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翔さんゴールがみたい(みたい!)【2021年 J2 第28節 松本山雅対ジュビロ磐田】
またしても4-0の敗戦。確かに大宮戦よりは自分たちで仕掛けることも多くあったので、ポジティブな収穫はありましたが、3連敗で0得点9失点で勝ち点を得られなかったという事実自体は変わりません。
3試合連続ノーゴールという現状に「点が取れないのは、一本取ったら乗って来るような感じにはならないくらい重症だなと思う」と語りつつ、「中2日しかなく、上位の京都と難しいゲームになると思うが、点を取れるようなゲームにしたいし、一気に流れを変えるという意味では上位を叩いて流れを変えたい」と前を向いた。
また公式のインタビューでは
Q:特効薬はないと思うが、現状をどのように改善していきたいか。
「今はまだ思い浮かばないです。連敗しているのも0-4が続いたのもショックですが、これだけ点が取れないのは経験がないので、どう改善するか。時間がない中でやらないといけないので、難しい作業だと思っています」
90分を通して細かいプレーの質の違いを見せつけられました。守備の寄せ、パスの精度、整理された連動する動き、シュートを仕留める技術。連敗中で覇気も自信もない今の松本には、どれをとっても羨ましい限りでした。戦術云々以前に磐田が上手くて松本がヘタだから負けた、そう思います。
と、自虐を書き連ねてもどうしようもないので、今回は今ある戦力で、どう得点を取っていくか考えていこうと思います。ずばり
伊藤翔で点を取るぞ
です。前節からスタメンを替えることを公言した名波さん。満を持して翔さんがスタメンに名を連ねました。試合の序盤では惜しいシュートを放つなど、チーム全体ではうまくいかないながらも可能性を感じた部分でした。そこで今回は伊藤翔という選手を掘り下げて、彼でどうゴールを奪うかについて考えます。ヘッダーは忘れもしないアウェイ鹿島戦です。あの時ボコした相手にいた選手が来ているわけですから、絶対活かすべきです。
伊藤翔とはどんな選手か
翔さんは、高校を卒業していきなりフランスのグルノーブルへ渡り、Jリーグでは清水マリノス鹿島横浜FCとずっとJ1で戦ってきました。マリノス時代に結構観ていたので、個人的にはマリノス時代の翔さんの印象が強く残っています。(当時のライバルにはウーゴ・ヴィエイラというポルトガル人がいました。)
97回天皇杯準決勝@等々力
なかなか単体では撮ってませんでした。ドゥシャンw
ご存知の通り、ポジションはセンターフォワード。タイプ的にはベッタベタの最前線で相手CBとラインの駆け引きをするというより、少し下がってから一気に裏に飛び出すランニングをします。気づいたらいなくなってる感じですね。この一発の裏抜けでディフェンスを置き去りにできると、あとは少ないタッチで仕留める。
連動しているので「蹴っ飛ばし」でもない。駆け引きで勝負あり。
またクロスに合わせる技術もあります。これも相手CBとゴールの間に上がってきたボールに巧みに抜け出して合わせるといったもの。
膨らんで合わせる動き。
ただ、割と自分の間合いでプレーすることが多いので、味方が不意に出してきたパスやラフに蹴ったボールへの反応はそこまで速くない印象です。「あっ」ってなってから走って間に合わない、みたいなこともしばしばありました。
デカいので、ある程度ズレたボールでも足元に収まる強さと技術があります。
いままでいた松本の選手で一番イメージが近いのは、、レアンドロ、、、ペレイラ、、だと思います。。。
初スタメン。特徴が今までで一番出ていた
次は初スタメンとなった磐田戦の翔さんについて振り返ります。システムは3-4-2-1、翔さんはワントップに入り、左シャドーにセルジ、右に国友。
立ち上がりにビッグチャンス。大井健太郎が自陣で繋ごうとしたところをセルジがカット、そこから翔さんへロブ、コントロールからシュート。
さらに6分には押し込まれた自陣で常田がヘッド、中央で受けたセルジが裏に抜け出した翔さんへ。シュートは惜しくもキーパーのセーブに遭いました。オフサイドっぽかったですが、抜け出してフィニッシュまで行きました。
