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あなたの隣に立つために #9



プー プー プー パーンッ

理:よし!とりあえずスタートダッシュ成功!

麗:待って待ってなにそれ!

ひ:早すぎたぁ!

理子と愛季がスタートダッシュに成功
麗奈はあまりやった事がないのかそのままスタート
ひかるは早すぎてバーストしたため大幅に遅れをとる

○:理子と愛季上手すぎない?笑

夏:愛季たまに家きて1人でやってるもんね笑

愛:夏鈴ちゃん横で応援してくれるからめっちゃ楽しいの笑

玲:愛季ちゃん意外だね笑

瞳:○○くん...

ソファに座っていたプレイしていない組と○○
先程同様に天に対し人見知り発揮の瞳月
ピッタリと横について離れようとしない

○:大丈夫笑 さっき言ってた天だよ?笑

天:○○誘拐でもしてきたの?犯罪者の幼馴染は嫌だな...

○:誘拐じゃねぇわ!

天:どうだか〜笑

瞳:やめてください...○○くんの悪口は許さないですから...

横を見てみると見たことないぐらいの鬼の形相
こんな顔見たことがない

○:し、瞳月!冗談だから!

天:ご、ごめん!冗談だよ!揶揄いすぎたね...ごめんね!

瞳:あ、ごめんなさい...早とちりしちゃって...

夏:ここ2人はこういう距離感だから最初は冗談に聞こえないかもね笑

見事、素晴らしいフォローを入れる夏鈴
確かに○○と天はお互いを信頼しすぎてたまに『言い過ぎなんじゃない?』というタイミングもある

○:大丈夫だよ笑

天:瞳月ちゃんごめんね笑 ナデナデ

顔を真っ赤にして顔を○○の腕で隠す瞳月を2人で愛でる
そんなことをしている間にレースは最終ラップ

玲:え!麗奈2位じゃん!

まさかのセンスで上位にくい込んでいる麗奈

麗:頑張ってる!麗奈頑張ってるよ!

理:愛季が抜けない...!

愛:くぅ...麗奈ちゃんがこんなに速いとは!

プレイヤーはこの4人のみ
つまり1位は...

○:さすがだなひかる笑

天:ひかるに勝ったことないもんね笑

瞳:ひかるちゃん凄い...

ひ:ふふんっ!まだまだだねみんな!

いつになく自慢げなひかる
ドリフトをブンブンにかましてどんどん加速していく

○:あぁ〜ひかるもうゴールする!

愛:させないっ!

ここで4位の愛季がまさかの青甲羅を投げる

ひ:ちょっと待って!それは聞いてない!

理:待って!青甲羅当たってるから!

麗:なにそれ!何そのアイテム!

ひ:やめてぇ!

バァァン...

ひ:あぁぁ〜!

ひかるが青甲羅の餌食になり、麗奈と理子も青甲羅に命中してしまいスピードがあるのは愛季のみ

○:やばい!どんでん返しあるよ!

夏:行け行け愛季!

玲:面白すぎる!何この展開!

愛:行ける!

ダブルアイテムを割った愛季は青甲羅の裏にあった連続可能キノコで一気に抜き去っていく

理:あ〜抜かれたぁ!

麗:もうっ!アクセル全開してよ!

ひ:やばぃ〜!やばぃ〜!

愛:このまま...ゴール!

見事愛季が逆転優勝
順位はそのままで1位が愛季、2位がひかる、3位が麗奈、4位が理子となった

天:やばいねこのレース...笑

○:まさかのまさかだ...笑

理:負けた...

テレビ前は対象的な反応だった
両手を上げてぴょんぴょんと跳ねて喜ぶ愛季と項垂れる3人

夏:でもトーナメントだから上位2名でしょ?ひかるまだチャンスあるよ笑

ひ:そっか!次は負けないぞ愛季!

愛:次はちゃんと1位キープして勝つから!

