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はじめまして。マネージャー。#10

はい、こんにちは○○です
只今身動きが取れないので誰か助けていただけませんか

○:...

美:〜♪ スリスリ

菜:.../// ギュゥ

○:あのぉ...そろそろ...

美:むりぃ♡

ですよね
そんな簡単に離れてたら苦労してませんよね

○:灰原さんのとこ行かないと

なんとこの状況で日向坂初出勤です

菜:じゃあ菜緒たちもついて行くで?

○:いや、大丈夫です

菜:拒否権ないで?

人権もないらしいです
諦めて腕で引きずって行きます

○:灰原さん今日からよろしくお願いします!

灰:よろしくお願いします!愛華で大丈夫ですよ?

○:いやでも...

灰:短い間ですけど仲良くなりたいんで...ダメ...ですか?

そう言って首を傾げる姿はメンバーにも引けを取らない程の可愛いさがある
マネージャーがこんだけ可愛かったら
そりゃメンバーも可愛い訳だ

○:灰ば...愛華さんがいいなら笑

灰:やった!お願いしますね!○○さん!

ニコニコしている顔に惚れそうになったのは内緒で

菜:なんか ムゥ

美:二人の世界って感じ ムゥ

灰:拗ねないでよ笑

菜:あっちゃんにはあげないからね!

美:私の○兄だからね!

何回も言います
僕は誰のでもないです

○:まぁまぁ

灰:あ、そういえば○○さん今日レッスン前に挨拶お願いしますね!

○:了解です!改めましてよろしくお願いします!


まぁなんとかやっていけそうです

灰:はい!じゃあレッスン始めるよ!

ズーン

○:(あれ、思ってた雰囲気じゃない)

加:...

○:(史帆さんも前お会いした時の雰囲気ないし...)

灰:今日から1ヶ月間マネージャーをしてくれる今野○○くんです!

○:はじめまして!今野○○です!1ヶ月ではありますがよろしくお願いします!

シーン

嘘やん
お葬式やんこれ

灰:ほ、ほら!みんな拍手!

パチパチ

○:あの...僕いて大丈夫ですかね ボソッ

灰:大丈夫ですよ、多分 ボソッ

雲行きが怪しくなってきた

久:ほらみんな折角来てくれたんだから笑顔で迎え入れようよ!

加:くみうっさい...

久:なにが?

佐:私達そんな気分じゃないの!

久:それとこれとは関係ないでしょ!

まずいまずい
喧嘩始まるって

○:愛華さん...

灰:普段は仲良いんですけどね...

久:みーぱん言い過ぎだよ!

佐:なにが!

河:久美さんも落ち着いて

その瞬間取っ組み合いが始まる

○:ちょ、まずいって!美玖手伝って!

焦って止めに入ろうとする

美:...クスクス

笑ってやがる
とうとうサイコパスにでもなったのかな?

○:笑ってないで...

久:せーの!

日向:ドッキリ大成功!

...ん?

○:何が起きたの...?

久:挨拶してたら喧嘩勃発ドッキリです!

心臓に悪いって

○:え、じゃあ

佐:ぜーんぶ嘘です!

○:...よかったぁ...

美:○兄焦ってて可愛かった!

あなただけ見てるとこ違うのよ

菜:本当はみんな仲良しですから安心してくださいね?

そう言って久美と美玲と史帆が肩を組む

○:仲良しじゃん笑

久:改めまして!○○さん!

日向:日向坂にようこそ!1ヶ月間よろしくお願いします!

坂道1番と言っていいほどの礼の深さ
しかも揃っているところに真面目さを感じる

○:こちらこそよろしくお願いします!

1ヶ月だけとは言えこれから明るい生活が待ってると思うと
笑みが止まらない

菜:じゃあ○○さん誰が推しが白状してください

菜:答え次第では菜緒がはっ倒します

お先真っ暗の生活でした
僕の微笑みもどっか行きました

○:え、推し?

加:もちろんししだよね!

菜:違います!菜緒やんな?

美:残念!○兄は昔から私推しなの!

菜:でも美玖がアイドルしてるん知らんかったやん

痛いとこつかれてるやん

○:誰が推しとかはないですよ笑

佐:じゃあこれからの頑張り次第だ!

河:陽菜がんばる!

丹:にぱにぱさせるぞぉ!

にぱにぱ...?

○:まぁお互い頑張りましょう笑

仕事の内容を聞きにメンバーの元から灰原さんの元へ向かう

○:愛華さん!仕事...

