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お兄ちゃんは性格真反対の妹達を愛でたいんです


○:瞳月〜

瞳:なんやねん朝から...


皆さんおはこんにちは!もしくはこんばんは!
今からこの可愛い可愛い妹をお出かけに誘いたいと思います!

○:お兄ちゃんと一緒におで

瞳:行くわけないやろ、黙って家におりや

...失敗しました
ココ最近何かと冷たい瞳月
そういうお年頃なんですかね...

瞳:しー部屋おるからなんかあったら声掛けてな?

○:はぁ...

そのまま部屋に一直線

愛:おにいた〜ん!ん?おにいたんげんきない...


○:愛季...今日も可愛いな...ナデナデ

この子は瞳月と僕の妹の愛季
今日は幼稚園がおやすみの日だ

愛:おにいたんはなしきこか?

○:なんやその男子大学生みたいな聞き方は笑 大丈夫やて笑

愛:かのじょにうわきされたん?

誰だ純粋無垢な愛季に浮気なんて言葉教えたのは
名乗り出なさい、制裁を加えます

○:ちゃうよ笑 しづの事や

愛:しづもげんきない...?

○:多分しづは元気やな笑 お兄ちゃん嫌われてるんかな...

ここまで突き放されるとさすがに喰らう
小さい頃は愛季みたいに「お兄!」って懐いてくれてたんだけどね...

愛:ほんならあいりがはぐしたる!

ちっこい手で登り首にしがみついてくる
...大きくなってもそのままでいて欲しいぐらい可愛い


愛:ぎゅぅ…おにいたんぽかぽかする…

なんて可愛いんでしょう
シスコンです私は、はい、認めます

○:今日は何も無いからな...愛季行きたいところある?

愛:んー...どうぶつえん!

○:よしきたっ!ほな準備して動物園行こか!

愛:やった〜!おかあさん!かわいいおようふくえらばなあかんくなった〜!いっしょえらぼ!

○母:先お部屋行ってて〜

愛:はーい!

食卓机の椅子に座っていた○○母
無言で○○の方に向かってくる

○母:瞳月は?

○:さっき黙って家におりや!って...笑

○母:瞳月も○○のこと嫌いやないねんけどな〜...笑

○:一応声はかけてみるけど...多分行かへんやろ笑

母も分からないならお手上げだ
瞳月も今日はゆっくりしたいだろう

○:ほんなら準備せな...

自室に向かう途中に瞳月の部屋はある
微かな望みをかけてドアをノックする

コンコンッ

○:瞳月〜愛季と動物園行くけど行くか〜?

シーン

○:ん?瞳月〜?

瞳:う、うるさいっ!///

ドアは内側から開けられた
そこにはしっかりおめかしした瞳月がいた

○:え...どこ行くん?そんなバッチリオシャレして

瞳:べ、別に一緒に行きたいとかやないから!たまたまメイク練習してただけやし!///

瞳:それでちょっと話が聞こえてきたから…しーもい、行きたいなって...///



...


そんな技どこで覚えたんだ!
いつもはツンツンの妹のデレ+上目遣いなんて最強に決まっているだろうが!

○:お、おぅ...リビングで待っとき、すぐ行く準備するから

瞳:...///

無言でリビングに向かっていった
愛季の部屋から楽しい声が聞こえる中胸は少しウキウキしてきた







○:愛季〜そろそろいくで〜!

愛:まって〜!あとちょっと〜!

○:瞳月も行ける?

瞳:コクンッ...

パパっと準備を済ませあとは愛季のみ
3人でお出かけなんていつぶりだろうか

愛:おまたせぇ!あ、しづもいくん?

瞳:しづも一緒行きたいな〜

愛:でもさっきおにいたんがげんきないって...

愛季、瞳月は元気なのよ
元気ないのはおにいたんよ

瞳:全然元気やから笑

愛:ならいっしょいこ!

○:帰る頃に連絡するわ

○母:気をつけるんよ?愛季も小さいんやし手離さんとってな?

母はお留守番らしい
「せっかくなんやから3人で行ってきたええやん」との事

○:愛季、お兄ちゃんとしづから離れたらあかんで?

愛:おにいたんとしづがずっとおててつないでくれるもん!だいじょうぶや!


...可愛い通り越して尊い
誰かこの子を保護してくれませんか?いいえ、私が保護します
愛季さえいれば世界平和なんて朝飯前です

瞳:ぐっ...可愛い...

流石の瞳月も喰らっている
だよな...この可愛さ合法とか信じられんもん

○:よし、行ってきます

瞳:行ってきます

愛:いってきま〜す!