また49分にもカウンターから右サイドへ展開、グラウンダークロスに消えるように後から入って合わせた翔さん。
いずれもハイライトに入っています
相手が点を取りに来ている、そういう状況の方が翔さんは活きると思います。背後が空くからです。だから前半0-0で磐田が点を取りに来ていたタイミングでは背後が空いていて裏抜け成功していたし、後半もクロスに後から侵入して合わせることができた。相手を出し抜くというか、一瞬隠れたところから出てくる上手さはそのシチュエーションで一番期待が持てそう。それがこの試合で出せていたからこそ、「点が取れそう」に感じられたんだと思います。
逆に相手が引いてしまうと、それだけ勝負するスぺースがなくなってしまうので、翔さんは活きにくいと思います。愛媛戦や大宮戦で途中交代からうまく入れなかったのは、背後のスぺースが消されていたことも関わっていると思います。
磐田は遠藤を中心に中盤で自信をもって繋いできて、その間に松本昌也や鈴木雄斗が上がって局面で数的優位を作り、大森と大津がぐちゃぐちゃ動いて(褒めてます)、という攻撃で、松本はじりじりと自陣に押し込まれてしまいました。ただ、磐田のバックラインの足元は若干不安定に見えた部分もあったので、狙いとしてもっと相手の守備陣に持たせるようなラフなボールを送って翔さんを競らせてカオスを作るってシーンがあってもよかったのかもしれません。
せっかく名波さんがラブコールして獲得した選手ですから、翔さんのゴールが観たい。そのために次節以降どうすべきか考えます。前提として、守備をどうするかとか、国友山口とはどう並べていくかという配置の問題とか、その辺もあるとは思いますが、今回はその辺は置いておきます。
伊藤翔でゴールを奪うために
▼「攻めてくる相手」→裏を狙う
自分で書いていてめっちゃ当たり前なことを書いている気がしますが、相手が0点とかで、点を取りにくる場合、大体のチームはラインを高くしてきます。先に述べた通り、翔さんはディフェンスとの距離を少し置いてから裏に抜けるのが上手い選手。
この試合のオフサイドギリギリだったシーンのように、まずは出し手のセルジに集める、ここで一発で裏のスぺースにロブを出すのもいいし、一度下りてきたら当ててワンツーして相手を釣り出してからでもいいでしょう。カウンターも速ければ速いほど力を発揮します。
とにかく、絶え間なく裏抜けを狙う翔さんのオフザボールの動きは中盤ないし2列目でボールを持って前を向いたときはターゲットとして意識してほしいです。さすがに自陣から蹴ったボールだと難しいかもしれませんが、ハーフウェーラインまで侵入できていれば一本二本でいけるかも。磐田戦でももっと出せるタイミングがあったはず。
▼「引いてくる相手」→クロスを増やす
正直引いている相手を崩すのは難しいので、あんまりイメージが沸きません。。
できるだけ中で勝負させるために、クロスを増やす、でしょうか。アーリー気味でも上げていいと思います。翔さんが感じていれば、ボックスで仕事をしてくれると思います。デカさ、懐の広さ、一瞬相手から離れる動きを出し手が感じとりたい。
なんのための可変、なんのためにサイドに振っているのでしょうか。磐田戦を観ていて、もっと早いタイミングでクロスを上げればいいのになって思うことが何度かありました。帰陣の速い磐田は、サイドでこねている間にブロックを敷いてしまいます。調子のいい上位磐田相手にきれいに崩し切ることは難しいです。サイドで崩し切る前に上げてしまうのは手ではあると思います。。
これくらいなら再現できそう
超簡単に言えば、裏とる翔さんの動きがわかってくれば、ボックスに入れられれば、翔さんなら決めてくれるっていう期待です!次の京都なんかはSBが高い位置取ってくるので、翔さんの抜けるタイミングとかありそうですが、中二日でターンオーバーしてくるかもなので、出場自体どうでしょうか。次節以降でも、セルジを含め早くフィットして結果につながることを願うばかりです。
短めですが、翔さんの主観的イメージと山雅の現状をすり合わせてみた記事でした。まあ、点が取れればなんだっていいです。