灰:ムゥ

なんであなたも拗ねてるのよ

○:愛華さん?

灰:私もいるもん...

メンバー以上に大変かもしれません


初仕事はレッスンの後に1つ

○:齊藤京子さんですか

灰:はい!ラジオがあるので着いていってください!

○:了解です!

とはいえ齊藤さんはまだ話したことがない
少し怖いイメージがあるのは確か

○:大丈夫かな

そう思ってるうちにレッスンが始まる
休憩中のわちゃわちゃ感から一転
その眼差しはアイドルになっていた

○:凄いな...やっぱり

灰:乃木坂さんとどっちが凄いです?

後ろから声をかけられる

○:あまり比べるのは良くないですよ?笑

灰:わかってますよ笑 ただ...

○:?

灰:少し昔話をしますね...

私がまだ入社したての頃1人の女の子と出会ったんです
それも私より年下のアイドルです
その子が私が初めて担当したタレント?芸能人さんでした

その子は1人で頑張ってました
でもそのうち仲間ができて、グループでの活動になったんです
でも兼任していたグループに集中することになって残されたメンバー達は日の目を見ることなく、苦しい時期が続きました

○:...

灰:そこから這い上がってきた彼女たちが私は1番だと思ってます

灰:もちろん、乃木坂さんや櫻坂さんにはまだ及んで無いかもしれません

灰:でも、いずれ彼女たちが先頭に立ってアイドル界を引っ張っていく未来も私は見たいんです

そう語る彼女の目には決意とどこか悔しそうな感情があった

○:見れますよ

灰:え...?

○:メンバー全員がこれだけの熱量と、これだけの真剣さがあれば大丈夫ですよ!

○:何かあった時は、百人力のマネージャーさんもいますし笑

灰:私なんてそんな...

○:灰原さんと二人三脚で歩んできた日向坂はすごくかっこよくて一緒にいると自然と笑顔になれます

さっきのドッキリもメンバー考案と聞いた
ユーモアも兼ね備えているなんて最強だと思う

○:だからこそ、絶対に日向坂が牽引する時代が来ます!少なくとも僕は日向坂に出会えて良かったと心から思えます!

灰:...乃木坂さんはいいんですか?笑

○:あら、痛いとこつかれちゃいました笑

灰:でも嬉しいです、1人でも日向坂に出会えて良かったって思ってくれる人がいて

○:ファンのみなさんは絶対に思ってます!自信もって行きましょ!

灰:○○くん私とずっと一緒に日向坂のマネージャーしよ?笑

○:なんとも言えないです笑

灰:私の推しは○○くんだからね!笑

さらっと推されてました
嬉しいですけどなんか複雑です笑

○:じゃあお水配ってきます

灰:お願いします!


○:お水持ってきました!

菜:ありがとうございます!

美:○兄のお水美味しいぃ...

水は誰が持ってきても変わりません

齊:...

○:齊藤さん!今日はよろしくお願いします!

齊:コクッ

少し引かれたように頷く

○:(なんかしたかな...?)

少し気になりながらもレッスンは再開された

○:身に覚えがないな…

灰:どうしたの?

○:いやぁ...齊藤さんが素っ気ないというかなんというか...

灰:思春期ですね!

そんなんじゃないです
仕事ですから

○:今日大丈夫ですかね…

灰:京子は少し男の人が苦手なんですよね

それを先に言ってください

○:あ、そうなんですね

灰:今後ドラマとかのためにも京子には男性を克服してもらわないとと思いまして

○:なるほど…

灰:まぁ大丈夫です!

─────

○:…

齊:…

嘘つきやん
めっちゃ気まずいやんけ

会話の糸口が見つからないです

齊:…

齊藤さんはずっと外を眺めている

○:あ、あの…

齊:なんですか?

○:お仕事大変ですよね

何聞いてるんだ俺は

齊:まぁ…それなりに…

やばい
車内が極寒だ

○:(どうしよう…)

齊:無理に話さなくて大丈夫ですよ

そう言う齊藤さんの顔はかなり冷たいものだった
有無を言わせず会話を終わらされた

そのままスタジオに到着し、ラジオが始まった

ス:あれ、いつもと違うマネさんだね?

○:はい!1ヶ月間お世話になる今野○○です!お願いします!

ス:おぉ!元気がいいねぇ!

スタッフさんはベテランの年齢層が中心だった

齊:よろしくお願いします!

ス:京子ちゃん入ります!

放送スタートッ!

