波さんについて印象と期待することを書きます。


山雅と全く縁のない人物ではない

松本山雅がJFLで戦ったことを松田直樹を中心に振り返る宇都宮徹壱さんの「松本山雅劇場」という本の第4幕の中で、名波さんの名前が出てきます。この章は元山雅の10番、柿本倫明さんの引退試合に豪華メンバーが揃ったという内容です。

柿本さんに一番最初に声をかけられた名波さんが、自分が客寄せパンダになりたくないからという理由で、いろいろな方面に声をかけてくれて、その結果豪華なチームが出来上がった、というエピソードが書かれています。

実はJFLの時代に、山雅の選手の引退試合を盛り上げるために一役買っていたことから、いままで山雅と全く縁がなかった人物ではないと言えます。

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色眼鏡を外そう

テレビでよく見かけるので、どうしてもサッカー関係のタレントとして見られがちな名波さん。北澤さんとか前園さんとかと同じイメージに括られがちです。しかも監督歴はジュビロだけ。根っからのジュビロカラーな人でもあります。

そういう印象があるので最初私も「えっw773さんw」と思いました。しかし就任する前から拒否反応を出すのは良くないと思い、改めました。せっかくこの状況の山雅に来てくれるんですから、歓迎し応援していきたいと思います。

私はセリエAが好きで、DAZNでよく観るのですが、たまにユヴェントスとかの試合の解説者で名波さんが出てきます。そんな特別変なことは言っていなかった気がします。むしろあー試合観てるなーって思うこともありました。

また、名波さんの名前が出て即ジュビロサポの友人に聞いてみたのですが、名波さんはモチベーターだって言っていました。今の山雅はなかなか勝てずもどかしい時期ですから、戦術やスタイルの落とし込みももちろん大事ですが、一度頭をスッキリさせ、前向きな雰囲気になることが今の山雅の浮上には最優先だと思います。インスタで選手が毎週謝っているのを見ると、見ているこっちも書いている選手も頭がおかしくなります。(書くことが悪いって言っているわけではありません)

話が逸れました。名波さんのキャリアから出るカリスマ性、勝者のメンタリティー、チームをまとめるマネージメントに期待したいと思います。その先に、前向きになって、戦い方もまとまって、一つになって戦える集団になることを期待しています。

しかし、思うような結果が出せなかった指揮官にも自負がある。
「チームマネージメントには自信がある。(選手やスタッフとの)コミュニケーションのところも」
その自信の部分は、周囲の評価も間違いなく高い。
そして辞任を表明した会見の最後を、こんな言葉で締めた。
「サッカー人生はまだ続く。(監督などをどこかで)まだやるので」
磐田での足掛け6年の監督業で、確かに結果は出せなかった。
それでも、磐田のヘッドコーチから次期指揮官に就任した鈴木秀人監督は、「コミュニケーションの部分は(前監督を)引き継ぎたい」と言い切った。育った磐田にコミュニケーションの必要性を定着させた名波監督。磐田での反省を生かして勝利を導ける監督となり、得意のマネージメントとの融合で、次に指揮を執るクラブを最強に導く可能性もある。そんな日がそう遠くないかもしれない。


追記:心強い三浦文丈コーチ就任

先日相模原の監督を解任された三浦文丈さんが、今日コーチに就任することが発表されました。名波さんにチームマネジメント、三浦さんにJ2の戦い方や戦術面を強化してもらうことが出来れば、昨年以上の追い上げ、更に複数年体制も見えてくるかもしれません。一気に期待度が上がりました。



昨年の解任の時に書いた記事よりうまくまとまった気がします。ってこんな記事もう毎年書きたくないし上手くもなりたくないので、もうこれっきりにしてください。。

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柴田さん西ヶ谷さん、本当に有難うございました。わがままを言えばこれからもどんな形であれ山雅に関わって欲しいです。


長々と読んでいただき、有難うございました。

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