○母:気をつけるんやで〜




玄関を出るなり暑い日差しが照らす
ニュースでも念を押されるくらいに猛暑日になるらしい

瞳:にしてもほんまに暑いな…

○:熱中症ならへんようにこまめに水分補給せなあかんよ?

愛:あいりすいとうもってきた!ちょっとおもいけど…

体の半分くらいの水筒を首から下げている
それだけあれば熱中症の心配は無い

瞳:しーなんも持ってきてへんよ…

○:動物園までの道で調達しよか?

瞳:それやと着くの遅くならへん?

愛:え…どうぶつさんあえへん…?ウルウル

1番楽しみにしている愛季のためにもいち早く着きたい
とは言うものの熱中症になられても困る

○:愛季途中でコンビニ寄ってええか?

愛:ん、なんかかうん?

○:愛季の動物園で食べるお菓子買わなあかんやろ?

愛:え!いいの!?

○:お母さんには内緒やで?笑

愛:わかった!ありがとおにいたん!

可愛くお口チャックのジェスチャーをして喜んでいる

瞳:でもっ!それやと○○が…

○:大丈夫やって、愛季がもし言って怒られたとしても瞳月が熱中症なるくらいやったら喜んで怒られたるよ笑

瞳:…///

愛:あ〜!しづかおまっか!ねっちゅーや!

○:熱中症な?笑

瞳:だ、大丈夫やって!まだ元気やから!///

とは言いつつも少し気にしながら3人仲良く手を繋いで動物園に向かう

愛:えへへ…おにいたんみてみて〜!

○:帽子やろ?笑 新しいやつやんな?

愛:おかあさんがあいりいいこだからって!

○:ほんまに愛季はいい子やからなんでも買うてあげたくなるんよな〜笑 ナデナデ

愛:にひっ…あいりもおにいたんにぼうしかう〜!

愛季からのプレゼントで帽子…?
余裕で家宝にするでしょそんなの
一生被り続ける自信あります私

瞳:…

○:ん?瞳月どした?

瞳:えっ…!?な、なんでもない!急に話しかけんとってや!

○:ぼーっとしてると心配なるよ…無理せず言うんやで?

瞳:わかってるって…

愛:しづのどかわいたらいってな?あいりのおみずあげる!

瞳:ありがとな愛季笑 ナデナデ

愛:うんっ!

ニコニコした愛季を2人で挟んで歩くこと約10分
ようやく半分まで来たのでコンビニに寄ることに

○:愛季好きなお菓子2つまでな〜

愛:わかった〜!

○:瞳月も好きな飲み物持ってき?

瞳:ええって、自分で払うから

○:こんな時まで何言うてんねん笑 いいからはよ持ってこい笑

瞳:うぅ…なんか調子狂う…///

ブツブツ言いながらもカルピスを持ってきた瞳月
あとはお菓子が決まるのを待つだけ

○:愛季決まったか〜

愛:う〜ん…どっちにしよかな…

瞳:ほんならしづがこっち買うたるから愛季はそっちの2つ○○に買うてもらい?

愛:でも…おにいたんが2つまでって…

瞳:おにいたんが買うのは2つや

瞳:このお菓子はしづが買うねんから誰にあげてもいいやろ?

愛:しづもおかしたべたい?

瞳:しづのことは気にせんでいいから笑

愛:うん…あ!やっぱりやめてこっちにする!

愛季が指さしたのはちょうど内容量が3つ入ったお菓子
選んでいたものとは違うものだ

愛:これやったらしづとおにいたんとさんにんでわけれる!

瞳:はぅ…///

屈んだまま悶絶する瞳月
さすがに今のは喰らった

愛:しづもおかしたべたいやろ?ほんならおにいたんにこれかってもらう!

○:決まったか?

愛:この2つにする!

○:おぉ…でも愛季の好きなお菓子は買わんでええの?

愛:うんっ!おにいたんともはんぶんこしたい!

○:気にせんでもええのに…笑 じゃあ買うてくるから涼んどき?

愛季が選んだお菓子2つと瞳月のカルピスを持ってレジに向かう
2人は仲良く手を繋ぎながらクーラーで涼んでいた
内緒で買ったアイスも支払い、袋片手に店を出る

○:愛季、瞳月、これあげる

愛:あ〜!あいすだぁ!

瞳:うち要らんから○○が2つ食べや

思っていた反応だ
素直に喜ぶ愛季と遠慮する瞳月
なんでここまで姉妹で違うもんかね

○:愛季好きなの選びや?

愛:う〜んとね…う〜んと…どうしよう…

目をキラキラさせながら必死に迷っている
はぁ…可愛い…もう全部食べてもいいんだよ?

愛:じゃあこれ!

○:可愛いお洋服汚さんように食べるんよ?