…したんですけど僕は特にすることもないので控え室にいることにしました

○:どうやったら仲良くなれるんだろう

乃木坂の時はまだ10代前半だったためすぐに仲良くなることが出来た
しかし今回は訳が違う

○:んー

ガチャ

ス:失礼します…

○:あ!どうも!

さっき挨拶の際にはいなかったスタッフさんだ
…全員じゃなかったのか…

ス:失礼しました…

何かゴソゴソ入ってきてすぐに出ていった
不審感が拭えない

○:色んな人がいるんだな…

そこから天と遊びに行く約束がこの前出来たので予定をLINEで立て、終わるまで待っていた

ス:はい!お疲れ様でしたー!

齊:ありがとうございました!

○:ありがとうございました!

2人で控え室に向かう
もちろんその間も会話はない

○:準備出来たら教えてくださいね

齊:先行ってて大丈夫ですよ

そんなに嫌?
泣いちゃうよ?

○:じゃあ車で待ってますね

齊:はい

悲しみを隠しながら車に向かう

○:はぁ…どうするぅ…?

ハンドルを握る元気もなかった


○:遅いな…

30分近く経っているが一向に戻ってくる気配がない

○:様子見てくるか…

車をおり先程の控え室に向かう

「助けて!」

確かに控え室から聞こえた

○:まずい!

控え室のドアは開いていた

齊:いやだ…こないで!

先程のスタッフを名乗る人が齊藤さんに迫っていた

○:おい!

男を押しのけ齊藤さんと男の間に入る

○:何してるんだ!

男:へへっ…きょんこ…きょんこ!

齊:助けて…助けて…ハァハァ

軽いパニックに陥り、過呼吸になっている

○:落ち着け!

男:どけぇ!

男はタックルの体制で全力で向かってくる

○:くっ…

もちろん護身術なんて学んでないし
部活なんてやってないので筋肉なんてないです
選択肢は1つ

○:京子さん逃げて!

齊:え…

○:ドアに向かって走って!

齊:う、うん!

京子さんを逃がし、このタックルを受けることだった
男は勢いを緩めることなく突っ込んでくる
体格もいいので軽く吹っ飛ばされる

○:ぐっ…

木材のクローゼットに勢いよく飛ばされる
と同時に嫌な音がする

○:うぅ…

クローゼットも大破してしまった
バキバキという音と共に体がめり込んでいく

男:あれ!きょんこが居ない!お前ぇ!

再び男はこちらに目標を定める

○:(次来たら…確実に病院送りだ…どうする…!)

「こっちです!」

入口には警備員2人と京子さんが立っていた

齊:あの人です!

警:お前!ちょっと来い!

男は警備員に取り押さえられ、抗おうとするが警備員にかなうはずもなく連行されて行った

齊:○○さん!

京子が焦った様子で駆け寄る

○:うぅ…

齊:え、え!救急車!?それともあっちゃんが先かな!?

○:大…丈夫…です クゥ…

全身が尋常じゃないほど痛む

齊:大丈夫じゃないでしょ!

齊:とりあえず救急車だよね!

そう言ってスマホを取りだし119番にかけ始める

全身の痛みに耐えながらこの後どうしようか考えた
もし病院なら明日の仕事は厳しいかもしれない
でも多分…

○:骨…折れて…る…な…

呼吸が上手くできず途切れ途切れになってしまう

齊:今救急車呼んだから!あと少し耐えて!

○:ごめん…なさい…

齊:私もごめん…もっと○○さんに優しくできてたら…



私は男の人が苦手だ

齊:…

○:齊藤さん!今日はよろしくお願いします!

今日からマネージャーになった○○さん
前任は乃木坂でこの人もプライド高そう

軽い会釈で済ませたけど問題ないよね


○:あ、あの…

行きの車内でも会話が始まる

齊:なんですか?

○:お仕事大変ですよね

どんな質問するかと思えば
僕も多いですアピール?

齊:まぁ…それなりに…

そう言うと○○さんは黙ってしまう
無理に盛り上げられるとこっちも調子が崩れる

齊:無理に話さなくて大丈夫ですよ

それっきり会話はなかった

ラジオを放送も終わり
帰宅準備のために控え室に向かう

もちろん○○さんもいるが気まずい
いっその事早く行ってもらいたい

○:準備出来たら教えてくださいね

齊:先行ってて大丈夫ですよ

その方がやりやすい

○:じゃあ車で待ってますね

齊:はい

そう言って○○さんは出ていった

齊:はぁ…なんで男なの…

私は一日の疲れもあり椅子から動けなかった
しばらくした頃

男:失礼します…

齊:あ、ごめんなさい!今出ます!