○:じゃあ次は夏鈴達だね



プレイヤーチェンジ



夏:よしっやるからには1位しか取らない

瞳:自信ないな...

天:絶対1位取るぞ〜!

玲:なんか瞳月ちゃんが可哀想な組み合わせだね笑

年上組に囲まれた瞳月
天や玲、夏鈴は身長が大きい方なので尚更小さく見えて仕方ない

○:じゃあカスタムとか終わったら始めよ

諸々のカスタムを決めてコースも決まった

ひ:じゃあ第2レーススタートするよ!

プー

夏:なんか緊張する...

プー

瞳:負けられない...!

プー

玲:ここは2位に入れるような立ち回りを...

パーンッ

天:いっけぇ!


...



夏:負けないからね?

天:私だって!

愛:ふふっ...このメンツが揃うとは!

ひ:結局戦うのはこの4人だね笑

見事勝ち進んだのは幼馴染カルテット
いつもの顔合わせとなった

○:結局かよ笑

玲:あの4人上手すぎ...

麗:明日は決め方変えよっか笑

○:明日も決めるのか...笑

理:悔しい!にぃちゃん!

瞳:もぅ絶対勝てると思ってた!

ガチガチのレースはやり込みのあった4人が有利だったらしい
明日も寝床にこんなに時間をかけると思うと既に憂鬱だ

天:じゃあ行きますか...

寝床をかけた戦いもいよいよ決勝戦
ここで勝った者が選ぶことが出来る

○:というかなんでトーナメントなの?

理:え?にぃちゃん気づいてないの?

○:気づくも何も...みんなベッドがいいんでしょ?

プー プー プー

瞳:え?○○くんと一緒に寝るためでしょ?

○:は?

パーンッ

4人全員がスタートダッシュに成功
最初のアイテムを割る

天:よしっ甲羅は防御に...

夏:赤甲羅...ひかる覚悟しな

ひ:待って!間違えてバナナ置いちゃった!

愛:とりあえずキノコはショートカットに...

順調にレースは進んでいく

○:待て待て一緒に寝るためとは!?

正直幼馴染とはいえ中学生はまだしも、高校生と一緒に寝るとは...流石に理性が黙ってないかもしれない
中身の年齢が合ってないと大変だな...

玲:え?○○と寝るために頑張ってたんでしょ?

麗:だってこんな時じゃないと寝れないじゃん

理:りーはいつでも寝れるけどね!

瞳:りー今度一緒に○○くんのベッド忍び込もうね!

何言ってんだ

○:いや...流石にやめてくれ

理:え?一緒に抱きついて寝るだけじゃん!

瞳:問題ないと思うけど...

○:いやあのそういう事じゃなくて...

なんと伝えていいか分からない○○
2人に言って嫌われでもしたら気まずくて仕方ない

玲:うわ...○○そんな目で見てるんだ

麗:中学生はやめときなよ...私相手してあげるからさ

○:麗奈それも間違ってるから!///

○○達が盛り上がる中レースは2周目に入っていた

ひ:くっ!防御アイテムしかない!

夏:NISC練習しといて良かった...

愛:夏鈴ちゃん上手すぎ!

天:わっはっは!独壇場とはこの事だよ!

レースは天が1歩リードしていた
夏鈴がその後を追い、ひかる、愛季の順に並んでいる

○:やっぱり天か笑

理:いやまだ愛季の奇跡が有り得るからね!

瞳:でも愛季と○○くんが一緒に寝るのは...ちょっと嫌かも...

玲:瞳月ちゃん嫉妬してる〜笑

瞳:いやっ!嫉妬とかじゃ...///

麗:乙女だね〜笑

麗奈と玲に挟まれて逃げ場がない瞳月
理子も飛び火が来ないように○○のそばに避難する

玲:隠さなくてもいいよ笑

麗:今日だけでも瞳月ちゃんよく見てたらわかるから笑

瞳:うぅ...///

顔が真っ赤になっている瞳月
それよりも赤い甲羅を手にしているのは夏鈴だった

夏:天〜、防御引かなくていいのかな〜笑

天:待って待って!夏鈴今投げちゃダメだから!