愛:うん!ありがとうおにいたん!

○:瞳月は?

瞳:だからうち要らんて

そんなことを言っても買ったのはそれぞれの好物のアイス
愛季は自分の一番好きなアイスを選んだ

○:あ〜あ、瞳月これ好きやって言ってたから買ったんに…

瞳:っ…や、やっぱり暑いし貰っとくわ

兄からしてみれば素直じゃないところも可愛いのだ

○:ん?そう?ほい

瞳:やった…ボソッ

○:なんて?

瞳:な、なんでもあらへん!/// ○○もたまには気利くやんか…///

そんな棘を出しても無駄ですよ
アイス目の前に目がキラキラしてます

○:ふふっ…愛季動物園まで急がな動物さん会えんくなるで?笑

愛:だめっ!いそぐでしづ!

瞳:ちょっ…引っ張らんで笑




腕を引っ張り急いだ愛季のおかげで汗だくになりながらも動物園に到着

○:よし、愛季まず何みたい?

愛:ぞうさん!

○:おし!ぞうさんのところいこか!

愛:は〜い!

さっきまで愛季と手を繋いでいた瞳月が少し後ろを歩き始めた
どこか顔色も悪く見える

○:瞳月ほんまに無理せんでいいからな?

瞳:む、無理してへんよ…ちょっと喉乾いてん…

○:なくなったら言うんやで?売店いって休むからな?

瞳:うるさいっ…しーのことは気にせんで愛季のこと見といてや…

愛:しづ…

愛季も心配なのか目が潤んでいる
先程までの笑顔とは程遠い表情だ

瞳:愛季しづは元気やで?笑

瞳:○○とぞうさん見に行かなあかんやろ?

瞳:しづも後から追いかけるから先行っとき

愛:やくそくねっ!

○:瞳月…

放っておけなかったが足は象のゲージに向かっていた
周りにも子供が多くいるが大人や学生も多く見える

愛:おにいたんぞうさん!おっきい!

○:おっきいな笑

愛:あいりよりおおきい!

「あたりまえやろ」というツッコミを何とか押えて興奮気味に象に声をかける愛季を眺める

○:可愛い…笑

コソコソと愛季が楽しむ姿を写真に収める
既に象のコーナーだけでざっと100枚だ

愛:おにいたん!ぞうさんにおやつあげたい!

○:お〜、餌あるんかな…

幸い近くには餌やり体験の餌が売っていた

○:愛季〜、これぞうさんにあげてみ〜や

愛:うぅ…おにいたんとなりおってや…あいりちょっとこわなってきた…



キュゥゥゥゥゥゥン


ぐふっ…ごほごほっ…
それは強すぎ…我が妹ながらこの殺傷能力
怖かったね〜おにいたんが鬼すぎて自分で自分を殴りたい
おにいたんが一生隣にいてあげるからね

○:隣おるからおやつあげてみな笑

愛:ぞうさ〜ん…おやつのじかんやで〜…

恐る恐る小さい手で持った果物を象に伸ばす

象:…!

果物に気づいたのか鼻が伸びてくる

愛:うぅ…やっぱりこわぃ!

果物をあげると同時に○○にしがみつく愛季
ちっこい手がとんでもないくらいくい込んでいる

○:いててっ…愛季力強いて笑

愛:いやや〜もうっ…あとおにいたんがおやつあげてええよ…

小さい愛季には象が大きすぎたのかちょっと泣きそうだ
餌あげる前はあんなに楽しそうだったのに…ごめんね

○:あはは…ごめんちょっと怖かったな笑

愛:うぅ…ちいさいどうぶつさんがいい…

○:じゃあ今度はウサギさんのとこ行こか

愛:うさぎぃ…ちっこい…

動かなくなった愛季を抱き上げて周囲を見渡す
瞳月も遠くからこちらを見つめている
口パクで「ウサギ」と伝えると少し笑みが見える

○:愛季ほら、ウサギさんだよ

愛:うさぎさん…?

瞳:かわええなぁ…ナデナデ

ウサギを抱きかかえながら頭を撫でている
同級生にウサギに似た友達がいるんだとか
…ウサギに似た友達ってなに?笑

○:撫でてあげて

愛:うさぎさんかまへん…?

○:噛まへんよ笑

愛:うさぎさんやさしくしてな…ナデナデ

ウサギも撫でられて嬉しいのか大人しい

愛:にひひっ…うさぎさんかわええな…ナデナデ

○:にしてもうさぎ可愛いな…ナデナデ

瞳:…

なぜか瞳月からの視線が刺さり少し怖い
かなり強い眼光
ただじゃ済まなそうだ

動物園を一周し、ベンチに座ってお菓子を食べる
愛季が選んだお菓子を3人で仲良く食べていたらもう帰る時間

愛:んっ…おにいたん…Zzz...