そろそろ戻らないと…

男:きょんこ…きょんこ…きょんこ…

齊:え…

男:きょんこ…すぅきぃ!!

そう言って男が迫り来る

齊:いや…

男:きょんこ大好きぃ!

私は最後の勇気を振り絞って声を上げた

齊:助けて!



齊:私が男の人が苦手ってだけで○○さんを追い出して…

○:もう…大丈夫…で…すよ…?

齊:○○さん…

○:愛華…さん…か…ら…聞いて…まし…た…笑

齊:私のせいでこんなに…

○:自分を…責めたら…ダメ…です…

齊:…

○:こうなったのは…僕が…ひょろいから…なんで…笑

齊:○○さん…!…はやく!救急車はまだ!?

○○の顔色がどんどん悪くなっていき
辺りには木が刺さったからであろう血も見え始めていた
京子が焦り始める

○:齊藤…さん…

齊:さっきみたいに京子でいいよ

○:京子…さん…

齊:なに…?

○:京子…さんに…怪我が…なくて…よかったで…す…!

齊:○○くん…ありがとう…!

体が痛くなくなったと思った時
意識がなくなった

齊:早く!○○くんが!○○くんが!

警:今到着しました!

救:要救助者は!

齊:ここです!

救:すぐに運びます!

ストレッチャーに乗せられ病院へと向かっていった
京子も同乗しずっと祈っていた
救急車のサイレンが京子の頭から離れることはなかった

もちろん愛華さんにも連絡は届き

灰:え!○○くんが運ばれた!?

スピーカーにしていたら100%鼓膜が破れる位の声量だったらしい

灰:ありがとう京子!今すぐ行く!

灰:おすし!

美:あっちゃんどうしたの?そんな焦って

灰:○○くんが病院に運ばれた!行くよ!

美:え!?○兄が!?

こんな時間までレッスン室に残っていたという奇跡が起き
一緒に病院まで向かった


楽屋に残されたスタッフとプロデューサー

ス:このクローゼットがこの有様とは…

プ:骨は確実だな

ス:あとはどこの骨かですね

プ:どんな勢いで飛ばされたらこれ壊れるんだよ…

驚きを隠せない様子。それもそのはず
耐久性の高いイスノキで作られた特注クローゼットが大破
全てを物語っていた

プ:軽くて背骨骨折ってところか

ス:酷くて全身ですね…

プ:1度社内全員の身元確認を行おう

ス:すぐに手配します


美:○兄!!

病院に着いた美玖愛華組

灰:京子!○○くんは!

齊:…

静かに横に首を振り手術中のランプを指さす

美:○兄…

膝から崩れ落ち、祈るように前に倒れる

灰:美玖…

美:返して…○兄を返して!

珍しく美玖が怒りを表す
矛先は京子へ

灰:やめな美玖!京子のせいじゃないでしょ!

事情は電話を受けた愛華しか聞いていなかった

美:京子さん…男嫌いだからって…!

齊:ごめん…全部私のせいなの…ほんとにごめん…

矛先を向けられ怒ることもなく気力なく謝り続ける

灰:美玖説明してあげるから聞いて


細かく説明中…


美:そうだったんですね…ごめんなさい京子さん…

齊:大丈夫…全部私が悪いの…

重たい空気の中にある赤い光はギラギラと光っていた


橋:なんか胸騒ぎが…

飛:やめてよ、ななみんの勘ほどあたるものないんだから

橋:てかなんでこんな時間までいるのよ

飛:えんぴーがレッスン付き合って欲しいって

橋:そろそろ帰りなよ?

そこにバタバタと焦って今野さんが過ぎていく

橋:…走ってる今野さんめずらしっ

飛:今野さん!

橋:止めないであげて笑

今:悪い齋藤、後にしてくれ

いつもの優しい雰囲気はなくどこか焦っている様子

橋:何かあったんですか?

今:明日からの仕事にも関わるかもしれないから言っておく、○○が救急車で運ばれた

橋:えっ!?

飛:○○が…

今:俺も状況が分かってない、今から病院に向かうんだよ

2人は向かい合って頷く

橋:今野さん私だけ着いていきます

今:いや、

飛:ここは私に任せてください!○○の方が心配です!

