【ラリーガ】バルセロナvsヘタフェ
ラリーガ優勝に向けて勝点3が欲しいバルセロナはホームで残留争いをしているヘタフェを迎えました。
スタメン
バルセロナの注目は怪我明けのピケとセルジロベルト、そしてデンベレが怪我したこともありグリーズマンがトップに入りました。一方のヘタフェは前節のレアルマドリード戦から大きくメンバーを入れ替えて臨みました。やはり注目は左のWGに入った久保と本来は中盤でプレーするククレジャです。
試合内容
バルセロナがボール保持し試合を支配する展開でした。前半8分ブスケツのスルーパスからメッシが抜け出し、鮮やかに右サイドネットにボールを蹴りこみバルセロナが先制。しかし、12分にヘタフェが左サイドからのクロスにアンヘルがシュート、バルセロナDFのラングレに当たってコースが変わってボールがゴールに吸い込まれヘタフェが追いつく。28分にヘタフェのDFチャクラのバックパスがそのままゴールに入ってしまいバルセロナが勝ち越す。33分にはメッシのこの日2点目が決まりバルセロナに追加点が入る。
後半からバルセロナはピケとラングレを下げてアラウホとモリバを投入。69分に久保のクロスに反応した途中出場のエネスウナルがアラウホに倒されヘタフェがPK獲得。しっかりとエネスウナルが決め1点差に詰め寄る。嫌な流れだったバルセロナは87分にCKからアラウホが頭で合わせ再びリードを2点差に拡げると、後半ATにはグリーズマンのゴールが決まりバルセロナの5点目となる。そして試合は終了し終わってみれば5-2でバルセロナの快勝となった。
試合スタッツ
試合ハイライト動画
ヘタフェの守備崩壊の理由
ヘタフェのシステムは4-3-3ですが、守備時には可変して5-4-1になります。多分バルセロナの5レーンを使った攻撃に対応するためだと思います。
右WGのイグレシアスが右SBに落ちてアレニャがやや右に出るような右肩下がりの守備陣形でした。
バルセロナは基本的に3-4-2-1のような形でビルドアップします。特にバルセロナの右サイドはとても流動的でメッシが自由に動き回り、セルジロベルトやデヨングがローテーションします。
<久保とククレジャの関係性>
この試合の久保とククレジャの守備での関係性はあまり上手くいってませんでした。セルジロベルトが2人の中間ポジションに上手く立ち位置を取っていたので、久保がマークするのか、それともククレジャがマークするのか曖昧でした。その結果ミンゲサとセルジロベルトにはあまりプレスをかけることができませんでした。遅れてククレジャが寄せに行ってワンツーで剥がされたり、セルジロベルトを起点に攻撃が始まることが多かったです。
またデヨングが高い位置を取った時にククレジャがマークするために絞らされて、大外が空くパターンがありました。そのスペースにブスケツやピケから正確なロングフィードがセルジロベルトには渡りバルセロナはチャンスを作りました。
データを見てもヘタフェの左サイドからバルセロナは攻撃していることがわかります。特に前半は久保とククレジャの左サイドからバルセロナが攻撃することが多かったです。
<DFラインの統率>
ヘタフェはかなりDFラインを高くしてコンパクトにしていましたが、DFラインの統率が取れていないように思えました。
ペドリとグリーズマンにはスアレスとジェネがかなりしっかりマークしていました。ペドリやグリーズマンがボールを受けに下りると食いついていくような守備を見せていました。
バルセロナはそれを逆手に取りグリーズマンやペドリが下りて空いた背後のスペースをかなり意識して使っていました。
バルセロナの1点目はメッシが背後を取ってブスケツから素晴らしいパスが通り生まれたゴールでした。
ヘタフェはラインを高く設定しているわりには背後のスペースの対応が上手くいっておらず、最終ラインがデコボコになるようなシーンが多々ありました。
ヘタフェの2失点目はオウンゴールでしたがこのゴールもヘタフェのDF同士でごたごたがあり慌ててバックパスしたところ、GKと連携が取れずにオウンゴールになってしまいました。最終ラインの連携不足、統率力の低さを露呈してしまいました。
ヘタフェの攻め手
基本的にバルセロナに押し込まれる展開となり、攻め手は自陣からのロングカウンターでした。
久保がボールキープをして味方の上がる時間を確保したり、久保がバルセロナのDFの背後、もしくはミンゲサの脇のスペースでボールを受けて攻撃することが多かったです。
後半からバルセロナが余裕をみせ手を緩めたことや、途中からアンヘルを下げてエネスウナルを投入し起点が増えたことでヘタフェの攻撃に勢いが出ました。2点目のシーンも久保が高い位置でボールを奪い返してクロスからエネスウナルが倒されてPK獲得でした。
データを見ても左サイドからの攻撃の割合が高くなっています。
久保の評価
この試合ではヘタフェの選手の中でも奮闘が目立ちました。ククレジャとの守備連携には問題がありましたが、プレスバックなどでボールを奪う場面もあり献身的に守備をしていたと思います。
そして攻撃面ではボールキープや味方にパスを繋ぐ安定感を披露しました。後半にはPK獲得となったクロスもありました。特にパス成功率はチームでも際立っていてヘタフェの他のアタッカーと比べても良い数字です。
ではここで、ヘタフェの攻撃の中心として活躍しているエネスウナルと比べるとやや数字が見劣りします。エネスウナルは途中出場でしたが、しっかりと得点を取りチームの流れを引き寄せる存在になっていました。
バルセロナ相手に通用する力は見せていましたが、チームを引っ張る存在、1人でも状況を打開することができる存在にはなれていなかったところが正直なところです。守備の意識など改善も見せていましたし決して悪い内容ではなかったですが、絶対的な存在にはなっていませんでした。コンスタントに今日のパフォーマンスを披露していかないとスタメン確保は出来ないかなという印象です。
最後に
リーグ戦も終盤に差し掛かってきたところでアトレティコマドリードが思ったように勝点うぃ伸ばすことが出来ておらず、優勝争いが分からなくなってきました。バルセロナはこの試合でしっかりと勝点3を獲得しタイトルレースに勢いが出たと思います。
一方でヘタフェは一時は1点差に迫り勝点を拾うチャンスでしたが、セットプレーで失点してしまい万事休す。チームとしてなかなか攻守かみ合わず上手くいかない試合となってしまいました。前節のレアルマドリードとの試合は非常に良いゲームをしていたので、切り替えて戦っていってほしいと思います。
久保に関してはチーム内で難しい状況になっているだけに与えられたチャンスは活かすことに集中してほしいと思います。チームスタイル的にしっかりとした守備や体を張ったボールキープなど久保が苦手とする部分が求められています。持っているポテンシャルは格別なものがあるだけにここからの奮起が期待したいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
出典:
・SofaScore
・WhoScored
https://www.whoscored.com/Matches/1492169/MatchReport/Spain-LaLiga-2020-2021-Barcelona-Getafe