○:おっと…!

お菓子片手にウトウトしていた愛季
どうやら勝ったのは睡魔のようだ

瞳:もう時間も時間やし帰る?

○:そうやな、愛季も寝ちゃったし

母に帰りますLINEだけ送って動物園を後にする
愛季をおんぶして少し涼しくなった帰り道
背中からは可愛い寝息が聞こえる

○:愛季楽しんでくれたかな…

瞳:凄いはしゃいでたし楽しんだやろ

○:ならええんやけどさ…

こんな可愛い愛季でもいつかは瞳月のように反抗期のような時期が来ると思うともう泣きそうだ

○:また今度どっか連れて行ってあげなあかんな〜

瞳:愛季ばっかり…ボソッ

○:えっ…瞳月今なんて?

瞳:愛季愛季って!たまにはしーのことも構ってや…

急に立ち止まった瞳月
まだ帰り道の半分も来ていない

瞳:愛季が家に来てから「愛季〜!」ってずーっと愛季のことばっか可愛がってしーのことなんて全く気にしてくれへん!

○:そんなことないやろ…

瞳:お兄はしーのこと嫌いになったん…?


潤んだ瞳が夕日を反射している
いつも以上に綺麗に見えるその瞳

○:ごめんな

○:自分では瞳月のこと構ってるつもりやった

○:瞳月も最近は冷たいしもう反抗期かなって

瞳:だって…お兄にツンツンしたら気にしてくれる思ってん…///

瞳:でも嫌やんな…こんな愛想悪い妹なんて…ウルウル

はぁ…
妹にこんなことを言わせてるようではまだまだ良い兄では無いですね

ポンポンッ

瞳:ふぇ…///

○:もちろん愛季も可愛いけど瞳月のこと気にしなかった瞬間なんてあるわけないやろ笑

○:瞳月も可愛い可愛いお兄の妹やねんから

瞳:うぅ…お兄〜グスッ

○:ちょっ!愛季おんぶしとるから!

そんなのお構いなく飛び込んでくる瞳月
小さい頃からなかなか素直に自分の気持ちを表に出すことができない一面がある
それにいち早く気づいてあげるべきだった

瞳:お兄に嫌われたかと思ったっ…グスンッ…

○:誰が自分の妹嫌うヤツおんねん笑

瞳:もうっ…我慢せぇへんからまたしーに構ってくれる…?ウルウル

○:あたりまえやろ

○:いつでもお兄に飛び込んできてええんやからな?笑

器用に片手で愛季を抑えながら瞳月を撫でる
いつの間にか大きくなった妹
あの頃撫でていた背丈では無いことを改めて感じる

瞳:あっ…そういえばさっきウサギのことえらいなでとったな…?

○:え…

瞳:しーとうさぎどっちがかわいいん!

○:そ、そんなの瞳月に決まってるやろ

瞳:ほんなら今日…お兄のお部屋でいっぱい撫でてもらわな許さへん…///

そんなに赤くなるなら言わない方が良かったんじゃ…
いや、赤くなってるのも可愛いから結果オーライ

○:ふふっ…うさぎさんは寂しいと死んじゃうらしいもんな〜笑

瞳:そ、そうや…しーも寂しかったら死んでまう…///

○:今日は可愛い可愛い「しづうさ」を可愛がるか笑 ナデナデ

瞳:…///

愛:おにいたん…しづぅ…Zzz...

久しぶりに仲良くイチャイチャしながらの帰り道
少しだけ反抗期は終わったのかな?







愛:おにいたんごめんなさい…

○母:はぁ…○○は愛季に甘すぎんねん!

○:しゃーないやろ!愛季可愛すぎんねんから!

○母:わかる!わかるけど兄として止めなあかんとちゃうん?

○:まぁ…そりゃそうやけど…

○母:…でも愛季ならなんでも買うてあげたくなるやんな

○:ほんまやて…なんでも買ってまうんよ…

○母:それはお母さんも気をつけなあかんとこやねん…

○:頑張って厳しくしよな…?

○母:むりぃ…

愛:おにいたんなんかゆるされた…

見事に口が滑った愛季
しかし意外な終わり方で説教が終わっていた

瞳:もぅ!お兄遅いっ!

そのころ○○の部屋ではベットの上でひとりぷんぷんと怒る瞳月がいた




瞳:これは一緒に寝てもらわなあかんっ!

瞳:絶対寝てもらうんやから!

瞳:今日はお兄を独り占め…へへっ、いっぱいハグしてもらお♪


end.

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