今:しかし…

行かなきゃ行けない焦りと判断を迫られているプレッシャーでもうやけくそだった

今:よし!行くぞ橋本!

橋:はい!

飛:○○…

ポン

橋:安心して、必ず○○と一緒にまた仕事できるようにするから

飛:お願い…○○を助けて…!

橋:ガッテン



病院には天が到着していた

天:美玖ちゃん!

美:天ちゃん…

天:○○は大丈夫なの?

美:まだなんとも…

手術が始まって2時間が経過していた

齊:…

天:京子さんお疲れ様です

齊:天ちゃん…

齊:ごめんね…私のせいで…

灰:もうそれやめな、美玖の気持ちも考えて

今1番もどかしいのは美玖だった
同じ場所にいた先輩は私のせいでしか言わない
肝心の従兄弟は手術中
気持ちのぶつけ先がなくなっていた

天:大丈夫ですよ京子さん

齊:?

天:○○は無事です

天:無事じゃなかったら私がひっぱたいて治します

それは厳しいよ天ちゃん

灰:それにしても遅いな…

今:灰原!

灰:お疲れ様です!

今:○○は!?

灰:まだ…

今:そうか…

橋:愛華ちゃんお疲れ様

灰:ななみん…ごめん…

ギュゥ

橋:大丈夫、愛華ちゃんのせいじゃないよ

灰:うぅ…

愛華も愛華なりに責任を感じてしまっていた

ウィーン

今:お医…増田先生…!○○は…!

増:命に別状はないです

美:良かった…

増:しかし思ったより怪我の状態が酷くて、普段の生活に戻るのには少し時間がかかるかと思われます

齊:…

増:○○くんの頑張り次第ですが早くて2ヶ月くらいですね

今:わかりました、ありがとうございました…

増:こんな形で再開したくなかったです、では

そう言い残し増田先生は立ち去って行った
残されたものは言葉が出なかった
その均衡を破ったのは

美:とりあえず○○のところ行こ?

天:そうだね

橋:顔見ないと帰れないよね

一行は病室に向かう

今:○○…

首から下は包帯が巻かれ、所々赤くなっている
人工呼吸器が繋がっており目はまだ覚めていない

齊:…

灰:京子…

そんな中美玖1人だけ○○に駆け寄る

美:○兄…京子さん守ったんだってね…!

頬に手を添え撫でる

美:かっこいいよ…かっこいいけど…

ポタポタと肩の包帯に涙がこぼれる

美:○兄が無事じゃないと…意味ないよ…!

静かに涙が流れる


しばらくして
全員が周りに集まり、現状確認や、当時の様子を確認していた

今:すまん、ちょっと…

小走りに病室を出ていく

橋:…



今:すみません秋元先生こんな時間に…

秋:大丈夫だよ

今:今○○が病院に運ばれまして

秋:なんの仕事中だ?

今:齊藤京子の付き添いでラジオです

秋:なるほど

秋:○○くんは退院し次第業務に戻ってもらおう

今:…

秋:日向坂か乃木坂かどうかは何とか決めておこう

今:分かりました…秋元先生これって…

秋:いよいよ動いたぞ今野くん

今:気をつけます

秋:しっかりな



橋:とりあえず大丈夫そうだね

天:まぁ死にはしないでしょ!

緊張感がある程度緩み、少し穏やかな雰囲気が流れる

○:…んっ…

美:○兄!○兄!

灰:なになに!

美:○兄が!

○:ん…んっ…

ゆっくりと○○の目が開く

○:ここは…病院…?

ギュゥ

齊:ほんとに良かった…ほんとに…

○:京子さん…?

もう顔はびちょ濡れだった

齊:ごめんねほんとに…私のせいで…

○:言ったじゃないですか、京子さんに怪我がなくてよかったって笑

天:かっくい!

○:こら笑

背中にゆっくりと手を回し
優しく抱きしめる

○:大丈夫です、京子さんが無事ならそれでいいんです

齊:… グスッ

○○の患者衣はもう色が変わっていた

橋:…こんな状況で言うのもなんだけど

灰:同じこと思ってた

「こいつ根っからのイケメンやん」

美:ねぇ〜!それ私も言われたい!

齊:私だけに言ってくれたんだからね!

美:私のことも助けてよ〜!

○:賑やかすぎる…ここ病院…笑

先程の雰囲気とは一転
賑やかな雰囲気に包まれる中
通路では雲行きが怪しくなっていた


そこからというもの

菜:○○ざぁん〜!