愛:私だってあるから!

そういう愛季の手には先程奇跡を起こした青甲羅
上手く重なれば天はビリになってもおかしくない

○:天ピンチ!

ひ:漁夫の利してやるっ!

先頭の天は最終ラップ終盤を走行中

玲:投げるなら早めだね

愛:いや、まだ待つ...まだまだ...

夏:私は投げるよ笑

無慈悲にも夏鈴の赤甲羅は天を追跡し始める

天:待って!アイテム早く決まって!

クルクルとアイテム欄が回る
しかし決まることなく命中

天:あぁ〜!

夏:今のうちに!

隙を逃さず1位に躍り出る夏鈴
一気に減速した天はひかるにも抜かされる

ひ:夏鈴を抜かなきゃ!

愛:天ちゃん先いくね!

そして天は最下位に降格

ひ:甲羅出て赤甲羅!

愛:でもごめんね夏鈴ちゃん!

そして愛季の青甲羅が1位の夏鈴を追跡
ひかるは上手く避けるもコースから若干外れてしまう

○:こりゃひかるか愛季かな?

玲:いや待って!天ちゃんのアイテム!

天:これこそ最強アイテム!

天は真っ黒の大砲となって猛追跡

夏:待って!青甲羅は聞いてない!

夏鈴が青甲羅に巻き込まれている間、まともにスピードがあるのは愛季と天のみ

ひ:早くコース戻ってぇ!

夏:やばいやばい!急いで!

天:いけぇ!

愛:何とかして逃げ切る!

もうゴール目前
どちらが1位になるのか

天:いけぇ!

愛:にげきれぇ!




...




『じゃあおやすみ』

それぞれの寝床に向かう
リビングを広く開けて○○と理子の部屋で寝るメンバー以外はここで寝ることにした

瞳月の部屋も使えたが、麗奈の『林間学校みたいにみんなで寝ようよ!』ということで理子と○○の部屋だけ使うことにした

理:じゃあ寝よっか

瞳:今日もたくさん勉強したね...笑

理:ね!疲れちゃった...笑



○:...まさか勝つとはね笑

天:へへっ...最後まで諦めないやつが勝つんだよ?笑

ゴール手前、愛季を抜いて1位になったのは天だった
即答で○○のベッドを選択し、一緒に寝ることに

○:一緒に寝るとかいつ以来?笑

天:中学校以来?かな笑

○○にとっては10年ぶりくらいだ
そして相手が天ともなれば冷静を装うのが大変だ

○:そっか...そんなに前か...

天:一緒に寝たかったのもあるけど...

途端に真面目な面持ちになる

天:私の質問に答えて欲しかったからっていうのもあるんだよね

○:質問?

イマイチピンと来ていない

天:まぁ忘れてても無理ないか...笑

天:麗奈が来た日の事だよ

○:...


────────


天:昨日までの○○とは違う…なんか未来から来たみたい…


天:答えてよ、ほんとに○○なの…?


────────


一気に楽しみという気持ちは消え去り、冷や汗と心配だけが溢れ出す

天:答えてよ

○:それは...

天:...

言ってしまっていいのだろうか
未来は変わってしまうのではないか
ぐるぐると頭が回る

○:...

天:正直に教えて、知ったからと言って誰かに言ったりもしないし広めるつもりもない

天:ただ...○○じゃないんだよ...今のあなたは○○じゃない

○:天...

天:あなたは...誰?

○:...

言っちゃいけない
言ってしまったら全部が終わってしまう

なのに



○:俺は...



体は言うことを聞かなかった








○:俺は6年後の未来から来たんだ...








以前よりも暑くなった夜
季節はまもなく夏本番を迎える時期だ

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