ギュゥ

事情を聞いたメンバーが押し寄せていた

○:くるしっ…あんまり泣かないで笑

菜:菜緒のこと置いていかんでよ… グスッ

まだ生きてます

○:大丈夫大丈夫、菜緒のことは置いていかないよ ナデナデ

菜:菜緒から離れんとってよ…? ウルウル

そんな顔されたらもっと撫でたくなるって

齊:○○くん何か欲しいものある?

○:大丈夫ですよ

齊:なんでも言ってね!

京子も少しでも力になろうとしていた

○:京子さんも仕事あるんですからあんまり気にしないでくださいね?笑

齊:ありがと…///


美:なんか○兄…

加:怪我してからタラシになった…

河:こんな○○さんは嫌だランキング第56位…

久:そんなに嫌じゃないじゃん笑

河:かっこいいもん…///

相変わらずの人気を誇っていた


それが終われば地獄のリハビリ

増:はいはいがんばって!

○:くっ…くきぃ…

増:患者として会いたくないからプライベートで来てって言った約束破った罰だよ〜笑

○:くっそぉ…!

増:ほらもっと速く速く!笑

増田先生意外とドSでした


ヘロヘロになって病室に戻ると

橋:やぁ少年

○:なんでいんの

橋:来れるの私だけなのよ?

○:別に頼んでないっす

橋:可愛くねぇな

○:ななみんだいすき

橋:きゃーかわいぃ♡

仕事の合間を縫ってななみんが頻繁に来てくれていた


そんな生活が続き…

○:だいぶ動けるようなってきたな…

1ヶ月半が経過し、目線は退院後に向いていた

○:結局日向坂にも関われなかったしなぁ…

灰:○○〜元気〜?

○:お、愛華来てくれたのね!

しれっと入ってきた愛華も知らずのうちに呼び捨てになり
それに応えるように○○も呼び捨てになっていた

灰:○○退院したらどうするの?

○:まだ何も聞いてないんだよね

灰:乃木坂戻りそうな気もするなぁ…

○:まだ分からないよ?

プルプル

○:ん、📱あ、秋元先生だ

○:📱もしもしお疲れ様です

秋:📱ご無沙汰だね

○:📱:この度はご迷惑をおかけして申し訳ないです

秋:📱いや、無事だっただけでいいんだ

秋:📱それで退院したあとなんだが、また日向坂に着いてもらえるかな

○:📱僕はいいですけど…

秋:📱それと、多田稔の研修が終わった

それならば乃木坂に戻っても問題ないはず

秋:📱多田には櫻坂にも研修に向かってもらう

○:📱なるほど、奈々未さん1人で大丈夫ですかね

秋:📱今野くんもいる、問題ない

秋:📱そんな訳で、もう少し日向坂をよろしく頼むよ

○:📱了解です、失礼します

多くの疑問が残る
多田が終わったなら俺は戻っても問題ないはず
でも戻れないってことは日向坂専属になったかもしくは…

○:乃木坂に嫌われた…

灰:電話で何言われたのよ笑

○:もう終わりだぁ〜!

灰:ちょっと、落ち着いて!

病室内だけでなく病院内に○○の声が木霊していた


○:はぁ…

灰:それはないって笑

○:でもさそういうことじゃん…

灰:拗ねてるのかわい

○:バカにすんな

灰:先輩だぞ?

○:先輩の前に友達ね

灰:ほんと可愛いなぁ笑 ナデナデ

○:もぉ〜離せ〜!

プルプル

○:?何この番号…

○:📱もしもし…

?:📱あ、今野○○くんかね?

声はかなり年上の男性

○:📱そうですけど…

?:📱悪いね、君をこれからかなり面倒なことに巻き込ませてもらうよ

○:📱はい?

?:📱まぁ、そのうちわかるよ、もしかしたら…

「今回の怪我で終わらないかもねぇ笑」

○:📱なんで知って…おまえ!

?:📱じゃ

プツッ ツー ツー

○:なんなんだよ…


まだまだ安心して過ごせる日は遠いらしい


さぁ〜て次回のはじマネは?

ラーメン大好き齊藤京子です!
私の白馬の王子様はかなり近くにいたみたいです!
これを機に将来的には○○くんのお嫁さんになりたいと思います!
菜緒ちゃんとおすしが邪魔しようと私は結婚します

というわけで次回

パンダ観察日記
念願のお出かけ
○○、原点回帰

の3本でお送りします!

次回も見てくれるあなたがすぅきぃ♡

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